■臨時情報-ロシア火山噴火
写真は噴煙を上げる御嶽山と自衛隊機ですが火山噴火は地震と異なりエネルギーに上限が無く時として深刻な影響を広範囲に及ぼします。

ロシアカムチャツカ半島のベズィアニィ火山が日本時間28日1710時頃、大規模な噴火を引き起し、噴煙は一時1万5000mに達したとのこと。ベズィアニィ火山は1955年から断続的に噴火を引き起しており、2010年頃から山体膨張が確認されていたとのことで、5月24日と25日にも比較的大きな噴火が発生していたということですが、今回はより大規模だ。

ベズィアニィ火山は標高2882mで、ロシア非常事態省によれば噴煙は南東方向に広がっているという、噴煙柱崩落型火砕流の懸念はありますが、ベズィアニィ火山周辺には民間居住地域は無いとのことで、観光客もいないことから、人的被害の危険は及んでいないと、ロシア非常事態省は発表しています。ただ、現地映像を見る限り山体崩壊等はありません。

火山噴火について、幾つかの留意事項を挙げますと、火砕流や火山灰被害とともに、大気中の火山性エアロゾルによる旅客機飛行への影響、また微細粒子の成層圏滞留により太陽光照射低下の影響です。ただ、ベズィアニィ火山噴火は噴火から五時間後には噴煙は5000m程度まで低下しているということで、この規模の噴火で終息するならば影響は限定的です。

ただ、懸念するのは、山体膨張しているともとれるロシア科学アカデミーによる2010年頃からの観測で、山体膨張とも火口溶岩ドームとも受け取れる変化であり、これで噴火は終息に転じるのか、ということです。溶岩ドームの爆発ならば崩落型火砕流を引き起すものですが、噴煙1万5000mの観測と少々矛盾が生じます、山体膨張となるならば話は難しい。

山体崩壊に至っていないならば噴火は継続する可能性があります。無論、火山噴火の旅にこの種の懸念は常に一定程度ありますので、観測を継続する必要はあります。仮にさらに大きな噴火となった場合は、北半球の気象に影響が生じ、例えば農業生産などに一定程度の影響を及ぼす懸念もあります、ただ、その可能性は現段階では低いのもたしかです。

大規模噴火ということで我が国気象庁は、トンガのフンガトンガフアパイ火山噴火の際のような遠隔津波の日本到達を警戒していましたが、今回の噴火では顕著な気圧変化は認められないということで、危険は無いと発表しました。なお、カムチャツカ半島は千島列島火山帯を形成しており、こうした地球深部の変動が地震などに間接的に影響しないのかも関心事でしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
写真は噴煙を上げる御嶽山と自衛隊機ですが火山噴火は地震と異なりエネルギーに上限が無く時として深刻な影響を広範囲に及ぼします。

ロシアカムチャツカ半島のベズィアニィ火山が日本時間28日1710時頃、大規模な噴火を引き起し、噴煙は一時1万5000mに達したとのこと。ベズィアニィ火山は1955年から断続的に噴火を引き起しており、2010年頃から山体膨張が確認されていたとのことで、5月24日と25日にも比較的大きな噴火が発生していたということですが、今回はより大規模だ。

ベズィアニィ火山は標高2882mで、ロシア非常事態省によれば噴煙は南東方向に広がっているという、噴煙柱崩落型火砕流の懸念はありますが、ベズィアニィ火山周辺には民間居住地域は無いとのことで、観光客もいないことから、人的被害の危険は及んでいないと、ロシア非常事態省は発表しています。ただ、現地映像を見る限り山体崩壊等はありません。

火山噴火について、幾つかの留意事項を挙げますと、火砕流や火山灰被害とともに、大気中の火山性エアロゾルによる旅客機飛行への影響、また微細粒子の成層圏滞留により太陽光照射低下の影響です。ただ、ベズィアニィ火山噴火は噴火から五時間後には噴煙は5000m程度まで低下しているということで、この規模の噴火で終息するならば影響は限定的です。

ただ、懸念するのは、山体膨張しているともとれるロシア科学アカデミーによる2010年頃からの観測で、山体膨張とも火口溶岩ドームとも受け取れる変化であり、これで噴火は終息に転じるのか、ということです。溶岩ドームの爆発ならば崩落型火砕流を引き起すものですが、噴煙1万5000mの観測と少々矛盾が生じます、山体膨張となるならば話は難しい。

山体崩壊に至っていないならば噴火は継続する可能性があります。無論、火山噴火の旅にこの種の懸念は常に一定程度ありますので、観測を継続する必要はあります。仮にさらに大きな噴火となった場合は、北半球の気象に影響が生じ、例えば農業生産などに一定程度の影響を及ぼす懸念もあります、ただ、その可能性は現段階では低いのもたしかです。

大規模噴火ということで我が国気象庁は、トンガのフンガトンガフアパイ火山噴火の際のような遠隔津波の日本到達を警戒していましたが、今回の噴火では顕著な気圧変化は認められないということで、危険は無いと発表しました。なお、カムチャツカ半島は千島列島火山帯を形成しており、こうした地球深部の変動が地震などに間接的に影響しないのかも関心事でしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)