北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事 実施詳報(1)

2008-10-31 18:43:19 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 十一月最初の三連休に実施される自衛隊関連行事について紹介する。第一報ということで、二週目以降は順次掲載の予定。ご了承ください。

Img_4718  十一月一日は自衛隊記念日ということで、艦艇部隊の基地などでは満艦飾を実施する。また、十一月三日は、航空自衛隊の航空祭では、最も多くの観客を集める入間基地航空祭2008が行われる。今年もブルーインパルスが参加する予定で、輸送航空団のC-1や総隊司令部飛行隊の航空機が迫力の飛行展示を行う予定。

Img_9015_1  九州の健軍駐屯地では、西部方面隊創設記念行事として、市街パレードが行われるとのこと。路上での観閲行進を見ることができる駐屯地はあるものの、道路を封鎖して行う観閲行進は、非常に珍しい。特に方面隊記念行事ということもあり、市街パレードとしては、日本最大の規模でおこなわれる。重砲や戦車、ミサイルに装甲車が市街地をゆく様子は、凄いとのことだ。

Img_3693  もう一つは、広島の海田市駐屯地で行われる第13旅団の創設記念行事。一個連隊が中部方面混成団に編入されたものの、即応予備自衛官主体のコア編成部隊を現役隊員による完全充足編成に切り替え、中国地方の防衛警備及び災害派遣にあたる部隊である。首都圏からも、寝台特急富士・はやぶさ号を利用すれば、早朝に現地へ到着できる。

Img_0384_1  明日行われるのが、神奈川県の久里浜駐屯地祭。通信学校、通信教導隊、中央野外通信群が駐屯しており、珍しい装備もみることができるようだ。久里浜ということで、東京からも京浜急行の快速特急で一本、帰路に汐入駅で降車し、満艦飾の護衛艦が並ぶ吉倉桟橋をヴェルニー公園から撮影、というのもいいのではないか。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

  1. 十一月一日(陸上自衛隊):久里浜駐屯地創立祭(神奈川県久里浜市)・・・通信学校などが置かれている。したがって通信学校祭、とも呼ぶべきか。
  2. 十一月二日(陸上自衛隊):西部方面隊創立記念・健軍駐屯地祭(熊本県熊本市)・・・九州と南西諸島の防衛警備及び災害派遣を担当する西部方面隊の創立記念行事。市街地でのパレードは、規模として日本最大。一日には追悼式が行われる。
  3. 十一月二日(陸上自衛隊):第13旅団・海田市駐屯地創立記念行事(広島県安芸郡海田市町)・・・山陽・山陰地方の防衛警備及び災害派遣にあたる第13旅団の創設記念行事。
  4. 十一月三日(航空自衛隊):入間基地航空祭2008(埼玉県入間市)・・・中部航空方面隊司令部が置かれる航空基地。昨年度はペトリオットミサイルPAC-3が公開された。航空救難団司令部が置かれ、入間ならではの飛行展示を見ることができるが、人口密度はものすごく、人間基地航空祭としても親しまれている。

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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陸上自衛隊豊川駐屯地創設58周年記念行事(豊川駐屯地祭2008) 訓練展示模擬戦編

2008-10-30 20:47:28 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■豊川駐屯地祭2008

 式典、観閲行進の模様をお伝えした前回に続き、本日は豊川駐屯地祭、訓練展示・模擬戦の柚須を紹介したい。特科火砲、普通科部隊、施設群が参加する、豊川ならではの迫力の情景をお伝えしたい。

Img_5458_1  状況開始、第49普通科連隊の情報小隊から、斥候班が偵察オートバイにて敵情を探る。情報小隊は本部管理中隊の隷下にあり、通信小隊、輸送小隊、衛生小隊、管理整備小隊、施設作業小隊とともに、普通科連隊が独立した作戦運用に就くことを可能としている部隊である。他方、火力などは師団偵察隊とは比較にならず、専ら斥候と監視が任務となっている。

Img_5118_1  会場左手にて仮設敵が陣地構築中!、情報小隊の斥候が敵を発見した。通常、駐屯地祭の訓練展示では、仮設敵が陣地を構築し終えてから状況開始!となるのだが、今回は仮設敵の陣地構築と同時進行で訓練展示が行われた。写真は92式対戦車地雷を敷設するべく装甲車から降車した仮説敵。

Img_5131_1  仮設敵陣地構築中!、情報小隊からの知らせを受けて第4中隊の軽装甲機動車がMINIMI分隊機銃を搭載し急行する。そのころ、仮設敵は装甲車などの支援下に地雷の敷設を一通り完了し、続いて有刺鉄線による鉄条網や小銃班の陣地を構築、わが普通科部隊の前進を阻む障害を着々と構築中であった。

Img_5157_1  陣地構築とともに、第10特科連隊のFH-70榴弾砲による展開の展示が行われていた。空包発射に伴う安全管理上、訓練展示では訓練場の端に配置されるFH-70であるが、その展開動作を展示するという目的で、1門が観閲台の正面に展開、素早く砲身を前方に向け、射撃準備を完了する。

Img_5175_1  続いて、第49普通科連隊の重迫撃砲中隊も120㍉重迫撃砲の展開を展示する。毎分15~20発の射撃を可能とし、通常弾で8100㍍、最大で13000㍍の射程を有するこの迫撃砲は、中隊に12門配備されており、第一線への火力支援に使われる。このほか、普通科中隊にも迫撃砲小隊が配属されており、81㍉迫撃砲による火力支援を実施する。

Img_5224_1  仮設敵の陣地がほぼ完成したころ、対戦車中隊が支援を行うべく展開、12基が配備されている79式対舟艇対戦車誘導弾が素早く車両から降ろされ、射撃位置から33kgの弾頭を敵に向ける。続いて増援の軽装甲機動車も展開、小回りの利く車体には、小銃班が持つありとあらゆる火力が秘められている。

Img_5249_1  攻撃部隊にとり、任務遂行上最初の障害は、仮設敵が敷設した92式対戦車地雷である。これを処理するのは、第6施設群の92式地雷原処理車だ。25㌧の車体には、二発の爆導索を内蔵した地雷処理用のロケットが搭載されており、これにより広範囲の地雷原を瞬時に無力化することを任務としている。

Img_5252_1  爆導索により地雷原が爆破された、という想定。施設科部隊は火薬の量では特科部隊の火砲から投射する量よりも実は多い。92式地雷原処理車は、大量の爆薬を直線状に地雷の上に落とし、一気に爆破して地雷を誘爆させることで幅5㍍、長さ100㍍以上の戦車用通路を瞬時に啓開する。

Img_5258_1  続いて鉄条網を除去するべく、75式装甲ドーザーが大型ドーザーが展開する。75式装甲ドーザーは第一線部隊の機動支援用に1969年より開発が開始された車両で、中型ドーザーと同等の能力を有するとともに車体主要部分に装甲が施されており第一線での作業に耐えることができる。加えて最高速度45km/hというこの種のドーザーと比して高い速度性能を有しているため、機甲部隊に追随することも可能だ。

Img_5277_1  施設群の障害除去を支援するべく、FH-70榴弾砲が射撃する。訓練展示には横隊に3門のFH-70が展開し、順次射撃を行う方式を採っていた。ただ、撮影位置の関係上、当方展開位置からは、他の車両と被ってしまい、あたかも75式装甲ドーザーが射撃しているような情景となったのはご愛敬。

Img_5281_1  大型ドーザーとともに、軽装甲機動車も前進する。大型ドーザーは、装甲は施されていないものの、より大型の排土板を装着しており大規模な作業に対応していると共に、必要に応じてアタッチメントを装着、リッパ作業やウインチ作業などにも対応できるとのこと。ただし、速度は遅いため、展開には輸送車両による支援が不可欠だ。

Img_5369_1  この障害除去作業を支援するのが74式戦車。38㌧の車体には、弾道コンピュータと砲安定装置により高い命中精度を発揮させる105㍉戦車砲が搭載されており、油圧式サスペンションによる車体傾斜、そして命中砲弾を逸れさせる避弾形状の採用など、高い能力を有する戦車である。

Img_5401_1  撃てッ!!、105㍉砲が射撃を行う。閃光と一瞬遅れ迸る砲声が衝撃波となってこちらに向かう。FH-70榴弾砲とは違って白い閃光である。また、砲焔が出ているのも、本当に一瞬であり、撮影することは実は非常に難しい。EOS40Dの連写速度を活かしてシャッターを押し続けて撮影に成功した一枚。

Img_5413_1  74式戦車の戦車砲による射撃により敵装甲車を無力化、そして前進を続ける。ここに来ると戦車の迫力と力強さがひしひしと伝わってくる。空冷2サイクル10気筒ディーゼルエンジンの鼓動と、先ほどの大地を揺るがす戦車砲空包射撃の余韻の中、いよいよ戦機は熟しつつあった。

Img_5427_1  同時に軽装甲機動車からは完全武装の普通科隊員が降車、素早く伏せて小銃を向ける。そこに最後の特科火砲による火力支援の砲声が轟き、これを合図とするように部隊は突撃に移行、たまりかねた仮設敵が降伏し、状況は終了となった。

 特科火砲による射撃の様子がよく見渡せる位置から撮影した昨年と異なり、本年度は状況全般を見ることができる仮設敵陣地広報から撮影したのだが、陣地構築と状況が並行して進むなど、興味深い訓練展示であった。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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陸上自衛隊豊川駐屯地創設58周年記念行事(豊川駐屯地祭2008) 式典・観閲行進編

2008-10-29 13:59:04 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

豊川駐屯地祭2008

 2008年10月25日、愛知県に所在する陸上自衛隊豊川駐屯地は創設58周年を迎えた。雨天が危惧されたものの、雨は上がり、一時は青空もみえた豊川駐屯地祭の様子をお伝えしたい。

Img_5202_1  陸上自衛隊豊川駐屯地には、第10師団隷下の第10特科連隊、第10高射特科大隊と、第49普通科連隊、中部方面隊直轄施設科部隊である第4施設団隷下にある第6施設群、そしてこれら戦闘部隊の整備支援などを行う師団後方支援連隊と中部方面後方支援隊隷下の直接支援部隊が駐屯している。

Img_5039  式典に整列し、部隊旗を掲げ指揮官に応える式典参加部隊。この列にて振り上げられているのはは中隊旗である。この多くの中隊旗の中でも、黄色の特科職種の中隊旗が目立つが、それもそのはず、第10特科連隊は、中部方面隊唯一の特科連隊。中隊は12個の特科中隊、本部管理中隊、情報中隊など合せて14中隊。

Img_5061_2  第10特科連隊長、兼ねて豊川駐屯地司令を務める權藤三千蔵1佐が車上から指揮官巡閲を行う。權藤連隊長は、今年四月から第28代司令として豊川駐屯地に赴任、訓示では、諸先輩方への感謝と地域住民の方々への挨拶を行うと共に、頼りがいのある自衛隊、日本最高の駐屯地を目指す旨を訓示し、続いて来賓祝辞、祝電披露が行われた。

Img_5217  祝電披露が終わると、観閲行進準備の号令が掛る。豊川訓練場に待機していた車両に向けて、駆け足で部隊が動き出す。素早く所定の配置につき、次々と掛かるエンジンの鼓動が式典会場に伝わってくる。観閲行進に向けて、第10音楽隊の隊員が演奏を行う位置に向けて行進して移動してゆく。

Img_5083  観閲行進の先頭は、高機動車とともに豊川駐屯地が防衛警備及び災害派遣を担当する市町村旗の行進である。駐屯地が置かれて二年後には伊勢湾台風が襲来、先日の岡崎豪雨に災害派遣されたのも、この豊川駐屯地所在部隊であり、東海地震の危険性が叫ばれる今日、官民一体となった準備が求められている。

Img_5271_2  第49普通科連隊の連隊旗。第49普通科連隊は2003年の師団改編により誕生した部隊で、即応予備自衛官を主体とし、平時は基幹要員により運用される、いわゆるコア化部隊。連隊の編成は、本部管理中隊と、第1・第2・第3・第4中隊、対戦車中隊、そして重迫撃砲中隊、となっている。

Img_5305_2  第49普通科連隊第4中隊の軽装甲機動車。軽装甲機動車は、中部方面隊では、第10師団に2002年より導入が開始された装備である。ただし、装備している中隊数は、現在では第3師団隷下の普通科連隊の方が多いようで、他方、3師隷下の普通科連隊は対戦車中隊を有さず第5中隊を置いている。つまり、第10師団は、火力重視の編成ということか。

Img_5380  第10特科連隊第1大隊のFH-70榴弾砲が中砲牽引車に牽引されて観閲行進に参加する。大隊隷下には二個中隊あり、一個中隊は、4個戦砲隊から成る。戦砲隊は中砲牽引車などの車両を以てFH-70榴弾砲を運用する。したがって、第10特科連隊には48門のFH-70榴弾砲が配備されているということになる。

Img_5455  第10特科連隊のほか、中部方面隊には、かつて第3師団(千僧駐屯地)隷下に、姫路の第3特科連隊、第13師団(海田市駐屯地)隷下に日本原の第13特科連隊が置かれていたが、第3師団の政経中枢師団への改編、第13師団の旅団化改編により、それぞれ特科大隊を置かず特科中隊を基幹とした特科隊に改編されているため、第10特科連隊が、最後の連隊編成を採る特科部隊となっている。

Img_5470

 第5大隊のFH-70榴弾砲。第1・第2・第3・第4大隊は、2個中隊より成り、普通科連隊が連隊戦闘団を編成する際に組み込まれ、普通科連隊とともに戦車中隊、施設小隊とともに独立した戦闘団を編成する。他方、この第5大隊は4個中隊より成り、師団長直轄運用を受け、全般火力支援にあたる。このほか、対砲レーダーなどが行進に続いた。

Img_5495  第10高射特科大隊本部管理中隊の車両が続いて観閲行進に参加する。本部管理中隊に情報小隊には、対空戦闘の要、各種対空レーダーが装備されている。写真は対空レーダ装置JTPS-P14で、このほか、低空侵入する航空機を捉える低空レーダ装置JTPS-P18が装備されており、観閲行進に参加した。

Img_5504  第1中隊の93式近距離地対空誘導弾、通称93式近SAM。即応性が高く、低空から襲いかかる攻撃ヘリコプターや攻撃機に対して迅速に対処することができる装備だ。第2中隊には81式短距離地対空誘導弾、通称短SAMが装備されており、二個高射隊4セットの短SAMを以て、師団防空任務を遂行する。

Img_5537  続いて、第6施設群の部隊が観閲行進に参加する。師団や旅団隷下にある施設科部隊は、主に戦闘支援を任務とするが、方面隊直轄の施設科部隊は、これに加えて、兵站線の維持や施設修理を含めた、いわゆる建設という分野の支援も担当している。観閲行進には75式装甲ドーザ、92式地雷原処理車も参加した。

Img_5568  後方支援部隊が観閲行進の最後をゆく。豊川駐屯地には、春日井駐屯地の第10後方支援連隊より第2整備大隊の普通科直接支援中隊、特科直接支援中隊、高射直接支援隊が、そして桂駐屯地の中部方面後方支援隊より第104施設直接支援大隊の第1直接支援中隊が駐屯している。

Img_5581  こうして観閲行進は終了し、訓練展示模擬戦に向けて、準備が開始されるとともに、観閲行進の先頭を飾った市町村旗が会場正面に整列し、旗と共に市町村の紹介が行われていた。市町村の名前が挙がると共に一歩前に出た旗手へ、会場からは惜しみない拍手が贈られていた。

 次回は訓練展示の模様を掲載したい。

HARUNA

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Weblog北大路機関 本格再開と、これからの予定

2008-10-28 22:20:25 | 北大路機関 広報

■これからの北大路機関

 Weblog北大路機関は、本日より本格復旧します。本日はまず、これからの北大路機関に関する予定について紹介。

Img_7321  今後、詳報としてはまず最初に昨年撮影しました岐阜基地航空祭、そして明野駐屯地祭の模様を紹介する予定。内容としては、まもなく行われる今年の岐阜基地航空祭と明野駐屯地祭への見所や交通、会場の雰囲気、そしてアクセスなどを伝える、こんな行事です!、ガイド的な記事とする予定です。

Img_8855  明野駐屯地祭を先に紹介する予定で、陸上自衛隊の航空科職種の教育を一手に担う航空学校が主催する行事の迫力ある編隊飛行や機動飛行、訓練展示の模様、明野ならではの様子や近鉄明野駅からの(までの?)アクセス、式典のタイムスケジュールなどをお伝えする予定。

Img_0830

 続いて今年度の行事には残念ながら間に合わなかったものの、金沢駐屯地祭の模様を詳報にて掲載予定。第14普通科連隊が駐屯する駐屯地祭であるが、師団行事などとはことなり、普通科連隊が主役を務める。それだけに創意工夫があり、北陸の山岳連隊ならでは、という印象をお伝えしたい。

Img_3681_1  続いて掲載を予定しているのが、昨年度の守山駐屯地祭。第10師団司令部がおかれている。今年とは撮影位置が異なり(毎年、異なる位置から撮影している)、この位置からはこのようなアングル、あの位置からはあのようなアングル、というような年度ごとに違う守山の行事と10師団の精強ぶりを紹介したい。

HARUNA

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Weblog北大路機関 明日より本格復旧

2008-10-27 22:19:28 | 北大路機関 広報

■HDデータは全て無事

 Weblog北大路機関は、現在、PC故障とそれに伴う新PC移行作業に伴い、現在、更新を休止中です。明日より本格復旧の見込み。ご心配おかけしました。

Img_7215  本日、岐阜を離陸したファントムが、無人機のようなものを搭載していたとのこと、豊川駐屯地祭速報などなど、お伝えしたいことは多々あるも、現段階で、まず発表すべきことは、PCに関するお知らせ。PCに関して、データ関係は全て無事、第一予備、第二予備に分けて保管されているデータはもとより、今回のPC故障はHDやCPUに関わるものではなく、モニたー部分のバックライトが全て機能しなくなったという単純なもの。従って、混乱の中で消去されたものは何一つありませんので、皆様、ご心配をおかけしました。

Img_6956_1  現在は、復旧作業とともに、Web環境の一部向上を図ると共に、脆弱性を低めることを目的として、本来用途用・携帯用に二分化することで、各種作業とWeblogに関する諸作業の分業を行う移行作業を実施中です。それにしても、旧式化した装備の更新は、費用もさることながら更新の時期を如何に見極め、業務その他への支障を局限化するという事も含め、難しいことですね(写真と本文は多分関係ありません)。

北大路機関

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PC更新中にため暫定記事

2008-10-26 16:57:57 | 北大路機関 広報

■PC故障中

 PCのバックライトが完全に故障し、モニたーが使えない状況にて、記事を暫定的に更新。

Img_7254_2  とりあえず、予備のPCを導入、現在移行作業中。従って、本日は暫定記事。明日以降は、更新が滞る可能性もあります。そういった場合には、必要におぷじて、第二北大路機関の砲で更新記事やお知らせを掲載することとなりますので、ご了承下さい。また、北大路機関広報の行事予定に関する更新もお休みする場合があります。

北大路機関

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豊橋祭りを支援!豊川駐屯地第6施設群第370施設中隊

2008-10-25 22:12:21 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■豊橋祭り2008(10月19日)

 私事ながらPC状態が非常に悪く、これも酷使しすぎた背景があるのだけれども、新PCに移行中。従って、本日は写真整理も出来ず、予定を変更して掲載。明日以降、更新に支障が出る可能性も出てきた。

Img_4784  鉄道の日記念切符として、三回分、JR全線の普通列車と快速列車が乗り放題になるフリー切符を利用して、最初は、首都圏横浜へ航空宇宙展を撮影に、その道中、カナダ海軍艦船の横須賀出港を撮影した。そして第二回は、早朝の京都駅始発電車を利用して東舞鶴半日紀行を実施、舞鶴基地の艦船と巡視船を撮影した。

Img_4753  そして三度目は、名鉄パノラマカー白帯車(特急仕様車塗装)復活記念電車を撮影に、長躯名鉄線に足を運んだ。しかしながら、名鉄だけを撮影し、撤収するのではもったいないと言う事で、そのまま豊橋へJR新快速にて展開、路面電車に花電車が走る豊橋祭り会場へと足を進めた。

Img_4760  メイン会場の一つとなっていた豊橋の吉田城址には、救命ボート体験試乗、という紹介があり、消防の救命ボートなのだろうか、と足を進めていった次第。しかしながら、なんと豊川にて体験試乗を行っていたのは、陸上自衛隊豊川駐屯地から展開した施設科部隊が運用する渡河ボートなのであった。

Img_4785  渡河ボートの体験試乗を行っていたのは、第6施設群の第370施設中隊のとかボートである。第6施設群は、大久保駐屯地の第4施設団隷下にある、中部方面隊直轄の施設科部隊だ。残念ながら、ある意味当然なのだが、到着した時間が遅かった為、渡河ボートは撤収作業中であった。

Img_4789  渡河ボートは、73式大型トラックに搭載するべく二つに分割できる構造となっている。実任務における運用では、夜間などに隠密裏に部隊を対岸に送るという性質上、この種の渡河ボートは、動力以外に、人力での操作が必要とされる。こうした技術を間近に見る機会というのは一般の人には災害時を除けば意外と少ない。

Img_4840  渡河ボートを体験試乗の行われる乗り場から、トラックに収容するところまで移動させると、道路障害作業車による揚収作業が行われていた。道路障害作業車は、クレーン・ドリル・コンクリートカッター・チェーンソー・ブレーカー・ダンパーを駆使し、舗装道路などに敵の前進を阻む障害を急速に構築させることを意図して開発された車両だ。。

Img_0084  駐屯地祭などでは、施設大隊の車両として観閲行進や装備品展示には公開されるものの、訓練展示などで実際に運用されることは珍しい装備の一つだ。このように、撤収作業などを撮影しつつ、城郭の撮影、更に東京都電や名鉄600v線の生き残り車両が活躍する豊橋市電の写真を撮影、待望の花電車の写真も撮影し、意気揚々と撤収した次第。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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陸上自衛隊豊川駐屯地創設57周年記念行事(豊川駐屯地祭2007)詳報

2008-10-24 17:36:24 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■豊川駐屯地祭(2007年10月27日)

 陸上自衛隊豊川駐屯地は、三河武士尚武の地として知られる愛知県豊川市に所在している。駐屯地は、市の中心部有名な豊川稲荷にも近く、旧海軍工廠の跡地を利用して1950年に創設された。

Img_6296_1  豊川駐屯地57周年記念行事は、当日、台風接近下ということもあり、あいにくの雨天。しかし聞いて見ると、晴天行事予定で駐屯地祭は実施されるとのことだったので、防水具と雨具を準備しつつ、名鉄豊川線を利用して特急停車駅の諏訪町駅へ、そして諏訪町駅から豊川駐屯地までシャトルバスを利用した。

Img_6301_1  豊川駐屯地祭は、駐屯地に隣接する訓練場(グラウンド)を利用しておこなわれる。印象としては、久居駐屯地祭とおなじような立地で、道路の向こうが式典会場、という立地。理由は、特科火砲や各種ミサイルなど多数が観閲行進に参加するため、車両が収まりきらないほどの数に昇る、というもの。

Img_6324_1  おさまる気配の無い雨の中、ずらりと並ぶ待機車両を撮影していると、時計は既に0947時。式典に参加する部隊が、入場するべく集合を始めたので、当方もスタンド席に向かう。幸いこの時間でもスタンド席の最上段が空いていたので、そこから待機車両と部隊が一枚に収まるような俯瞰写真を撮影。

Img_6289_1  スタンド席の状況。人口密度が低い。当日は、台風接近下の雨天ということで、出足が少ないということもあるのだろうが、それ以上に、同じ愛知県の航空自衛隊小牧基地では、同日、小牧基地航空祭2007が実施されており、少なくない人数が、小牧航空祭に流れている、という背景もあるのだろう。

Img_6331_1  部隊整列。号令が響き渡る。スタンド席から数枚撮影したのち、当方は、下に降りた。スタンド席からの情景は素晴しいのだが、残念ながら雨天ということもあり、目の前に傘、左右も傘。これでは、写真が撮りにくい、ということで、とりあえず下に降りよう。場所を他の人に譲って、カメラを手に次の撮影位置へ移動。

Img_6338_1  並ぶ連隊旗。豊川駐屯地には、第10特科連隊と第49普通科連隊という、二つの連隊が駐屯している。二つの連隊を簡単に紹介すると第10特科連隊は、中部方面隊唯一の特科連隊であり、第49普通科連隊は、03年度第10師団師団改編で誕生した新進気鋭の新しい部隊だ。

Img_6360_1  指揮官に対して敬礼!、一斉に旗が振り上げられる。第10特科連隊には5個特科大隊12個特科中隊、それに本部管理中隊と情報中隊が、第49普通科連隊にも本管中隊、4個普通科中隊、重迫撃砲中隊、対戦車中隊。第10高射特科大隊の3個中隊、第10後方支援連隊第2整備大隊から2個中隊、方面直轄の第6施設群に3個中隊と支援の1個中隊。従って、中隊旗はこのように凄い数となる。

Img_6372_1  指揮官巡閲。豊川駐屯地司令、兼ねて第10特科連隊長を務める、藤田穣1佐が、73式小型トラックの車上から整列した部隊の前を巡閲する。

 巡閲を終えて、壇上に戻った駐屯地司令による指揮官訓示、続いて来賓祝辞、祝電披露などが行われた。

Img_6385_1  観閲行進準備!

 豊川駐屯地祭は、この号令から一気に静から動へ移行した。第10師団は、他の師団とは異なり、更新して退場しない、式典会場から全速力で車両へ駆けつけるのが第10師団の行進準備である。この観閲行進準備の迫力も中々だ。

Img_6408_1  観閲行進の先頭は、指揮官が乗車した82式指揮通信車だ。特科大隊の指揮車用として、また、普通科連隊本部用として開発された装輪装甲車で、データ通信能力の有無や車内容積などの点で、現代的とは言いがたいものの、自動車化の過渡期にあった陸上自衛隊の近代化を大きく進めた車両であることは間違いない。

Img_6446_1  第49普通科連隊の車両が続いて行進する。昨年とは違う撮影位置、ということで、考えた結果、式典会場から駐屯地までを結ぶ道路の反対側から撮影した。此処から撮影すると、式典会場に入り、観閲台前を通った車両が次々と曲がってこちらに向かってくる様子を撮影することができる。

Img_6433_1  第49普通科連隊は、即応予備自衛官を主体とする、いわゆるコア化部隊であり、平時には基幹要員のみが勤務している。しかし、第10師団の他の普通科連隊と同じく、早い時期から軽装甲機動車や高機動車を受領しており、対戦車中隊など、大きな火力を発揮することができる編成だ。

Img_6450_1  軽装甲機動車。陸上自衛隊装甲車の代名詞的な存在と成りつつある、安価な装輪装甲車。性能は、装軌式装甲車と比べた場合、不整地突破能力や搭載火器の面で見劣りするものの、その分安価であることから、広範な装備化が実現した。一個小銃班を複数の車両にて運搬することで、木目細やかな任務遂行が可能となっている。

Img_6480_1  特科連隊情報中隊の対砲レーダー車JTPS-16.飛翔する敵火砲の砲弾を捉え、弾道計算し、射撃位置を把握するもので、評定幅50°、距離40kmの範囲内を同時に18目標まで把握することが出来る。性能としては、独仏共同開発のCOBRAなどを比較しても遜色なく、更に装備密度では、陸上自衛隊の方が上である。

Img_6306  FH-70榴弾砲の観閲行進。第10特科連隊には5個大隊12個特科中隊が配属されている。第1大隊から第4大隊までは、二個特科中隊編成を採っており、連隊戦闘団に組み込まれ、普通科連隊の直接火力支援用に用いられ、第5大隊は四個特科中隊編成、師団直轄として全般火力支援に用いられる。

Img_6487_1  特科連隊は、火砲の運用を通じて、対砲兵戦を実施、加えて普通科部隊への火力支援、攻撃準備射撃から突撃破砕射撃、後方の補給路や策源地を狙う攪乱射撃、固定建造物への攻撃などなど、様々な任務に対応する為に各種装備を有しており、師団隷下の“連隊”としては、一番の大所帯である。

Img_6497  FH-70榴弾砲は、イギリスのヴィッカース社、ドイツのラインメタル社、イタリアのOTOメララ社の三社が1970年代における欧州の標準野砲を目指して共同開発した装備で、陸上自衛隊は1983年から導入を開始している。砲身は、6.022㍍あり、標準的な39口径の155ミリ榴弾砲である。

Img_6503  FH-70榴弾砲の特色は、中砲牽引車に支援を受けなくとも1800ccの小型エンジンを搭載しており、短距離であれば路上を16km/hで走行することが可能である。加えて、これまで装填桿で押し込んでいた砲弾を、半自動装填としたことで、発射速度を幾分か高めているのも特徴だ。

Img_6523  緊急時のバースト射撃であれば、最大13秒間に3発、持続射撃でも毎分6発の射撃が可能である。射程は、通常榴弾で24km、ロケット補助推進弾で射程30km、特殊な強装薬を使用した場合の射程が31kmとなっている。近年、各国の野砲は射程で40km台へ移行している過渡期であるため、陸上自衛隊でも次期野砲に関する検討を始めているとされる。

Img_6525  FH-70榴弾砲が導入される以前は、第4大隊までが、直接火力支援に用いると言う事で、軽便な105㍉榴弾砲を運用し、全般火力支援に用いる第5大隊の火砲のみが155㍉榴弾砲を運用していたが、現在では省力化の進んだFh-70の導入を機に155㍉に統一されており、陸上自衛隊に変革をもたらした榴弾砲でもある。なお、FH-70は、一部で老朽化も指摘されている。

Img_6537  それにしても、雨の水溜りは凄い。降雨も止まず、泥飛沫を巻き上げて観閲行進に参加する車両は非常に勇壮な写真を見せてくれるものの、防水危惧が大活躍、晴天の方が式典も撮影もスムーズであろう。他方、昨年は快晴の下で砂塵に悩まされたことを思えば、砂塵が無いだけでもよしとするべきなのだろうか。

Img_6556  高射特科大隊の車両による観閲行進。写真は対空レーダーJTPS-P-14.このほか、高機動車に搭載された低空レーダ装置JTPS-P18が高射特科大隊本部管理中隊の情報小隊には配備されている。これらレーダーは、師団対空戦闘情報システムに接続し、広範囲の経空脅威情報を師団で共有させることができる。

Img_6566  第10高射特科大隊第1中隊に装備されている93式近距離地対空誘導弾。91式携帯地対空誘導弾を車載したものであるが、即応性が高く、師団対空戦闘情報システムとの連動、そして複合光学装置による照準により、特に低空から忍び寄るヘリコプターや攻撃機に対して大きな威力を発揮する装備である。

Img_6595  第6施設群の車両。第6施設群は、方面直轄の施設科部隊として、大久保駐屯地の第4施設団隷下にあり、本部管理中隊と、第370施設中隊、第371施設中隊が豊川駐屯地に駐屯しており、第369施設中隊が岐阜分屯地に、第372施設中隊が鯖江駐屯地にそれぞれ駐屯している。

Img_6609  観閲行進が終了すると、訓練展示準備に移った。訓練展示に参加する車両は、観閲行進終了後も駐屯地には戻らず、待機位置にて状況開始を待っている。写真の81式地対空短距離誘導弾もそういった装備の一つである。81式短SAMと略称され、師団策源地の防空を担う、強力な野戦防空システムだ。

Img_6753  状況開始!

 会場左側の地域に仮設敵が陣地構築中との情報を受け、敵情を探るべく第49普通科連隊の情報小隊から斥候のために偵察オートバイが猛スピードで前進する。斥候は、基本的に敵の有無を探ることが任務であるため、速度と隠密制を最大の武器とし、小銃のみの軽装備である。

Img_6665  続いて、第49普通科連隊から軽装甲機動車が前進する。軽装甲機動車の任務は、後続する特科火砲のために地域を確保することだ。特に、中迫撃砲なども、至近距離からは野砲にとり重大な脅威となるため、普通科の協力を受けねばならない、こうした中で陣地を決定する特科中隊長の責任は大きい。

Img_6676  泥飛沫を巻き上げながら、FH-70榴弾砲が射撃位置へ、自走して前進する。野砲の展開位置には、既に特科隊員が待機しており、不意の襲撃に備え89式小銃を構えている。FH-70は陣地に到着すると、素早く射撃隊形に移行する。自走砲とくらべると、この時間がなんとももどかしいのだが、小型であることから秘匿性に優れているという利点はある。

Img_6687  続いて、普通科中隊の対戦車小隊が87式中距離対戦車誘導弾を車載し、前進してくる。すでに、フロントガラスの部分は倒されており、その上に照準器が搭載されている。この87式中MATは、レーザー照射によりミサイルを誘導、発射焔が狙われる為、照準器とミサイル発射器に距離を置いて運用することも可能だ。

Img_6696 敵航空機接近!、仮設敵陣地方向から航空機が接近したという状況で、高射特科大隊が出動する。着弾観測機であれ、戦闘ヘリコプターであれ、今日の陸上戦闘は、情報の戦い、位置情報を悟られれば直後に猛烈な反撃を受けることも考えられる。この点、高射特科大隊の任務は重要だ。

Img_6693  第1中隊の93式近距離地対空誘導弾、通称近SAMが全速力で射撃位置へ向かってくる。箱型のランチャーに四発づつ、ミサイルが収容されている。35㍉高射機関砲の後継として装備が進められた装備で、35㍉機関砲L-90も多種多様な弾薬が開発され、高性能なのだが、陸上自衛隊はミサイル化の道を選択した。

Img_6616  特科火砲の射撃に向けて、情報小隊が情報収集を続ける。しかし、この泥飛沫は凄い、車体に施された偽装と相まって、物凄い迫力の写真となっている。しかしながら、凄すぎて、転倒しないかと、見ているほうも冷や冷やしてしまった次第、しかし、訓練の賜物で、事故も無く任務遂行した。

Img_6376  まず、仮設敵陣地に対する対砲兵戦である、FH-70榴弾砲が射撃を開始する。ご覧の通り、訓練展示は、観閲行進を撮影した位置からでは、火砲の後姿しか見ることが出来ない為、三門並ぶ火砲を真横から撮影できる位置に移動し、撮影を実施、雨天で少し暗い事もあり、砲焔が良く映りこんでいる。

Img_6721  こちらの特科火砲による射撃に呼応して、仮設敵陣地より装甲車が攻撃に出てきたため、迎撃するべく、第10戦車大隊の74式戦車が出動する。74式戦車は、今津駐屯地より展開した車両で、制式化からかなりの時を経ているが105㍉戦車砲の威力は、新型砲弾の採用など、一線級である。

Img_6734  射撃!、物凄い轟音を響かせて105㍉砲の空包が発射された。直接照準射撃である。これにより敵装甲車は無力化された、という想定である。155㍉砲の轟音と比べると、105㍉砲は轟音というよりも衝撃である。また、砲焔も榴弾砲に比べると移りにくいので、それだけに撮影成功は嬉しいのだが、今回は失敗。

Img_6755  第49普通科連隊の隊員が逆襲に備えて待機している。手前は、81㍉迫撃砲、向こう側で伏せているのは87式中MATである。どちらも普通科中隊の対戦車小隊、迫撃砲小隊に配備されており、これは、各国の歩兵中隊と比べて陸上自衛隊は戦闘基幹部隊として高い独立性が付与されている為だ。

Img_6391  FH-70榴弾砲が再び射撃を開始する。実弾の場合、43.89kgの通常榴弾には6.62kgのTNT火薬が封入されており、炸裂すると銃弾に匹敵する威力の弾片を長径45㍍、短径30㍍にわたって降らせることが出来る。また、近年、様々な砲弾が開発されており、制圧力では、大きく威力が強化されている。

Img_6381  訓練展示は、最後に突撃を支援するFH-70の射撃で終了した。カメラを仮設敵のほうに向ければ前進する軽装甲機動車と戦車の雄姿を見ることが出来るのだが、当方、悲しいかなカメラを手にしている習性か、見栄えのする砲焔の写真ばかりを狙っていた次第。ちなみに、プロカメラマンの間では、フィルム式限定で、日本砲焔協会的なものがあるのだそうだ。

Img_6446  状況終了、よし、装備品展示だ!、と思い、周りを見渡すと、いつの間にか渡河訓練場、ではなく、周りがもう水で大変なことになっていた。水溜りではなくて、最早、池。一応、排水溝に向けて流れているので、川と表現するべきか。パレットから空の弾薬箱までなどを敷き詰めて通路を開設していてくれた。

Img_6818  装備品の撤収が行われるのだが、何分、この雨である。多少防水性のある雨具を着ていても、もうワカメスーツの状態。一緒に並んで撮影させていただいたtoyokawaさんも、明日、岐阜基地航空祭だという状況で、レンズに水が入ってしまったのか、曇っている状況(翌日までに水滴は除去できたそうです)。

Img_6814  こうした状況下で、少しでも雨の降り込まない場所から、撤収の様子を撮影。これも駐屯地祭の一こま、と言った状況か。軽装甲機動車に高機動車、指揮通信車といった良く見かける装備から75式装甲ドーザー、FH-70榴弾砲など珍しい装備までが次々と駐屯地のモータープールに向かって進んでいった。

Img_6473  装備品展示の会場で、Shin氏と合流。しかし、駐屯地内の会場もぬかるんでおり、とりあえず、装備品展示撮りました!というような写真を撮影した後、テントの下で模擬店にて購入したカレーうどんを食した次第。ずぶ濡れになってしまったものの砲焔も多数撮ることができ、意気揚々と撤収した次第。

HARUNA

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燃油価格高騰の自衛隊関連行事への影響 編隊縮小・徒歩行進

2008-10-23 18:47:31 | 防衛・安全保障

■本日はコネタ

 時間が無いので、本日はコネタ。明日、豊川駐屯地祭2007に関する詳報記事を掲載予定なので、そちらをお楽しみに(豊川駐屯地祭2008は土曜日)。

Img_9403  燃油代高騰は、そろそろ収束しそうな状況ではあるが、影響は多々ある。例えば、八尾駐屯地祭の編隊飛行の縮小、これは数機程度の縮小であったが、伝聞情報では、伊丹駐屯地祭の祝賀飛行は6機編隊であったとのこと。海上自衛隊の記念行事でも、艦艇寄港や体験飛行も大きく縮小している。

Img_8582  師団行事では、観閲行進からの装甲車の参加縮小などがあった。思い起こせば、二年前の観艦式では、燃油代高騰につき参加艦艇の規模が縮小されたというが、それよりも上昇している。原油先物取引の相場は、大きく下がりつつあるが、燃料という問題は、大きく圧し掛かっている現状が、記念行事に端的に出ているのが分かる。

HARUNA

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消えゆく急行型 特急と快速の中間を担う需要についての一検討

2008-10-22 14:00:50 | コラム

■斜陽の急行列車

 阪急電鉄や名鉄、京阪等など、私鉄の運行体系をみれば、急行はもちろん、快速急行など特急を補完する電車として、日々輸送需要への対応に活躍している。

Img_4020  早朝の京都駅に到着する急行「きたぐに」。私鉄とは対照的に、JRをみれば雑誌“鉄道ファン”の最新号で特集されるように、急行電車や急行列車は電車、客車、気動車を問わず斜陽傾向にある。JRにおける急行とは、急行券を購入し、目的地までの所要時間の短縮というサービスを受けるものであり、急行型を絶対に必要とするものではない(例えば、廃止された、大阪~長野間の急行“ちくま”は、特急“しなの”で用いられる381系にて運行していた)。

Img_6664  急行料金は、特急料金よりも割安で、50km以内が530円、100km以内730円、150km以内950円、200km以内1050円、200km以上が1260円、となっている。国鉄時代は、急行用の車両が製造され、充当されていたが、急行運用そのものが、廃止や特急格上げ、又は快速格下げにより激減しており、新造が停止、残った旧型車は例えばJR西日本のように普通列車として運行しているものが多い。

Img_7094

 国鉄急行型は、JR西日本には、鉄道ファン誌最新の通巻572号を最小する限りでは、今年四月の時点で定期運行の有無を別として471系×8、475・457系×72、キハ58×25、12系客車×26が残っているものの、急行として運行されているのは、無い。583系寝台特急電車を用いた急行「きたぐに」、新潟と上野を結ぶ急行「能登」も特急電車489系を用いており、最後の昼間急行として岡山と津山を結ぶ急行「つやま」も、普通車用きは40を転用して運行している。

Img_4019  しかし、急行の需要は無いかと問われれば、必ずしもそうとはいえない。もちろん、急行型車両のサービスへの需要は低いかもしれないが、急行料金の最大の特徴は、その安さにある。特急料金と比べた場合、長距離になるほど、この傾向は顕著で、急行料金に201km以上、という設定が無いことに起因している。例えば、写真の急行「きたぐに」は、大阪と新潟の581kmを走破するが、急行料金は、267km先の金沢まで乗っても、581km先の新潟まで乗っても、同じ1260円である。これは、特急料金の上限に601km以上3150円、という設定があるのとは対照的だ。

Img_0680  この点、例えば、大阪と東京間にも、より安い移動どいう需要がある為、仮に急行が設定されていれば、運賃8510円に急行料金1260円を加えても9770円となる。新幹線を利用した場合運賃8510円に加えて自由席で4730円の新幹線特急料金が必要になり、急行の方がかなり割安であることが分かる。所要時間では、のぞみ号二時間半に対して、3月まで運行されていた寝台急行銀河で約八時間と大差を付けられているものの、この差額は決して小さくない。

Img_0691  寝台急行銀河は、寝台急行であった為、一番安いB寝台でも6300円の寝台券を購入する必要があり、この結果、料金で新幹線のぞみ号に太刀打ちすることが出来ず、結果的に廃止となってしまった。仮に自由席の設定を加えるか、寝台特急「あけぼの」に連結されたゴロンとシートのような簡易寝台、もしくは寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に一両加えられているカーペット座席の区間寝台ノビノビシート、を設置していれば、乗車率は変わったかもしれない。

Img_4025  この点、急行「きたぐに」は、A寝台、B寝台(三段式寝台ということで、中段と上段はやや割安な5250円)とともに、グリーン車、そして急行券と乗車券のみで利用できる自由席車を連結している。こういった柔軟な運行体系を、「銀河」が採っていれば、また変わっていたかも知れない。なお、現状では、サンライズ瀬戸・出雲、と指定席券のみで乗ることが出来る大垣・東京間の夜間快速ムーンライトながら号が、東海道本線を運行しているのみとなっている。

Img_4027  「きたぐに」は、583系が旧式化しているということもあり、北陸新幹線開業とともにその去就が注目されているものの、急行という需要は、安く移動する手段を求め、夜行バスや格安ツアーバスの多数運行を見ても、あるはずであり、例えば通常の683系などの特急車を用いても、急行という需要は、一応一定以上はあるのではないか、と考える次第。

HARUNA

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