駅前不動産屋今日も回りは敵だらけ

株式会社 ハウスショップ 東京都町田市

契約自由の原則

2022年10月26日 | 不動産業界

当社の社員を含めて

日本人は勤勉

それを感じますね。

不動産屋は世間では勘違いしてる人も多いと思いますが

かなり勉強しなければ務まらない世界です。

必要な知識は本当に多岐に渡ります。

しかも行政の規制も毎年のように新しく科されますから

その都度知識を詰め込む事になります。

ですから

逆に言えば

勤勉にならなければこの仕事は務まらないのです。

ただ

その弊害

これもよく私は感じます。

つまり

詰め込んだ知識が仇になる

って事です。

どんな風になるかと言えば

視野が狭まり

全体が見えない営業マン

多いですね。

例えば法律や規制を学んだとして

その目的をよく理解しないまま

知識が積み重なりますから

現場では良く的外れな行動に走ります。

当社の場合は

私がそれを修正する訳ですが

しかし彼らは私自身も疑いますからね

それはそれで有難い事なんですが

そのために

私は理解させるために結構エネルギーを消費します。

ですから

少し視野を広げるために

あれこれ考える訳ですが

まぁ難しいですね。

ただ

この勘違いをある程度防げる

と思うのは

民法の改正で明文化された

契約自由の原則ですね。

これ

何も新しい話ではありません

昔から日本の民法の基本概念です。

ただ

この原則が理解できてない営業マン

本当に多いのです。

つまり

自分たちが得た知識

これは全て全うしなけれならない

そんな意識に縛られるのです。

具体的に言うと

例えばこんなケースが良くあります。

昔は建築確認が下りた擁壁

これが時代が変り

造り直さないと建物が建てられない

そんな土地があったとします。

これは

何が何でもやり直さなければ売れない

って訳ではありません

買主が全てを理解して

現況で買う

と言えば

それは買主の自由意志ですから

我々がその契約を妨げる事はできません

これが契約自由の原則です。

にも関らず

擁壁をやり直さなければ

この物件んは売れない

そう思い込んでる営業マンがいるのです。

これは

上下水道やら接道

全てにおいて言える事です。

仲介業者としては

このままでは建築確認が下りない

それをしっかり理解して

広告にも記載して

顧客にも伝える

これが基本的な態度です

問題がある土地は売れない

この概念に縛られる人

私はたくさん見てきました。

例えば

境界が明示できなければ

契約ができない

そんな事を言った不動産屋がいて

不審に思った売り主が当社に来た事がありますが

有難い事に

棚ぼたで契約させていただきました。

買主が言った一言を今でも覚えています。

“私は死ぬまでその家に住みますから

境界が問題になって売れないとしても

死んだあとの事ですから

どうでも良いんです。“

そんな訳で

契約自由の原則がしっかり理解できないと

欠陥のある土地は売れない

そう思い込んで

結局お客様の利益を不動産屋が阻害する事になるのです。

まぁしかし

この勘違い

どうして起こるかもよくわかります

実際には契約は自由にできない

そんな事もたくさんありますからね。

特に私達不動産業者は

契約不適合責任の免除

これも総括的には許されてませんし

消費者保護法は

そもそも事業者の契約において

消費者を保護する物であり

自由意志の契約であっても

無効にする事ができます。

大体私達自身が

宅地建物取引業法でがちがちに縛られますからね

とても契約自由の原則があるとは思えません。

ただ

だから皆さん勘違いするのです。

消費者保護法であれ

宅地建物業法であれ

契約自由の原則が制限されるのは

当事者に知識の差があるからです。

不動産の契約を野放しにしては

一般人は不動産屋に騙されまくりますからね

だから規制されてるのです。

つまり

格闘技で言えば

ヘビー級のプロボクサーと素人の小学生がケンカするような物です。

これでは公平ではありませんから

法律で縛りをかけてる訳です。

ただ

これは対等な人同士の契約であれば

何もハンディーキャップを課す必要はありません

そこでは

契約の自由

これが原則となる訳です。

まぁそんな感じです

この違いの理解が足りないから

売り主に

お宅の物件は売れません

なんて簡単に言ってしまい

ショックを与えるのです。

顧客の財産を守るには

上っ面の知識だけではなく

もっと深く幅広い知識

これが欠かせない

って事です。

不動産の世界は

音楽や伝統義芸能

あるいは昔からの職人

そんな世界とおなじです。

一通り覚えるのに10年

ほぼ一人前になるまで20年

そんな感じで考えて

日々精進しましょう。

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