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釣った魚にエサはやらない
よく結婚をそんな風に例える人がいますよね
結婚するまでは彼女に優しくした男が
結婚した途端ひょう変
奥さんを家来扱いって訳です。
さすがに今の時代はそんな事はほとんどありませんが
私達より上の世代はそんなケースが多かったようで
女性の地位がまだ低かった事が伺えます。
しかし夫婦の関係では時代遅れででも
この原理が今の時代でも生きてる
そんな世界があります
それはどこだと思います?
残念ながら不動産業界です。
先日当社の社員が嘆いていました。
中古マンションの買い取り転売をしてる業者の物件を客付した訳ですが
その担当者
契約前から決済まで
事ある度に
当社にも買主にも
“何か不具合がありましたらすぐに対応しますので遠慮なくおっしゃって下さい”
って言葉を連発してた訳です
この言葉を聞いて
誠意のある業者
なんて思っては不動産屋失格ですね
実際にその業者は
決済引き渡しが終わって
不具合があって電話したら
態度がひょう変した訳です。
今度は逆に
“現況売買ですから”
を連発して逃げにかかります。
このパターンが
私達不動産業界に構造的に蔓延するいわゆる
“釣った魚にエサはやらない”症候群です
営業の世界は
お客様と契約するまでは
営業の方からお客様に寄ってきます
契約によって利益を得る事を目的にするのが営業だからです。
ところが
契約が終了すれば
今度は逆にお客様は負担になります。
つまり
もう利益を生む事はありませんが
逆に付き合えば付き合うほどクレームが来て出費がかさむのです
ですから
契約が終了したら
それまでは甘言で寄って来たのに
今度は態度が冷たくなる訳です
なるべくもう付き合いたくない
その心理が態度の出てるとも言えます。
単に利益の問題だけではなく
営業心理もその行動の原因になります。
営業は
契約が無事終了するまでは
お客様の心変わりや
あるいは予期せぬトラブルに怯えながら
話を進めて行きます。
ですから
契約が終わるまでは緊張状態な訳です。
いくら笑顔を作っても
心の中はハラハラドキドキ
これが営業の心理です
ですから
契約が終われば
その緊張から解放されますが
顧客と付き合えば
その緊張からの解放が先に延びて苦しみますので
早く解放されたい心理が
冷たい態度となる
これも一つの公式です。
ですから
私たちは
まず今回のように
売主業者は
決済が終われば
原則的には逃げの体制に入る
この事をしっかり頭に入れて
なるべく不具合は決済前に発見して対応してもらう
そんな必要がある訳です。
そして
もう一つ
これが不動産の構造的なものであれば
自分自身が
絶対にそうならないように
しっかり意識する事です
意識しないと
自分自身も契約が終了すれば逃げ出したい
そんな衝動に負けてしまいます。
そしてその衝動を克服すれば
今度は
他の同業者が付いて来れない
一歩上の世界が待ってます。
私自身はその世界で生きてきましたので
社員に対しては
何度も何度もそんな話をしてる訳です。
売買のお客様は1回きり
なんて思ってるようでは
この仕事
辞めた方が良いと思いますよ
いつまでも苦しみます。
極意は
お客様は永遠の宝
です。
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竹中直人は私と同じ歳ですから
会った事も無ければ何の縁もありませんが
同時期に生きてきたと言う不思議な連帯感を勝手に持っています。
ですから彼がテレビに映るとつい見てしまいます。
その竹中直人がこないだこんな事を語ってました
それは
“これまでずっと不安だったし今もこれからも不安”
そんな話です。
大変売れてる訳ですが
にも関わらず取れる事の無い不安
その理由について
自分のような面白い人間は世の中にはゴソゴソいる
そう語っていました。
確かにそう言われればそうですよね
私の友人でも素人ながら
私と飲んだ時は
私がひっくり返って笑いこけるほどの芸を見せる男もいます。
ですから
竹中直人がいつ仕事が切れるかも知れないと言う
その不安に襲われるのは理解できます。
が
この話を聞いて
竹中直人がなぜここまで売れ続けるのか?
それがよく分かりました。
この話は
芸能界だけでなく
ビジネス全般に存在する普遍的な原理だからです。
具体的には
竹中直人を竹中直人ならしめてるもの
これはまさしくこの不安なんです。
この不安があるから
自分は芸を磨き続け
また周りの人にも気配りをして
干されないように努力し続ける訳です。
つまり
不安は
ビジネスでは欠かせない
努力と謙虚さ
これを生み出すエネルギーって訳です
私自身も竹中直人同様
不動産の世界でなんとかここまで生きてきましたが
常に不安は私の頭の中に暗雲として存在し続けていました
この得体の知れない恐怖が
努力を促し
そして自分を謙虚にさせてくれる訳です。
これは自分が体験した事ですから
はっきり断言できます。
また
周りの人の人生を見ても
転落して行く人は
楽観的と言うか自信家と言うか
とにかく不安があまりない
そんな特徴があります。
例えば
よく若い頃綺麗だった女性が
離婚して生活苦に陥る人をたくさん見ますが
この方達
自分の美貌が永遠に続くと思ったの?
なんて風に感じてしまいます。
悉く
男を見下しています。
若い頃の体験から
永遠に男は自分に群がってくる
そう勘違いした結果
最後は生活保護って感じです。
そして不動産屋の営業マン
私は無数に見てきましたが
使えなくなるのは
これまた自信過剰型です
たまたま買取業者とからんだりなんかして
楽に成績がガンガン上がる事があります
こんな時に勘違いして
自分の才能はすごい
なんて思ってると
いつの間にか
楽な業者付けの仕事以外はできなくなって
結局成績は急降下
で
煙たがられながら
あっちこっちの知り合いの不動産屋で
名刺だけ刷ってもらい
業者周りをしては食い扶持を探す訳ですが
これが最後となり
不動産業界から去って
警備員の仕事やなんかで最後
なんてのはお決まりのパターンです。
また経営者でも
バブルの頃は
買い取れば誰でも彼でも儲かりましたから
勘違い社長さんだらけでした。
バブル崩壊と共に
皆吹っ飛びました。
最近では
インターネットの黎明期で儲けた人たちの勘違い
これも良く見られましたね
まあいずれにしても
どんなに才能があっても
またどんなに資産があっても
慢心したら地獄に引き込む
この役目を担った悪魔が
私達の世界には存在します。
この悪魔に気付くのと気付かないのとでは
人生大きく違ってきます。
少し位成績が上がったとしても
それによって思い上がれば
地獄はすぐそこで待ってますよ。
気をつけましょうね
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クレームはすぐに対応すればほとんど問題にはなりませんが
時間が経過すればお客様は怒り出す
この事は不動産の仕事をするのであれば
頭に叩き込む必要があります。
が
お客様が困っていても
すぐに対応できない
そんなケースはよくあります。
一番多いのはお風呂ですね。
給湯器が壊れてお湯が出ない
なんてケースは本当に多いのですが
大体壊れてる事に気付くのは
夜帰宅してからお風呂に入る時間ですから
その時間に電話を頂いても
業者はすぐには対応できません
対応できませんが
お客様はお風呂に入れず困ってますから
時には納得してもらえない事があります。
先日も帰り際そんな電話を受けた社員が
お客様に怒鳴られ困ってましたが
私達に出来る事は
ひたすら謝る事
それだけです。
まあ実際にはお客様もどうにもならない事は分ってますから
こちらが誠意を見せ続ければ
最後は納得する
そんな感じで終わります。
ところが
これがお客様の立場に思いがあまり至らず
単に
“こんな時間ですからどうしようも無いですね”
なんて冷たくあしらうと
もうお客様は怒り
大火事になります。
以前は社員がそんな対応をしたために
私が出動する騒ぎになった事は何度もあります。
私たちはサービス業ですからね
お客様に満足いただいて報酬を得る訳です。
ですから
すぐに対応できないのが分っても
まずお客様の立場を先に考える事です。
例えば
肉体労働で
帰ってお風呂に入りすっきりするのが楽しみで戻ってきたら
お湯が出ない
なんて事であれば
その落胆はかなり大きいはずです。
そこに思いが至れば
当然お客様に対する言葉も違ってきます。
そこに思いが至らず
事務的な受け答えをすると
本来ボヤで収まる事も
大火事になってしまう訳です。
そんな訳で
私たちはお客様のクレームは避けられませんが
少しの意識で
簡単に処理できたり
また逆に裁判だのなんだのって話になったりする訳です。
私達人間は
感情の生き物です
相手の思いに応えられない時には
その扱いを間違えると
爆発してしまう
この事をしっかり頭に叩き込みましょう
私は
人間は皆地雷
そう思っています
ですから
その取扱いには
いつも細心の注意を払う訳です。
まあしかし
当社の社員を見てるとよく分かりますが
人間は
一度地雷を踏まないと
その恐ろしさは理解できませんね
いま
私がこんな話をしなくても
皆お客様のクレームには粘り強く対応してますが
入社したての頃は
皆地雷を踏んで
大けがをしています。
痛い思いをしないと分からない
これも残念ながら人間の本質のようです。
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