駅前不動産屋今日も回りは敵だらけ

株式会社 ハウスショップ 東京都町田市

土地の歴史に思いを巡らす

2022年10月12日 | お客色々

加齢と共に

体力も知力も落ちてきますが

しかし未だに私が駆り出される事は良くあります。

それは大体問題が発生した時ですね

社員から出動要請があります。

何で私の助けを求めるか?

と言うと

いくつか理由がありますが

その一つは

私しか知らない世界かあるからです。

具体的には

今の社員達が生まれる前

そこに踏み込まないと

問題の本質が見えない

そんな事が良くあるのです。

例えば

先日もありましたが

他人の敷地を越境して下水管が埋めてある

ってケースがあります。

これ

今の時点だけを見れば

それがさも非常識

みたいな話になりますが

少し時代を遡れば

下水管は存在しなかったのです。

では下水管が存在しなかった時代はどうだったかと言えば

溝に生活排水を流してたのです

溝に流すと言う事は

越境は必然的に起こります

理由は水は高い所から低い所に流れますから

溝の勾配は境界線ではなく

地形によって決まるからです。

ですから

敷地の境界を時には超えないと

勾配が取れない

なんて事は普通にあった訳です。

私の実家も

私達の生活排水は

見事にお隣の敷地を通って

道路の側溝まで流しています。

そんな感じで

敷地の高低差の関係で

隣地への越境は普通に起こってた下水ですが

今の時代になり

地中深く下水管を埋め込む事ができるようになりましたから

特に地形に制限される事無く下水が流せるようになりました

そうすると

元々他人の敷地を通ってた下水管も

自分の敷地だけで接続できる

そんな事が可能になった訳です。

ですから

若い不動産屋は

そんな状態しか知りませんから

これが常識

そう思い込んでいますが

実際には

今の時代でも

昔の名残で

元々の溝に沿って下水管を埋めてある

なんてケースはたくさん残ってるのです。

そして

それを理解するのとそうで無いのでは

当然お客様に対する説得力も違って来る訳です。

大昔から使ってた下水道

これが今の時代になって

さも相手が極悪人の如く

越境してるから取り払え

では

相手からすれば

何だその言い方は?

って感情的になり

心を閉ざして

裁判でも何でもしろ俺は下水は動かさん

なんて事になるのです。

まぁしかし下水だけではありません

道路も塀も

昔の生活を引きずってる

なんて土地はたくさんあります。

そんな土地を扱うのに

昔に思いを巡らせる事無く

今の知識だけで解決しようと思っても

軋轢が深まる

なんて事は良くあります。

相手は

その土地に長く住んでる訳ですから

不動産屋には分からない事情をたくさん抱えてる

せめてその程度は頭に入れて

しっかり謙虚に話を聞く

これから入れば

トラブルは大きく減らす事ができるはずです

コメント
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