『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』 国立新美術館

国立新美術館
『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』
2023/11/ 1~12/25


『Rustle of Existence』 2023年

1971年生まれの美術家、大巻伸嗣は、「存在とは何か」をテーマに創作を続けると、国内外の美術館をはじめ、芸術祭やイベントなどにてさまざまな作品を発表してきました。

その大巻の東京での大規模な個展が『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』で、広大な国立新美術館の展示室を活かした大規模なインスタレーションのほか、映像やドローイングなどを公開していました。


『Gravity and Grace』 2023年

まず冒頭の展示室にて圧巻の光景を見せていたのが、2016年に初めて発表されたシリーズの最新バージョンである『Gravity and Grace』でした。


『Gravity and Grace』 2023年

ここで大巻は縦7m、直径4mにも及ぶステンレスの巨大な壺を構築していて、一面にはさまざまな動植物からなる文様が施され、内部には最大84万ルーメンにも達するという強烈な光が上下に動きながら、あたりを輝かしく照らしていました。


『Liminal Air Space―Time 真空のゆらぎ』 2023年

この眩い光を放つインスタレーションの一方、巨大な布が暗がりの空間をゆらめくのが、『Liminal Air Space―Time 真空のゆらぎ』と呼ぶインスタレーションでした。


『Liminal Air Space―Time 真空のゆらぎ』 2023年

2012年から薄いポリエステルの布をゆらした作品を制作してきた大巻は、以後、何か分からない存在の気配のようなイメージを空間に託すべく、さまざまなバージョンの作品を発表していて、一連の作品を「運動態としての彫刻」として捉えてきました。

あたかも静かに波打つ真夜中の海を眺めているような気持ちにさせられるかもしれません。その幻想的なすがたにしばらく見入りました。


舞台「Rain」のためのドローイング 2021〜2023年

このほか、大巻が普段ほとんど公開してこなかったドローイングの展示も興味深いのではないでしょうか。時に素早い筆触による殴り書きのようなドローイングからは、何かが生まれる現象、あるいはかたちのはじまりを目にしているような気持ちにさせられました。


「Gravity and Grace―moment 2023」 2023年

観覧は無料です。撮影もできます。


光と闇が交錯する世界で、意識や感覚が研ぎ澄まされる、国立新美術館の『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』|Pen Online

12月25日まで開催されています。

『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』 国立新美術館@NACT_PR
会期:2023年11月1日(水)~12月25日(月)
休館:火曜日。
時間:10:00~18:00
 *毎週金・土曜日は20:00まで
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:無料
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
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