『加藤泉一寄生するプラモデル』 ワタリウム美術館

ワタリウム美術館
『加藤泉一寄生するプラモデル』
2022/11/6〜2023/3/12



ワタリウム美術館で開催中の『加藤泉一寄生するプラモデル』を見てきました。



1969年に生まれた美術家の加藤泉は、2000年代から主に人型をした木彫を発表すると、ソフトビニール、石、布など幅広い素材を用いて作品を制作してきました。



その加藤がコロナ禍の中、じっくり向き合ったというプラモデルを中心に構成されたのが『加藤泉一寄生するプラモデル』で、「ジオラマ」シリーズをはじめ、木版画や石の作品などが展示されていました。



「ジオラマ」シリーズとは、ビンテージプラモデルと木彫を取り入れた作品で、山や海、草地などを木で象った上に、ソフトビニールによる人型とプラモデルが組み込まれていました。どことなくシュールな雰囲気も面白いかもしれません。



また人の顔をしつつ、4本の脚で馬のように立つ木彫の背中に、ゴリラや鳥などのプラモデルが乗っている大型の彫刻も目立っていました。一般的にプラモデルはつなぎ目を消すものの、あえて強調するように残しているのも興味深く感じました。



今回の個展で最も面白く思えたのが、『オリジナル・プラスチックモデル』と題されたプラモデルの作品でした。



これは加藤が重要な素材として用いる石をプラモデルに仕立てたもので、プラスチックのパーツだけでなく、パーツに貼るデカールから作品解釈を記したポスター、また組立説明書、さらに次回作を予告した箱までも作って展示していました。

自作の石をプラモデル化し、さらにひとつのパッケージとして見せるアイデアそのものも大変にユニークではないでしょうか。昔のプラモデルをオマージュしたようなビンテージ風の箱といった細部の作り込みにも大いに目を引かれました。



ワタリウム美術館より外苑西通りを挟んだ屋外のスペースでも、石を用いた人型の作品が公開されていました。これは宮城県石巻市にて開かれた『リボーンアートフェスティバル 2021-22』に出展されたもので、同地の採石場で取り出された稲井石を素材としていました。


石がプラモデルに!? 新たな素材と表現に挑戦する美術家、加藤泉の創作世界|Pen Online



3月12日まで開催されています。

『加藤泉一寄生するプラモデル』 ワタリウム美術館@watarium
会期:2022年11月6日(日)〜 2023年3月12日(日)
休館:月曜日。
時間:11:00~19:00 
 *毎週水曜日は21時まで開館。
料金:一般1200円、25歳以下(学生・高校生)及び70歳以上1000円、小・中学生500円。
 *ペア券:大人2人2000円。
住所:渋谷区神宮前3-7-6
交通:東京メトロ銀座線外苑前駅より徒歩8分。
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