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あと二ヶ月とは!

2011-10-31 22:28:35 | 日記

 今日テニスコートで試合の合間に『食品の裏側』を読んでいたら、二人の女性が読んだり聞いたりしたことがあるというのでした。tagawaさんがこの本について、「著書に説得力があるのは、『これはダメ』と全否定していないことです。現代社会では、インスタントの活用も止むえないこともあるけれど、無節操に摂取するのではなく……」と言われていることが納得できます。著者は、「添加物を目の敵にし、拒否するのではなく、どう付き合うか、どう向かい合うか。どこまで自分は許せるか。それこそが大切なのです」と言っています。
 読んでいてこの著者の安部さんはもの凄く誠実で優しい方なんだということが分かります。僕は、今朝日新聞の朝刊で連載されている「プロメテウスの罠」ー研究者の辞表ーの木村真三さんを連想するのです。安部さんもこの本の中で、「気づくのは遅かったかもしれませんが、『目覚めて』しまった以上、もう仕事を続けることはできませんでした。トップセールスマンとしてそれなりの高給をもらっていたこともあり、家族の生活を考えると葛藤はありましたが、やはり自分の良心には背けませんでした。翌日、私は会社を辞めました」と言っています。ほんとうに驚くべき率直さだと思います。何ともいえない潔さ、自己放棄の意思が徹底していて強い感銘を受けます。
 
 とにかく読んでいて、昔会員になっていた「日本消費者連盟」の様々な活動を思いだします。その頃僕は、整髪料や化粧品(化粧水)は「日消連」の本で勧められていたマニュアル通りに自分で作っていました。食べ物や常備薬品についても気をつけていました。例えば有名な整腸薬の『征露…』は、その主成分はかなり危険な製品で、中近東のある国の入管では……、といった説明を信じて使わなかったですね。また、歯磨き粉も使わない時期がありましたが、生協のものを使う様にしていったと思います。その後仕事が忙しくなったり面倒くさくなったりで、大体のことがらはいい加減になっていったと思います。今整髪料は『大島椿』を、化粧品は市販の化粧水を使っています。
 
 現在の僕は添加物についても一応気をつけようとしてはいるのですが、ほんとうにいい加減で、「まあいいか!」といった具合になっているわけです。決して良くも悪くも、自己放棄といった過程を決断しているわけではないのです。とにかく、この本を読むと、食べ物のイメージが今までとは大きく違ってくることは間違いがないですね。日本酒やハムなどについても、日消連では昔から言っていることなのですが。
 
 そしておまけの余計な事柄として、本についてなのですが、本は殆ど「積読」でも悪くはないなと思いますね。僕はこの本、『食品の裏側』を探す過程で、思いがけない積読本に出会うことができました。昔お世話になった人が共著で書かれ監修もされた本で、その本のことは全く忘れていたのです。懐かしいやら嬉しいやらで、有難かったというわけなのです。実は、僕はその昔、ストレスがたまるとよくいろいろな書店に通ったものでした。池袋のある中型書店では何故か、警備員さんの顔も覚えてしまいました。念のため万引きで捕まった訳ではありませんから。しかし今考えると、時々買った本も、読む為というより積読のために買ったようなもので、お粗末この上ない次第なのでした。でもその時に、老後や孫子(の為)や版切れをチョビットは意識していたようにも思います。しかしその頃全く意識になかったのは、図書館の存在と想定外の老後だけでした。図書館と云えば、今では、この家から自転車で2分くらいの場所に図書館がありますが、しかし自宅のパソコンで読みたい本の検索と予約更に県内の全ての図書館からの取り寄せも可能なのです。書店にしても、池袋のジュンク堂や新宿の紀伊国屋では、その店の書棚に探索本の在庫が何冊あるかもネットで分り取り置きもしてくれるみたいなので、ほんとうに世の中の進歩は凄いなあと思います。それから1年位前でしょうかネットでの購入を遅ればせながらやってみたのですけど、幾つもの販売サイトで中古や新刊の値段と在庫が検索できて、送料無料で1~2日で配達をしてくれる訳ですからね。とにかく死んだおばあちゃんが生き返ったら、すぐにまたあちらに戻ってしまいそうな世の中になりました

 今日の朝刊で、なだいなださんが、北杜夫さんの追悼文を書いていました。北さんこと、Drマンボウさんが書かれたものでは『どくとるマンボウ医局記』が抜群に面白かったですね。慶応大学付属病院精神科医局の実録物がメインなのですが、余り知ることのできない世界が書かれていて興味深かったのでした。なださんの文章で一番惹かれた個所は、「かれが『自分はそううつ病だ』といってくれたおかげで、精神科の臨床がやりやすくなった、……自分が患者だったら『そううつ病という精神病です』と診断された方がいいか、『北杜夫さんと同じ病気』といわれた方が受け入れやすいか、考えればすぐ答えが出る」薬の処方にしても、北さんと同じ薬だという言い方は受け入れやすいと。北さんはカミングアウト的な自己主張をされていたわけです。これは凄いことだと思います。
 
 少し前に有名な週刊誌の広告に、今日辞職した橋下大阪府知事の出自とそのお身内の不祥事らしきことについて大きく書かれていました。週刊誌は読んでいないのですが、そうなのかなという強い感じを持ちました。ことの真偽はどうでもよい事柄ですが、なださんのこの文章を読んでいてフット連想をしたのです。昔、ある修道院で三国連太郎さんの講演会があり妻と一緒に行きました。そこで三国さんはご自分の出自についても詳しく述べられたのを印象深くお聞きしたことがありました。総務省所管局の人権関係のポスターにも顔写真をだされていますし、本も書かれています。また野中広務元自民党幹事長も公言されているのはよく知られていることです。問題は、そうした問題をどのように考えたらいいのかということなのですが。昔仕事上で少しだけですが、でもでも、ほんとうによく分かりません……