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「家庭の幸福は諸悪の本」

2013-06-18 21:53:03 | 日記


 投稿記事を読んで、久しぶりに懐かしいHPも読ませていただきました。

 明日は、「桜桃忌」なんですね。

三鷹市の禅林寺での「桜桃忌」。 (クリックで拡大)

昨日の朝日紙の文化欄に、「はじめての太宰治」が特集されていました。
表題の言葉は、その特集記事に掲載されていた太宰さんの言葉のひとつです。

「家庭の幸福は諸悪の本」『家庭の幸福』
例えば、食卓を囲む家族の幸せそうな形には、なにかが潜んでいるのだという思いは、
シベリア帰りの詩人ではなくても、幾人かのもの書きさんが、さまざまな感慨を吐露されているように思うのです。 

太宰さんの言葉で一番有名なのは、ぜったいに、
「生まれて、すみません」だと思うのですけど

それから、「富士には月見草がよく似合う」 『富嶽
百景』 なども好きなことばです。

先の朝日紙には、太宰の七つの言葉が掲載されていました。
署名入りの記事なので、その記者さんの太宰さんへの想いがなんとなく感じられるのです。 

「恥の多い生涯を送って来ました」 『人間失格』 

芥川賞作家でもある石原慎太郎さんは、太宰を評して、「自己否定による、実は自己愛」と言っているのだそうです。
この太宰評は、ぼくなりにわかる感じもすることばなのです。

でも、もしも、太宰さんが生きながらえていたとしら、石原さんに対してなんというのかなぁ。

…キミねぇ!…

「芸術家は、もともと弱い者の味方だった筈なんだ」 『畜犬談』

三鷹市の禅林寺は駅からわりと近くにあったと思います。
森鴎外の立派なお墓も、太宰のお墓のすぐそばにあったように記憶しています。

                

ずいぶんとまえ、北海道の帰り道、太宰の生地である五所川原市金木町の「斜陽館」に寄ってきました。
大地主でもあった太宰の生まれた家が、現在は市の所有になっていて「斜陽館」は見学ができるわけです。
もちろん、斜陽館は太宰の小説『斜陽』からつけた名前のわけです。

「斜陽族」という言葉も、僕たちの世代以降の人にとっては、あまり馴染のない言葉だとおもいます。
(第二次大戦後、世の中の急激な変化によって没落した上流階級の人々。没落階級。)ー大辞泉ー

  自分には幸福も不幸もありません。
  ただ、一切は過ぎて行きます。
  
  自分が今まで阿鼻叫喚で生きて来た
  所謂『人間』の世界に於いて、
  たった一つ、真理らしく思はれたのは、
  それだけでした。
  
  ただ、一さいは過ぎて行きます    
『人間失格』