朝飯前の

日の出前、朝早く目覚めたので、お散歩がてら
体をあたためようとコンビニへ行くことにした。

昨夜は駅方向のコンビニへ行ったから、今朝は逆方向にしてみよう
地図によると道向こうにローソンがあるらしく、横断歩道を渡っておく。

すると、右の路地上に大きな黒い物体が視界に入った。
暗がりなので、一見してそれが何かは分からなかったけど。
虫の知らせというか、ほおっておけない違和感があって寄って行くと、
若い男性が倒れているのだと分かった。

事件？　ひょっとしてこれは・・・　

うつ伏せで横たわっている姿は、まるでサスペンスドラマに
出てくるような体位で、青白く生気のない顔。
死を連想して血の気が引き、一瞬、心臓をつかまれたように
体が硬直したけれど。
よく見れば周りに出血の痕跡はないし、嘔吐の様子もない。

駅前の飲み屋街なんだし、泥酔して寝込んじゃったのかも？
とはいえ、ここは山陰の寒空の下。
一晩アスファルトの上で好んで心地よく眠ってるワケがなく、
急性アルコール中毒で昏睡状態とか？
最初はお酒でポカポカしてても、ものの数時間で冷えるだろうから
凍傷や仮死状態になってたっておかしくない。
協力者が期待できる時間帯じゃないし、一刻を争う容態かも！
意を決して傍らに駆け寄り、救命救助の手順をとる。

肩をたたいて大きな声で呼びかけ、バイタルサインを確認していく。
すると呼吸とうめき声がして意識があると分かり、
「生きててくれてありがとう！」 と感謝の気持ち ＆ 力がわいた。

体を起こして話しかけ、コンディションを把握。
顔に傷もないし、大きなケガもない感じ。
明らかに二日酔いっぽいフラフラ状態ではあるけれど、
自力で歩けないワケじゃなさそう
駅方向に誘導して、どうにか帰宅の途に着いてもらえた。

【朝飯前】 に重大事にあたるって、すっごい消耗度。
でも、なんていうか、私って火事場に強いんだなと思った。