永い短い人生の中で
たった一度だけ、本当の事を書けるとしたら
僕は多分、あの日のことをかくだろうと思う。
僕が死んで、時間が逆戻りし始めた日
あの日の声
誰にも聞こえない声
誰にも聴こえない音
誰にも触れない光
誰にもきずれない香い
そして誰にも聞こえない、誰にも届かない、止まったままの風。
僕の風景が死んで、
もう決して僕の心に光が届かなくなった日
あの日の記憶を辿るために
ただそれだけがために
僕はずっと昨日を生きている
それを超えられない限り
明日の光が今に届かないことを
僕は誰からも知っている
たとえ果てることのない
地獄で涎を垂らす醜い番犬さえも
時代を捉える事無く、風景の中で止まった時を知られるだろう
だから僕が一度だけ何かを書くとしたら
きっとたぶん、あの日あの場所で起きた出来事を書くしかないのだと思う
だけど僕は。
その時の記憶を、まだ正確には
思い出すことが出来ていない
あのとき覗き込んだ瞳の黒さに、何が宿っていたのか
そしてあの時僕に語りかけた声が
誰からの死し声せいだったのか
風景が凍りつく人の心には
いったい何が覗くのか
そしてまた、何が宿るのか
誰も何も、透明な僕に語りかけない
そして僕は、その真実だけを、探し続ける。
ただ、僕の隙間から注ぐ風だけを便りに。
忘れられてしまった時間の中で
ただただ死の淵だけを色取るように象る。
それは採光の演出が、切り取られた呪縛の中でこそ
冷たい風景画を作り出すように、
優しく残酷に四角いフレームを作る。
閉じられた時間だけが
閉じられた扉を優しくなでる
そこに吹く風は、決して止まったままで、
まだ僕の中で声にもならず、言葉にもならない。
だから僕の心で音はしない
がらんどうの響きも、
空腹な生命も、
魂を削り取った食事も、
何も僕を満たさない
誰も僕を見つけない
死神でさえ、例えゆっくりでしか、僕を殺さないのだから。
あるいはまた、ここに僕が死んでいることを、
証明として打ち立てたのだとしたら、
既にそこに転がるのは君の死体だから、
僕は、決して、自意識から君を遠ざけたりはしない。
永遠の果てに向けて、僕を叫んだりもしない。
嵐のような荒々しい反抗意識も、
波も風も吹く事のない波動の海では、
ただ磁界の束縛された空間で、
五次元の電波だけをなぞる。
ありふれた話は、もはや君のためにしない。
そしてそれは僕のためにならない。
どうしようもない真実だけが、
現実と夢を繋ぐ為の薬。
明日、君の真実が訪れて、僕に出会うことがあるのなら
ただただ君は僕の首を切れ!
ひとことも発さず、風の吹かない遠い瞬間にだけ身を寄せて
素早く僕の首を取れ。
さもなくば、君は死ね。
いずこかに散らんと、ただとくとく君は散れ。
夜な夜な徘徊する亡者のように
悲しく永続の中で生きるなら、
君の光は僕のために死ね。
それだけが、きっと僕の生きる道。
だからそれを伝えるために。
僕と君の意識は魂が凍える歌を探そう。
誰も救えない事実だけを、
この冷たい世界に刻むために。
たった一度だけ、本当の事を書けるとしたら
僕は多分、あの日のことをかくだろうと思う。
僕が死んで、時間が逆戻りし始めた日
あの日の声
誰にも聞こえない声
誰にも聴こえない音
誰にも触れない光
誰にもきずれない香い
そして誰にも聞こえない、誰にも届かない、止まったままの風。
僕の風景が死んで、
もう決して僕の心に光が届かなくなった日
あの日の記憶を辿るために
ただそれだけがために
僕はずっと昨日を生きている
それを超えられない限り
明日の光が今に届かないことを
僕は誰からも知っている
たとえ果てることのない
地獄で涎を垂らす醜い番犬さえも
時代を捉える事無く、風景の中で止まった時を知られるだろう
だから僕が一度だけ何かを書くとしたら
きっとたぶん、あの日あの場所で起きた出来事を書くしかないのだと思う
だけど僕は。
その時の記憶を、まだ正確には
思い出すことが出来ていない
あのとき覗き込んだ瞳の黒さに、何が宿っていたのか
そしてあの時僕に語りかけた声が
誰からの死し声せいだったのか
風景が凍りつく人の心には
いったい何が覗くのか
そしてまた、何が宿るのか
誰も何も、透明な僕に語りかけない
そして僕は、その真実だけを、探し続ける。
ただ、僕の隙間から注ぐ風だけを便りに。
忘れられてしまった時間の中で
ただただ死の淵だけを色取るように象る。
それは採光の演出が、切り取られた呪縛の中でこそ
冷たい風景画を作り出すように、
優しく残酷に四角いフレームを作る。
閉じられた時間だけが
閉じられた扉を優しくなでる
そこに吹く風は、決して止まったままで、
まだ僕の中で声にもならず、言葉にもならない。
だから僕の心で音はしない
がらんどうの響きも、
空腹な生命も、
魂を削り取った食事も、
何も僕を満たさない
誰も僕を見つけない
死神でさえ、例えゆっくりでしか、僕を殺さないのだから。
あるいはまた、ここに僕が死んでいることを、
証明として打ち立てたのだとしたら、
既にそこに転がるのは君の死体だから、
僕は、決して、自意識から君を遠ざけたりはしない。
永遠の果てに向けて、僕を叫んだりもしない。
嵐のような荒々しい反抗意識も、
波も風も吹く事のない波動の海では、
ただ磁界の束縛された空間で、
五次元の電波だけをなぞる。
ありふれた話は、もはや君のためにしない。
そしてそれは僕のためにならない。
どうしようもない真実だけが、
現実と夢を繋ぐ為の薬。
明日、君の真実が訪れて、僕に出会うことがあるのなら
ただただ君は僕の首を切れ!
ひとことも発さず、風の吹かない遠い瞬間にだけ身を寄せて
素早く僕の首を取れ。
さもなくば、君は死ね。
いずこかに散らんと、ただとくとく君は散れ。
夜な夜な徘徊する亡者のように
悲しく永続の中で生きるなら、
君の光は僕のために死ね。
それだけが、きっと僕の生きる道。
だからそれを伝えるために。
僕と君の意識は魂が凍える歌を探そう。
誰も救えない事実だけを、
この冷たい世界に刻むために。
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