老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

Sapa旅行 その2

2010-10-15 12:18:52 | 旅行


サパはまだ雨季か、というくらい毎日雨。それでも2日目の朝にやや薄日が差したのでササッとタクシーを呼んで車で30分くらいの村に行った。
この辺りはベトナム全体では54もある民族のうちの10くらいの、いわゆるminority people/少数民族が住んでいて、山の斜面に棚田を作って、おもに農業を営みながら生活している。その棚田の風景がキレイなことと、それぞれの少数民族が着ている服が独特の色彩感覚をしていること、つまりはそれぞれが固有の文化を、コノ情報化社会の中で奇跡的に守っているように見えることから観光の対象となって、、ワタシももちろんそのうちの一人ではあるが、チョウチョの標本探しか、東急のスタンプラリーか、というような感じで、観光客の少数民族ムラ巡りが盛んに行われている。

ヨーロッパからの、いかにも過去の罪悪から逃れたいとでも思っているようなヒト達は、サパから歩いて村々を巡る。お遍路サンか、と思わせるようなシンケンな顔して。ガイドとして雇ったのかどうかわからないが、カレらのまわりには既に一人当たり3,4人の少数民族のオバはんやおジョーちゃんがくっついていて、みやげ物を買う買わないの攻防を繰り返しながら賑やかに行進が進んでいく。オバはんの側から見れば、獲物ゲット、みたいな雰囲気。それでマルマル1日歩いてもせいぜい3,4か所が見れるだけで、あとはムラの一家を訪れて料理をごちそうになるオプションが付いてたりする。至れり尽くせり。

ワタシはそういう苦しみは味わいたくないのでタクシーでササッと行って、ササッと帰ってきた。多少の小物を買わされ、その見返りとして標本としての写真を撮らしてもらい。ジブンがソレに加担しているコトを自覚しつつも、そのような観光化によって、民族が絶滅危惧種のように保存されていくことにはヘンな感じがした。
まあ、それにしても棚田はホントにキレイ。自然と対峙する人工の構築物として。もう少し早ければ黄金色の稲穂が風に揺れて、山の斜面が生きモノのように見えたはず、だが、もう二度とサパに行くことはないだろう。


ベトナム北部の中国国境に近い町から車で1時間行った山奥のムラにガイジン相手のきれいなリゾートホテルが何軒もあってその周辺には独特の文化を守っているヒト達がココロを病んだ現代人を相手に観光業を営んで暮らしている。そういうお話でシタ。