老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

独り散策 独りで吟行

2016-09-04 12:38:08 | 俳句
       

ほんの少し足を伸ばして、温泉施設の場所まで行く。
20メートルもゆくと、車は通れない山径になる。
バブルの時代の施設。これは隣接の氏神さまにゆくのに架っている橋である。

      🍎    小鳥来る四方に谺返す山

      🍎    秋の山郵便バイク登りゆく

           

温泉施設の名前は「カメリア温泉」
椿の花の季節になると沢山の藪椿が咲く。
湯けむりの施設から見える 椿 を見たことも。

      🍎    提灯とも辺りに映ゆる椿の実

      🍎    秋旱山鳥の羽吹かれくる

      🍎    薪を焚く山の湯宿や地虫鳴く

      
      

からす瓜の花が咲いていた。
白い花に惹かれて近づくと森の中にこの花が。

      🍎    人恋し夕べや烏瓜の花

      🍎    探鳥の遠目よく利く秋日和

      🍎    誰が為に一心不乱ぞ鉦叩き

       

漆の葉が色づきはじめている。実はまだ青い。

      🍎    漆の実湖抜けてくる風の筋

      🍎    赤とんぼ窯に火入れの声のして   

        

ダム湖の傍らにある石のモニュメント。
高松は庵治石の産地である。
ここに関わらずいたる場所に石の彫刻やモニュメントが飾られている。

      🍎    秋の空あまねし石の彫刻群

     

      🍎    青栗の毬やダム湖の源流に

      🍎    絶叫の生きとし生きて秋の蝉

      

ダム湖の水位がかなり下がっている。
我が街はこのダム湖のおかげで、香川県が水不足に陥っても、さほどの被害はないと聞いている。

      🍎   秋旱向ふの岸へ岩伝ひ

      🍎   入院の書類点検秋渇き

師だと、旱で水が無いのが判っていてのこの句は、理屈だよとの声が聞こえる。

どなたかと一緒の吟行であれば、同じ景や風や匂いをどんなふうに詠むのか、それが叶わぬ独りの吟行はひとりよがりになる。
吟行は出会い。独りでも収穫はある。

 

 
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しりとり俳句   ぼちぼちです

2016-09-04 00:27:25 | 俳句

月曜日から二回目の冠動脈形成術で入院をする。

前回の手術をしての退院から、二週間がたった。
その間のしりとり俳句。
不作である。




     👼    黄金虫ぶんぶん自動販売機     動

     👼    秋暑し火傷しさうなサドルかな     サドル

     👼    自転車のタイヤ跡ある瓜畑     自転車

     👼    フルチンで児がとび出しく夏のれん    フルチン

     👼    寂庵へ竹伐る径よぎり行く    竹   

     👼    若き日の寂聴紅型涼しげに    紅

     👼    職業はスパイボンドの胸に薔薇     薔薇

     👼    寝轆轤を蹴る工房や柿熟るる    工

     👼    花びらの透ける便箋小鳥くる    便箋

     👼    手ほどきの老藁編みの蛍籠     籠

     👼    ガラス片波で円るく晩夏光    ガラス

     👼    星流る離れて暮らす妻子かな     星

     👼    木琴の連れてきたるや秋の音     秋

     👼    小島はちきれそう祭櫓かな    島 

     👼    もてなしのもってのほかや最上川    「も」

     👼    風船葛検番に吊る御神燈    「ふ」

      👼   秋暑し魚の切り身に吸い取紙    紙

     👼    水引きの花留守がちの庵かな     留守

     👼    交代で見る窯の火や星流る     星 

     👼    虚栗遠く近くに山の鳩     山 


しりとり句の面白さは、前の句のどの字を繋ぐかで死んだ句だったり生きた句になること。
俳人を名乗る人も参加をしている。
未熟な私を相手にジレンマをかかえながら、止められず参加をしているのが伝わってくる。
疲れた時の煙草の一服みたいなことか。
それとも、たまにはヒントが落ちていたりして、、、(オ ホホホホ、、 )









  

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