ホウチャクソウ(宝鐸草)もアマドコロとよく似た釣り鐘状の花を咲かせる。ユリ科チゴユリ属で、花は地味だが白から緑へのグラデーションが美しい。宝鐸とは、寺院の建物の軒先に下がっている大きな風鈴(風鐸)のことを指すそうだ。
アマドコロ(甘野老)は、ユリ科の多年草で日本各地の山地に自生するが、花はやや長めの釣り鐘状をしている。同属の仲間にナルコユリというのがあって、花は非常によく似ているが、ナルコユリの茎は丸いのに、アマドコロの茎には“角”があるそうだ。
釣り鐘状の花を咲かせる草花の代表はやはりスズランだろう。日本在来種のスズランは、中部地方以北に自生しているようだが、観賞用に栽培されているスズランの多くは、ヨーロッパ原産のドイツスズランだそうだ。日本の野生種よりやや大型で香りが強いらしいが、この株は日本の在来種かもしれない。