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映画「蟲師」を観てきた。
正直、見終わって映画館を出るとき私を含めてほとんどの人が困ったような表情に……これがこの映画の正しい評価かもしれない。
原作の「蟲師」というマンガ、そしてそれをほぼ原作のままアニメ化した深夜に放送していたシリーズ。これは、おだやかで実際に江戸の時代から明治にかかる頃、明治維新が無く鎖国が続いていたらこんな日本になっていたかもしれないと想像させるに十分な内容ではっきり言って傑作だった。(あまりに原作に忠実なためアニメ化の必要があったのかといわれるほどに忠実)
この大友克洋が監督した映画版は残念ながら設定をもらっただけで、ストーリーも雰囲気も全く違う映画であった。大友克洋はかつて優秀なマンガ家だった頃の「ショートピース」「ハイウエースター」「気分はもう戦争」など傑作と私は思っている作品を残しているが、どうも映画監督の才能は無いようだ。
出演の主役ギンコのオダギリジョー、大好きな役者だしクレジットカードのCMのネットドラマも全部観ているくらい大好きだが監督のかってな解釈で蟲師ギンコの軽味(カロミ)が出せていない。この作品ではちょんまげのない時代劇のなか普通の開襟シャツをきたギンコ、しかし彼が普通には見えない蟲(むし)を観ることが出来るより自然側の立場にいるというのが良いと思っているのだが、いかにもな衣装では山の中をひょうひょうと歩くギンコの良さが演出されていない。
出演者としては庄屋の主人「リリィ」蟲の記録を付ける運命の少女淡幽の婆や「李麗仙」虹を探す男「大森南朋」など非常に素晴らしい演技をしているし原作と雰囲気は違うが探幽の「蒼井優」も悪くはなかった。(キャスティングミスではあると思うが)
これだけの演技をしている役者達が居て、この完成度ということは脚本家と監督の責任だろう。
つまり、原作に対してこれほど失礼な映画を観たことがない。
ギンコに探幽のことが好きだと言わせたことでさらに原作のファンにとっての最大の裏切りを行ってしまった。
観るべき所はなくはない、映画というサイズに切り取った景色であるとしても非常に美しい、湿気を帯びた懐かしい日本が映像化されている。いわゆるエキストラ的にでてくる人たちの表情も、確かに「鎖国が続いている江戸でも明治でもない時代」の人たちの顔だ。
本当にこんな時代がもし存在したら私自身もこの時代に産まれたかったと思うくらいだ。この作品には明確な支配者も刀をもった侍も出てこない、しかし漂泊者、かつてのサンカのような自然と共生する流浪の民、非定住者に警戒もしつつ受け入れる方法を知っている定住民が描かれている。そして、皆いい表情、これは出演者個々の力だろう。
要するに、返す返すも無能な監督という者はすべてのこの作品に係わった者、観客に対して犯罪に等しいほどの罪を犯していると言うことだ。
つまり、映画館を出る観客の困ったような表情は、この作品のすべてを語っている。
この日、約200人ほどのチネチッタに客は30人ほど……評価は正直である。
興行的にも失敗した凡庸な監督の作品「蟲師」、そして興行的には大成功している愚作「どろろ」……どちらも原作を好きな人間には観ていただきたくない。
正直、見終わって映画館を出るとき私を含めてほとんどの人が困ったような表情に……これがこの映画の正しい評価かもしれない。
原作の「蟲師」というマンガ、そしてそれをほぼ原作のままアニメ化した深夜に放送していたシリーズ。これは、おだやかで実際に江戸の時代から明治にかかる頃、明治維新が無く鎖国が続いていたらこんな日本になっていたかもしれないと想像させるに十分な内容ではっきり言って傑作だった。(あまりに原作に忠実なためアニメ化の必要があったのかといわれるほどに忠実)
この大友克洋が監督した映画版は残念ながら設定をもらっただけで、ストーリーも雰囲気も全く違う映画であった。大友克洋はかつて優秀なマンガ家だった頃の「ショートピース」「ハイウエースター」「気分はもう戦争」など傑作と私は思っている作品を残しているが、どうも映画監督の才能は無いようだ。
出演の主役ギンコのオダギリジョー、大好きな役者だしクレジットカードのCMのネットドラマも全部観ているくらい大好きだが監督のかってな解釈で蟲師ギンコの軽味(カロミ)が出せていない。この作品ではちょんまげのない時代劇のなか普通の開襟シャツをきたギンコ、しかし彼が普通には見えない蟲(むし)を観ることが出来るより自然側の立場にいるというのが良いと思っているのだが、いかにもな衣装では山の中をひょうひょうと歩くギンコの良さが演出されていない。
出演者としては庄屋の主人「リリィ」蟲の記録を付ける運命の少女淡幽の婆や「李麗仙」虹を探す男「大森南朋」など非常に素晴らしい演技をしているし原作と雰囲気は違うが探幽の「蒼井優」も悪くはなかった。(キャスティングミスではあると思うが)
これだけの演技をしている役者達が居て、この完成度ということは脚本家と監督の責任だろう。
つまり、原作に対してこれほど失礼な映画を観たことがない。
ギンコに探幽のことが好きだと言わせたことでさらに原作のファンにとっての最大の裏切りを行ってしまった。
観るべき所はなくはない、映画というサイズに切り取った景色であるとしても非常に美しい、湿気を帯びた懐かしい日本が映像化されている。いわゆるエキストラ的にでてくる人たちの表情も、確かに「鎖国が続いている江戸でも明治でもない時代」の人たちの顔だ。
本当にこんな時代がもし存在したら私自身もこの時代に産まれたかったと思うくらいだ。この作品には明確な支配者も刀をもった侍も出てこない、しかし漂泊者、かつてのサンカのような自然と共生する流浪の民、非定住者に警戒もしつつ受け入れる方法を知っている定住民が描かれている。そして、皆いい表情、これは出演者個々の力だろう。
要するに、返す返すも無能な監督という者はすべてのこの作品に係わった者、観客に対して犯罪に等しいほどの罪を犯していると言うことだ。
つまり、映画館を出る観客の困ったような表情は、この作品のすべてを語っている。
この日、約200人ほどのチネチッタに客は30人ほど……評価は正直である。
興行的にも失敗した凡庸な監督の作品「蟲師」、そして興行的には大成功している愚作「どろろ」……どちらも原作を好きな人間には観ていただきたくない。
GSさんの評価は・・そうですか。。レンタルで見ようかな。。(笑)
とくに、始まって1時間ほどたったところ以降からは勘弁して欲しいと思うくらいです。
「たぬき御殿」もレンタルで見たけどつまんなかったし。。
外れもあるんですよね。
で、原作をまったくしらない拙者が観たらどういう感想を持つのかが興味深いです。
レンタルになったら借りて観てみます。
それまでは原作もアニメも観ないようにせねば(笑)
大友克洋には映画じゃなくて漫画描いて欲しいですなぁ・・
拙者は「童夢」が一番好き!
童夢からアキラのころの勢いは凄かったですよね~なんで日本人のアーティストって映画に行きたがるのでしょう?たしかに総合芸術度は高いけれどそれを仕切れるマネージング力・プロデュース力が自分にあると勘違いしちゃうのかなぁ。仕切が苦手だから個人のアーティストに成ったんだろうに……
どう見えるかな?と思ったんですが、
好きな人は見るな、知らない人にはわけわからん…とは
なんて救いようのない映画(笑)。
原作が大好きな人は「蟲」という設定や時代を知っていることによって意味は解るけれど、全く別の話と思って見ないと悲しくなる映画です。
予備知識がない人にはいったい何時代なのか、蟲ってなに?見える人と見えない人がいるの?とい事になり当日も会場内のあちらこちらからイビキが聞こえている結果という映画です。
そうですねぇ美しく懐かしい日本の風景が見れる環境映画と思えば……本当に良く寝られますよ。