・・・親鸞聖人曰く・・・・・・
善悪のふたつ、
総じてもって存知せざるなり
歎異抄
註釈版853頁
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親鸞は、
「善と悪の違いなど分からない 」
と記しておられる。
善 と 悪 との違い ・・
これを深い意味で見極めることは、
至極困難だと思う。
自分の今までを振り返ると・・・
自分の主観や、自分の都合を基準にして、
「 良いことをした 」 と思っているに
過ぎないことも多くあると思う。
人間の意思には一貫性があるとは思えない。
あるときは、他者に対して、
「 かわいそう・・・ 」 と思い、
慈悲の念を起こす。
しかし、時と、場所と、周囲の状況が変われば
「 可愛そうだ・・ 」
という思いが一変して
憎しみに変わったり
妬みに変わったり
嫉妬に変わったり・・・
人間に自分自身を救済する
力などあるのだろうか?
ましてや、苦しむ他人を
救済する力などあるのだろうか?
この疑問が、
修練の出発点であると感じる。
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