M君は、ある大きな夢を持っていました。
それは、仕事に関係する事と、
未来の自分の生活に関することです。
M君は、その夢を、私に熱く語って来た・・・
彼は、今の状況と、自分の過去に不満を持っていました。
M君の話をよく聞いてみると、
彼は今まで多くの夢を抱いて、
目標をもって努力を積み重ねてきたのも関わらず、
その願いが叶う事はなかったらしい。
今まで、何をやっても満足する成果は得られなかった。
常に夢をもって生きてきたにも関わらず、
その夢が叶う事がなかったようだ。
彼は、そのことに悲しみと、憤りを待っているようだった。
この男・・・
何か見当違いをしているような気配を感じた。
彼の姿をジッと観た・・・
彼の発する「 風 」(雰囲気)を感じ取ったとき、
なるほど・・・と思った・・・
彼を暖かく見守る
目には見えない何かが、
彼のことを、深い愛念で見守り、
あえて「思い通りならない状況 」
を演出しているようだった。
彼に言ってやった、
「 あなた・・まずは夢など捨てなさい、それが一番の近道だ・・」
相手が女性なら少しは柔らかく言っただろうが、
彼に対しては容赦せず、直球を投げた。
あなた・・・自分が持っているものに気づいてない。
そして、自分に無いものばかりを追いかけている。
あなたは、過去においても、常に、このような状態であった・・
現在、過去、どの部分を切り取っても、
「現状に対する不満」のみであった。
今、こで流れを変えないと、これは未来にも連鎖する。
この状態から発露する「 夢・希望 」は、
無限の可能性を秘めた「夢」ではなく、
無いものねだり。
コンプレックスのカモフラージュ。
こんなのは、夢ではなく蜃気楼だ。
夢が実現する人間とは・・・
「 現状に満足する者 」
こういう人間は、どんな時も、自分の置かれた環境や、
自分を取り巻く人・物・場所が、
今の自分にとって必要な要素であることを悟り、
その状態なかで最善を尽くし、
無我夢中で前に進む、それがその時点では最善なのだ。
これ即ち、「 自分に与えられたモノを観る事ができた人 」
夢が実現しない人間とは・・・
自分に与えられているモノを数えず、
自分に無いものを数え続ける人。
これは、
キセル乗車で目的地まで行こうとするのと同じ。
運悪く、まぐれ当たりで夢が叶ったとしても、
そんな人間は、死ぬまで、不平と不満の毎日しか有り得ない。
そんな人間が「 成功者 」といえのか?
偉そうな事を言う自分に恥じらいを感じたが、
黙ってはおられなかった。
黙ってはおられなかった。