傾聴ボランティア~緩和ケアにて~

~薬剤師・社会福祉士による小さなボランティア活動~

がん性疼痛緩和

2005年11月08日 | 在宅ホスピス
がん性疼痛に対してはWHO方式がん疼痛治療法と呼ばれるステップに沿って疼痛が管理されるのが一般的です。
使用できる薬は2、3年前までは、非ステロイド性鎮痛剤とモルヒネ製剤が一般的でした。

フェンタニルはモルヒネよりも鎮痛効果が高い麻薬です。
以前は手術中の麻酔などに使われるのが主でしたが、鎮痛効果が高いこと、そしてモルヒネで起こる特有の副作用が少ないことから、がん性疼痛緩和薬に適していると言われていました。
フェンタニルの貼付剤は2002年に発売され、注射剤はがん性疼痛緩和の目的でも2004年から使用できるようになりました。
フェンタニルの貼付剤はデュロテップパッチ、フェンタニルの注射剤はフェンタネストと呼ばれます。

このデュロテップパッチが発売されたことで、がん性疼痛の治療は大きく変化したと思います。

デュロテップパッチは普通モルヒネなどからの切り替えを行います。
時により他の麻薬系鎮痛薬へ切り替えたり、もう一度モルヒネに戻ったりと、ローテーションしながら使ったりもします。
この切り替えには用量の調節がとっても重要で、突発的な痛みに対しレスキュードーズ(モルヒネの追加投与)を含めた使用方法の熟知が必要。適量が投与されないとひどい痛みが現れたり、効きすぎてしまったりとした弊害が現れるためです。

デュロテップパッチは3日ごとに貼り変えます。徐々に皮膚から浸透していくため即効性はなく、血中濃度は48時間後にピークを迎えます。
ですから効果が現れるまでに時間がかかるため、モルヒネから切り替える時は最初は必ずモルヒネと併用します。

在宅で疼痛緩和を管理するのにこのパッチはとっても便利だと思います。
普段はデュロテップパッチを貼って、突発的な痛みにはレスキュードーズ。
これで快適な在宅ホスピスが実現できる人が増えればと願っています。

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