傾聴ボランティア~緩和ケアにて~

~薬剤師・社会福祉士による小さなボランティア活動~

生きた花をみたい

2006年06月30日 | 医療関連
病気のために動けなくなると、寝たきりか行動範囲がとても狭いものになってしまいます。

不便さをあきらめたとしても、つまらなさ、寂しさはいかんともし難いのだと思います。

忙しく立ち回る人々の何倍もの時間があるようなものです。

その時間を埋めるものは、テレビ、新聞、本、パソコン、ゲーム・・・いろいろあるでしょう。

でも一日それらをしているのも疲れます。

やっぱり古典的ではありますが花はよいと思います。

入院が長引くと家族が花をもって来る機会も減ります。

お見舞いの人も意外にお花を持ってこなかったりします。

でも生花を見るのは、私にはわからないくらい影響があるのではないかと思っています。

「生きた花がみたい」

この言葉を聞いて、そんなことを考えました。


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プライマリーケアギバー Primary Care Giver

2006年06月29日 | 緩和ケア
ハワイの在宅ホスピスでは、患者さんを介護し看護する人のうち最も身近にいる人をPrimary Care Giver (プライマリーケアギバー)と呼んでいました。

他にもキーパーソンとか呼び方はありますが、私は個人的にこの名称が気に入っています。

施設ホスピスの場合は医療スタッフが身近にいて医療サービスとケアを行いますが、

在宅ホスピスは様相が異なり、Primary Care Giverが多くのケアを施します。

Primary Care Giverの存在は重要でありますが、多くのストレスと疲労が圧し掛かります。

在宅ホスピスを成功させる要因はたくさんありますが、Primary Care Giverのサポートは重要課題です。


これから私はPrimary Care Giverの後方支援します。

それが患者さんと家族全体のサポートにつながればいいと思っています。


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死ぬまでにやること

2006年06月28日 | 緩和ケア
在宅緩和ケアを実践している医師の講演を聞いたとき、死ぬまでにやること5つを教えてもらいました。

自分の人生を振り返り、人生に価値を見出すこと。

自分を許すこと

他人を許すこと、和解すること

自分の周りにいる愛する人にありがとうが言えること

その人たちにさようならが言えること

だそうです。

これがちゃんとできないといい死に方はできないらしいです。

緩和ケアに携わる人がよく言うことが「人は生きてきたように死ぬ」ということ。

いつも不平不満を口にして攻撃的で素直じゃない人は、最期の最期まで医療スタッフと家族に文句を言い、

いつも感謝の気持ちを持ち穏やかに生きてきた人は、最期も周囲の人にありがとうといって穏やかに亡くなるのだそうです。

死を迎えたからといって突然変われるものではないらしいです。

たまに豹変して改心して亡くなる人もいるらしいですが。

最期を考えると日頃からの気持ちの持ち方がとても大切だなと思います。


緩和ケアを勉強しはじめて好きな言葉が増えました。

その一つが、一期一会、です。

一瞬一瞬を大切に、この時の人との出会いと触れあいに感謝しようと思っています。

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進むか?在宅緩和ケア

2006年06月27日 | 在宅ホスピス
この4月から在宅療養支援診療所という新しい診療報酬制度が設けられました。

これによって在宅緩和ケアが進んで行く事をもくろんでいるのでしょう。

認知症患者や寝たきりの人の在宅介護が進むように介護保険制度が導入されましたが、劇的に普及することなく、未だ病院で介護されている人が多くいる現状です。

緩和ケアも一緒なのでは、と思いがちですが、事情はちょっと違うようです。

認知症や寝たきりの人も、がん終末期の人も、在宅で過ごす時は介護サービスを利用しつつ、そして家族の介護、介助も必要です。

家族の負担は両方一緒なのですが、その期間が違います。

家族が付き添って介助が必要な期間は、前者(認知症や寝たきりの人)では5年10年と続きますが、後者(がん終末期の人)では数ヶ月だそうです。

がん終末期の人にかかる家族の介護、介助が必要な期間は、家族の体力と気力が切れない期間ということなのです。

ですから、医療側のソフトが整っていけば、在宅緩和ケアが進む余地は結構あるのではないかと思っています。


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日本緩和医療学会

2006年06月26日 | 緩和ケア
23日24日に開催されていた日本緩和医療学会、25日は日本ホスピス・在宅ケア研究会を聴講してきました。

3日連続で、なぜか途中で曜日の感覚がなくなっていました。


日本緩和医療学会では症状コントロールの発表とディスカッションを興味深く聴講しました。

こういう学会でさまざまな取り組みを聞いていると、もし自分ががんになって、痛みとその他の症状がでてきても、心配ないなぁと明るく考えたりもします。

しかしこれは間違っていて、

学会で発表があるということは、それがスタンダードで当たり前であるからではなく、全体かある部分が先駆的であるからであって、

全国津々浦々どこの病院でも同じことが提供されている訳ではないのです。

現場を知らない私が聴講だけしていると、無意識にこういう大きな誤解を持つことになってしまいます。

危険なことです。

そんなことを考えつつ均一化を願っています。


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少子化

2006年06月23日 | Weblog
近所のどこかの家に赤ちゃんが生まれたらしく、最近よく乳児の鳴き声がするようになりました。

必死に泣いています。

しばらくして泣き止んだりすると、姿は全く見えないのに、勝手に家族の様子を想像してしまいます。

ミルクをあげたのかな、おむつをかえたのかな、抱き上げたのかな・・・。

子供を育てるのは見ていても大変そうです。

どこの家か、どんな家庭かも全くしりませんが、大変だけど大事に育ててねと、勝手に応援してたりします。

おかしな話ですが。

昔はそんなこと考えもしなかったですが、この少子化の時代だからでしょうか。


・・・ 歳のせいでしょうか(苦笑)

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意外なことが

2006年06月22日 | 在宅ホスピス
在宅緩和ケアを受ける人は意外なことを大切にしていたり、楽しみにしている。

聞いた話しですが、家で療養しているおばあちゃんのお話し。

往診に行くと上の階で子供の走り回る音がして、先生が「うるさいなぁ・・・」と言ったところ、

そのおばあちゃんは「あれがいいの。生活音がするから。この前生まれたのにもう走り回れるほど大きくなったのよ」と。


以前にも書いた くもの話も同じこと。


周りにいる人は自分の価値観で判断してはいけないのですね。

でも忙しいとそれを察する余裕がなくなります。

できるだけ心の余裕を作っておきたいと思います。


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常時不安

2006年06月21日 | 緩和ケア
治療後のがん患者さんは常に再発と進行の恐怖におびえています。

告知によるショックよりも、最初の治療が終わった時の不安の方が大きいものです。

そのがんが再発率が低かったとしても不安は同じだと思います。

よく5年生存率が○○%、再発率は○○%、などと言われますが、

患者さんにとっては再発するかしないかのどちらかです。

10%しか確率がなくても、そこに入ってしまえば、その人にとっては100%のようなものです。

反対になぜ10%に入ってしまったのだろうと悩んでしまうかもしれません。

しかしこの数字は医療者は事実として伝える必要があります。

ただ、周囲の人が安易に用いるのは適切でない場合が多いのではないでしょうか。

そのことをよく踏まえて話さなければならないと気をつけています。


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同じ介護でも

2006年06月20日 | 在宅ホスピス
昨日、ある女性社長様とお話ししていたところ、介護の実体験をお話しくださいました。

加齢による介護、がんでの介護。両方ご経験されておられました。

お話しを伺っているうちに、やはりこの2つの介護は別にとらえた方がよさそう、と思いました。

時折在宅緩和ケア医の先生からはこのような話しを伺うことはありますが、再認識した感じです。

夢を話しているうちに気がつくと、米国型のホスピスを参考にした集合体を作りたいと話をしていました。

私の中ではハワイで見たホスピスが印象的であり、心に描いていることにも気付きました。


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今週末の神戸

2006年06月19日 | 緩和ケア
6月23日24日は神戸国際会議場で日本緩和医療学会総会があり、

24日25日はポートピアホテル、神戸国際会議場で日本ホスピス在宅ケア研究会が開催されます。

在宅緩和ケアの関係者にとっては忙しい3日間になりそうです。

前者の日本緩和医療学会総会の最後24日(土)の16時から17時には、市民公開講座があります。

終末期における人と人との関わりについて話があるようです。

事前の申し込みは必要ないようので、ご興味のある方は参加されてはいかがでしょうか。

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