傾聴ボランティア~緩和ケアにて~

~薬剤師・社会福祉士による小さなボランティア活動~

藍田さんの散歩(1)

2009年01月29日 | 緩和ケア
藍田(仮名)さんを散歩にお連れしました。

藍田さんはリクライニング式の車いすをご利用。

ほとんどフラットな状態で寝たまま登場しました。


藍田さんはあまりうまく話ができない、

けど、頭はよく回転しているのがわかります。

打てば響く会話が成り立ちますから。

ただ残念ながら言葉がよく聞き取れないのですが。



藍田さんは見た感じとても男前。

若かりし頃は格好良かったんだろうなぁ。と頭をよぎる。

「藍田さんは男前ですね!若いときはもてたでしょう~」

そういうと、かすれた声で

「そうや~」と。

「こんなこと聞いたらアカンかもしれないけど、藍田さんおいくつ?」

「25や」
(あとで登場した息子さん曰く、74歳だそう)



車いすを押してしばらくして止まって横にしゃがんだら、

「行って」

また車いすを押して止まったら、手をクルクルさせます。

「進んでほしいんですか?」と聞くと、うんうんとうなずく。

最初は10mくらいの予定でしたのに、結局200mくらいは移動しました。


藍田さんの車いすを止めて手を離すとなぜか車いすが動き出す。

最初は車輪が勝手に動いているんだ、と思っていたが、

なんと藍田さんが手を伸ばして、リクライニング式の車いすの車輪を自分で押していました。

「えええ!」

「そんなことできるんですか?」

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