傾聴ボランティア~緩和ケアにて~

~薬剤師・社会福祉士による小さなボランティア活動~

誰も座らない椅子

2006年08月31日 | 緩和ケア
例えば私がクライアントと話をする時の話し。

場所をセッティングするのにとても面白く、意外で、納得できるヒントがありました。

それは余分な椅子を用意する、ということ。

想像してみました。

小さな部屋に椅子が2人分だけ。

なんだか緊張しますよね。落ち着かないというか。早く切り上げないといけない衝動にかられます。

小さな部屋に椅子が4人分。そのうち2つに座る。

この方がなんだか安心します。落ち着いて話ができそうですよね。

なるほど~、って感心しました。

今はまだサロンを作ることはできませんが、今後作る時は是非余分な誰も座らない椅子、を用意しようと思いました。


聴く・傾聴

2006年08月30日 | 緩和ケア
人の話を聴くというのはとても難しいことです。

今更書くことでもないのですが。

相手が何かを聞いてきたとき、私に対する質問なのか、それともその件について聴いて欲しいだけなのか、を判断する必要があります。

その2つは大きな違いなんですね。


以前話しをしている最中にこんな質問をされたことがあります。

家族や身内の誰かが亡くなるとする。どの人が亡くなるのが一番辛いと思うか?

文章を読んだだけでもこの人が質問ではなくそれを聞いてもらいたいのだというのがわかります。

でも、私は気付かなかったんです。答えとしてはとんちんかん、だったでしょう。

優等生の回答ね、と言われましたから。


その人は配偶者が亡くなるのが一番辛いとおっしゃいました。

配偶者ががんだったのです。

それほど大きな失敗という訳ではないですが、ちゃんと気付くべきだったとずっと反省しています。


胸部X線検査

2006年08月29日 | 医療関連
現在、毎年健康診断で胸部X線検査を行うことになっていますが、

被爆のリスクを考慮して、40歳未満は5年毎の実施にしようかという話がでているそうですね。


昨年、フリーになってからは健康診断は受けませんでした。

↑こんなことではイケないのですが。

ただハワイのホスピスでボランティアをするために結核検査が必要でした。

はじめツベルクリン検査をし、陽性だったため胸部X線検査を受けるハメになってしまいました。

海外でまさかX線検査を受けるなんて想像もしなかったです。

今年は社会福祉士の通信講座のために健康診断を受けました。

そしてまた数日以内に別件で健康診断をすることになっています。

検査項目が違うので結局再度受けなければならないのです。


あまり被爆に対してのリスクは考えていないのですが、

検査の前に着替えなけれならないという面倒さを加味すると、単純な理由ですがこの案には賛成ですね。


私の力を高める

2006年08月28日 | 緩和ケア
昨日まで社会福祉士のスクーリングでした。やっと夏のスクーリングが終了。

暑かったし(大阪の南地域は暑いっ!!)、重かった(教科書類)です(苦笑)

社会福祉の勉強をしているとやたら横文字が出てきます。

頻出単語(受験みたいです・笑)の一つにエンパワーメントがあります。

利用する人の潜在能力を高めて力を付けましょう、そして、利用する人が自ら意見を言い自らサービスを求めて選択できうようになりましょう、ということなのですが、

何もエンパワーメントが必要なのは利用する人だけでなく、

支援する側にもエンパワーメントが必要なんだと講師の先生が仰っていました。

その通り、ですよね。

何も福祉だけじゃない。医療でもそう。

コンサルタントには広く求められる素質ですね。


ふと自分を振り返ってみてエンパワーメントしなければ!!

と強く思いました。


スクーリング

2006年08月25日 | 在宅ホスピス
今日からスクーリング後半戦です。

初日は児童福祉論ですが、児童の権利に関する法、児童福祉施設ともたくさんあるので、

こうやって勉強してみて改めて子供を守る制度は整っていることがわかります。


もれなく国民の末端まで行き渡らせるのが一番難しいのだと思います。



保健医療福祉の守秘義務

2006年08月24日 | 緩和ケア
明日からまた社会福祉のスクーリングがはじまります。

2週間前のスクーリングでは準備不足で試験に苦労したので、今回はちょっとまじめに予習などしています。

その中で、保健、医療、福祉職のチームアプローチにおいては情報が交換されるが、それぞれの領域における守秘義務は共通して守らなければならないとあります。

当然のことです。

在宅ホスピス先進国の米国の例ですが、私がハワイのホスピスで見た経験では、医療と福祉職が同一の組織で働いており、全ての情報は共有する、としていました。

ハワイだけでなく米国のホスピスプログラムでは同じでしょう。

全人的なケアをするにはなるべく多くの情報をチームメンバーが把握することが必要なので、こちらも納得できます。

日本で在宅ホスピス緩和ケアを実践すると、組織の違う専門職がチームを組むことになるので、

守秘義務と情報共有という相反する事柄を見据えて、どこまで情報を共有するか、悩ましい問題だと思いました。



緩和ケアの必要性はない?

2006年08月23日 | 緩和ケア
病床数500ほどある病院にお勤めの看護師さんに聞いたことがあります。

病院では緩和ケアに取り組まれていますか?と。

すると、「うちの病院の患者さんでは緩和ケアを必要とする人はいないんです」と。

詳細は聞きませんでしたが、私の知る限りそこはがん治療を行う病院です。

でも断定的な答えだったので、緩和ケアについてそれ以上は突っ込んで聞くことはできなかったです。


本当なのでしょうか?


ちょっと疑問に思いました。。。

死と向き合い死を考える人

2006年08月22日 | 在宅ホスピス
ある患者さんと話しをしていると、話すこと全部が一つに集約されていることに気がつきました。

それは死でありました。

家族の死、戦友の死、友人の死・・・、人生を振り返り亡くなった人のことばかりを思い返しているようです。


元気な時に今まで亡くなった人達のことを思い出すことはありましたか?

と聞くと

今まではなかった、今はそんなことばかり考えている、

との答え。

本人は時間を持て余しているからだと言うけれど、死について考えているのかもしれない。

1人静かに死を考える、そう思うと切ない気分になりました。

ロールモデルは掲げた方がいいのか

2006年08月21日 | 経営者の顔
人はよくロールモデルを作ります。

その方が将来の自分をイメージしやすいからです。

独立して仕事をしようとした時、ロールモデルを作ったらいいよ、と言われいろいろ考えましたが思いつきません。

たった一人からはじめて一代で上場企業にまで発展させる人、

誰も振り向きもしなかったことに取り組み成功し国内外から評価される人、

今までなかった分野を半ば作りあげて世に拡げるカリスマ性のある人・・・。

どれも大いに参考になるけど決められない。

ロールモデルを作るとそれ未満にしかなれないから作らない、と仰っていた医師がいました。

なるほど~。目標は高いほどいいとは言いますが、今あるものを目標にする時点で可能性はそれ未満なんだな、と。

それに反論する医師もいました。

近づいたらロールモデルを変えていく・・・。


人それぞれでいいと思うので、どれが正解なんてないと思います。

私は考えた結果いろんな人の軌跡は参考にします。

細分化したところで個々のロールモデルを当てることはできます。

例えば知識の広さはA氏、人の管理はB氏、会社の発展はC氏・・・、という具合。

でも一つのロールモデルは見つかりそうにありません。


なんとなく、でしかないですが、将来の自分はイメージしています。


将来を憂いて その2

2006年08月18日 | 在宅ホスピス
以下の内容については、私見に満ちていて偏りがありますし、内容に間違いもあるかもしれません。

私の独り言と思って読んで下さい。


昨日の続きです。

さて、ニュースで言うところの「保険会社が高度医療費を保障する」というのは、国が認めた先進医療を受ける場合を想定しています。


昨日書いたように保険外診療の範囲が拡がってしまったら、人は皆保険である健康保険の他に民間の医療保険に入り、

基礎的な医療は健康保険で、高度の先進医療を民間の医療保険で受けるようになります。

そうするとどうなるでしょうか。


アメリカは民間の医療保険しかありませんが、アメリカの現状は参考になると思います。

アメリカの医療保険にもいろいろランクがあり、Aという保険ではZ療法という先進医療は受けられるがY療法はダメ、

Bという保険ではZもY療法もOK。と言う具合。もちろん保険料に差があります。

先進医療を受けたいと思ったら保険会社に問い合わせをして、その先進医療に保険が使えるか使えないか聞きます。

使えなければ高い医療費は払えず敢え無く断念する・・・。

--アメリカの医療費は世界一高い!--

救急車を呼ぶとどんな保険に入っているかが問われ、

保険の種類によっては、最先端の医療を専門にしている病院に運んでもらえません。

また家の前に病院があっても保険の種類によっては行くことはできません。


アメリカの例は極端ですし、国民皆保険制度がないという違いはありますが、

全く関係ない世界であるとはいえないかもしれません。


だから私はいつもアメリカの医療状況を見据えています。

悪い想定をする場合の参考になるからです。