傾聴ボランティア~緩和ケアにて~

~薬剤師・社会福祉士による小さなボランティア活動~

ずっと心に残り、生きつづける

2007年10月30日 | 緩和ケア
傾聴して聴いたがん末期患者さんの言葉。

聴いたからって誰に報告することもなく、たいてい私の胸のうちにしまわれます。

でも講演があるときは、その話、言葉、空気感を呼び覚まし、

個人がわからないようにちょっと加工して、表に出します。

そして何度もその人を思い出し、講演の準備をします。

そうしているうちに、またその人がありありと蘇ります。

記憶って、すごいですよね。

11月は4回話をしますが、そのうち傾聴体験を話す機会が3回もあるので、

みなさん総動員してもらっています(苦笑)。


一人一人を思い出す度、出会えてよかったなぁ、と感謝します。

まるでそこにいるかのような、そんな錯覚に陥ります。

ピンクリボン★スマイルウォーク

2007年10月29日 | 医療関連
昨日は神戸市庁の隣の東遊園地で、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療を訴えるピンクリボンのイベントが開かれていました。

リレーフォーライフ芦屋(RFL)の実行委員の人達とともに5キロのウォーキングに参加しました。


<<出発ゲート>>

異人館の上、風見鶏の館まで登るんです。

5キロをなめてかかったのですが、思いのほか疲れました。

帰りは事務所によって仕事をする予定でしたが、あまりの疲れに眠さが襲い、

そのまま家に帰り仮眠をとりました(笑)。

ちょっと体力がなさ過ぎですね。そんなことを反省しつつ。


会場には検診車、がん検診の案内がたくさんあって、企業の協力がたくさんあって景品が豪華で、

RFL芦屋のメンバーと「すごいなぁ。来年は検診車を呼ぼう!」と話をしていました。

あそこまでの資金集めはできないかもしれませんが、来年のRFLは今年以上の計画を立てて、来られた方が満足できるような仕掛けができたら、いいなぁ、と思いました。

抗がん剤

2007年10月26日 | 医薬品関連
私の作った「もしもしがん手帳」の中に、抗がん剤治療のことを、

薬物療法

と言っています。

最初の原案では化学療法と書いていましたが、いやいや違う、と思いなおし変えました。

その理由はというと、



化学療法と呼ばれたのは、まさしく化学な医薬品だったから。

でも近年これに加えて、抗体療法というのが加わってきました。

抗原抗体反応、って聞いたことありますか?その抗体です。

がんの細胞に特異的にある「何か」を抗原とし、その抗原に対する抗体を、単体で大量に生産して体に投与すると、

そのがん細胞を狙って攻撃するのでがん細胞が死滅する、というものです。

わかりにくいでしょうか。

その細胞だけを狙っていくので効率がいいって、なんとなく想像できますよね。

恐らく今後その抗体療法が増えて、従来の化学的な医薬品より多くなる日が来るかも、

といわれています。

そうすると、化学療法と言う言葉がそぐわなくなると、

で、薬物療法にしました。

それだけではないんですが、大きな理由はここです。

今回の日本癌治療学会でも、抗体療法がどんどん市場に増えていくだろう、

という話題がでていました。その前の治験が遅れるという問題はあるものの。


本当にがんの治療は急速に進み、新たな方法もたくさん生まれています。

そんな中、私は広く勉強しないといけないなと、思いました。

日本癌治療学会

2007年10月25日 | 医療関連
製薬会社で抗がん剤の開発をしていた頃は、いつも行っていた学会です。

長いので癌治(がんち)と略します~。

会社員をやめてから久しぶりに参加してみました。

開催地が京都で近い、という理由なんですが。

緩和ケア関連の学会・研究会に慣れていましたが、やはり癌治の雰囲気は健在でした。

全然違う。

大きな違いは、ランチョンセミナーの券が、昼になっても余っているものがあるという点(笑)。

↑内輪ネタでごめんなさい。

日本緩和医療学会は、9時前に完売ですからね。

と、どうでもいいことはさておき。


患者さんが興味ありそうな、いわゆる最新の治療、に焦点をしぼって聞いていますが、

「へぇ」と思わず声をこぼしてしまうことも多々あり。

ただ、抗がん剤治療のセッションを聞いていたとき、次々に発表される先生方が、

初期から緩和ケアを!

と長方形を斜めに切った図、



が頻発されていて、久々に行って「嬉しい」と思った瞬間でした。

昔は癌治の発表で、緩和ケアはそのテーマに沿った発表にしか登場しませんでしたが、

普通の発表に出てくるので、時代が変わっているナァと感じます。

今年の4月に施行された、がん対策基本法が引き金になっているとは思いますが。

問題はその「流れ」にどう乗るか、ですよね~。

ぼーっとはしてられません。。。

食欲の秋

2007年10月23日 | Weblog
今日は日常の話で。。。


箱を開けると甘酸っぱい匂いが漂う・・・。幸せの瞬間です。

毎年といってもまだ3年目ですが、今くらいの時期になると、

北海道余市のある品種のりんごを取り寄せています。

酸味が強く、水玉模様のようにたくさんの蜜が入っているりんごです。

すっぱく、甘い。感動の一品です。

あ、思い出すとよだれが出てきます(苦笑)


先日魚料理屋さんでほうらく焼がでてきました。

中でもおいしかったのは、のど黒で、ほんま卒倒しそうでした。

脂が乗って、なんておいしいんでしょうね。

ほんと幸せな気分になります。


そこで「あけび」をもらいました。ご存知ですか?

薄紫色した皮が割れて、中から実が顔を出します。

母親からずっと話には聞いておりましたが、初めて食べました。

ねっとりした種だらけの、なんとも不思議な食べ物。

母親曰く、秋の風物詩で、子どもの頃学校の帰り道あけびを食べながら帰った記憶が蘇るらしいです。

見た目は食欲をそそる物ではありません。


ほんと豊かになって、どこのものでも珍しいものでも食べれますね。

幸せですね。

レスパイト

2007年10月19日 | 緩和ケア
在宅緩和ケアをする場合、家族がいれば、誰かが主なケアする人=プライマリケアギバーになって、

中心人物となって患者さんを支えます。

でもお家でみていると介護は、twentyfour /seven 、24時間休むことはありません。

考えただけでも大変そう、って思いますよね。

そんな家族を少しの間休憩させてあげよう、という趣旨でレスパイトケアがあります。

一時期患者さんに施設に入ってもらって、その間に休むのです。

でも、その施設が圧倒的に足りない!というのが今の悩みなんです。

在宅ホスピス医から、よくこの話題が聞こえてきます。


最近ある方が私に森林セラピーについて熱く語ってくれます(苦笑)

熱く語る傍ら、私の頭の中は、「そっか、近くでもいいから山へ行き、そこで自然のものをたべ、

森林の中を散歩して、お話をたっぷり聴いて、アロマトリートメントやエステなどを受けてもらって、

本人はすごくいい時間を過ごせて、家族はレスパイトになる。素敵じゃな~~い!」と妄想がいっぱいです。

六甲の山には森林の中のレストランなどがいくつかあるので、平日の時間に使えることができたらいいなあと思います。

そんなところ知っていますか?

知ってたら教えて下さい!


リレーフォーライフin芦屋のドキュメント放送

2007年10月18日 | 緩和ケア
先月9月15日~16日に、リレーフォーライフジャパンin芦屋でブースをだしました。

リレーフォーライフには全国から患者さんやご家族、応援する人3000人以上の人が集まったそうです。

最後は感動のフィナーレ!!・・・だったそうで・・・<--人づて

わたしはブースに貼りつきだったので、グランドの様子をほとんど知りません。

現地にいながら現地を知らない。

でも私にも見るチャンスができました!

本日の夜 23:00-23:30 に、NHK総合テレビ ドキュメント「にっぽんの現場」でリレーフォーライフ芦屋が 取り上げられるそうです!


見逃さず見たいです!

みなさんも是非見てくださ~い!

お家にかえりたい

2007年10月15日 | 在宅ホスピス
「家に帰りたい」

入院している人が突然脈絡なくそうつぶやく。

それまでの話はどうでもよくて、それが言いたかったのかもしれません。

「やっぱり家がいいわ」

待っている人がいる。必要としている人がいる。その家に帰りたい。

安心だから、療養に集中してほしいから、と家族は入院する方をすすめるだろうが、

自分を必要としている人がいて、その人の世話をすることがどんなに嬉しいことなのか。

社会的な役割があると生きる力になるといいます。

「お家にかえりたいんですね・・・」

そう言葉をかけました。



■案内 2007年11月4日(日)スタート 患者さんを支える人のピアカウンセリング講座

■お知らせ 2007年11月24日(土) 市民向け 神戸緩和ケア講演会 のご案内

怖いくらいのすごいこと

2007年10月12日 | Weblog
最近よくいいますよね。

偶然はなく、すべては必然だと。

その言葉自体、なんとなく「そうかもなぁ」くらいに思っていたのですが、

今日は怖いくらいにすごい必然がありました。


人がたまたま出会うのって、ある日ある時間ある場所に居合わせること、

ですよね。つまり時間的空間的一致が必要で、

世界のほとんどの人とは出会わずに人は亡くなっていくわけです。

一人の人にたまたま出会うのもすごい偶然、あ必然ですね、なのに、

その「たまたまの出会い」が5つも重なり合って、「たまたまの行動」が2つ重なって、出会えた人がいました。

二次、三次と辿れば「たまたま」はもっと無制限に増えていきますが、

一次の「たまたま」だけを拾って、この数です。

そこは確実に私が役に立てる現場にリンクできます。

不思議ですね~。

ロジックでは辿り着けない人と出会えると、確かに必然というのがぴったりだなぁと、

つくづく感じ、心から感謝しています。


まじめにやっててよかった(苦笑)

退院調整看護師

2007年10月11日 | 在宅ホスピス
病院から家にかえりたい、そう思う人は多い。

でも医療ニーズが高くて家に帰すのが厳しい時、仕方なく病院に留まることもある。

地域によるかもしれませんが、在宅でも可能性はります。

そんな思いを実現させようとするのが、退院調整看護師さん。

医療職が間に入ることで、患者さんと家族は安心して家に帰れるし、

戻ってくる率も低くなる。そうな。

データがあればいいんですけど。

今はあまり認知されていないけど、今後、いやもう目前かもしれません、

BIG WAVEがきて「必要だ!でもいない!」って騒ぎになるかもしれませんね。