五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2022・8・29

2022-08-29 03:24:14 | 日記
〇折角ブログを再開したのに以前に比べて面白くないとの声が聞こえて来る。そりゃ当然でしょ。7月5日以前のブログの主人公は亡き母親だった。何て云ったって母は最高のヒロインだったわけで、彼女が亡くなった今、誰を代役に立てようと役不足だ。そのヒロインの遺骨は現在、木立の向こう、薄明かりの中に見える母屋(オーオカビル)に安置されている。俺はそっと手を合わせてこのブログを書き始める。
〇俺は今独房に収容されている。何をするにも「管理責任者」の許可が必要だ。でも二週間前まで六人部屋の雑居房にいる時より断然いい。あの時は尿瓶にオシッコをしても、大便をしたくなっても、ナースコールをしなくちゃいけなかったし、おなじ房の老人の咳や寝言に一々起こされて具合がどんどん悪くなるばかりだった。その点独房は誰に気兼ねすることなくトイレにも行けるし原則電話も禁止されてない。でもこの独房が犯罪者を収容する刑務所の独房と違うのは、「管理責任者」である看護士が一人を除いて女性だということ。ドクターも今までは男性ばかりだったけど、しばらく前から感染症専門の女医が加わったもんだから、女性とのお喋りが好きな俺は自分でも知らない内にこの独房生活を楽しみ始めている。
〇朝早く息子のAに隣のビルまで来て貰って、着替えとたまった郵便物を病院まで持ってきて貰う。反対に銀行の通帳と送金メモを渡して、月末の振り込みを依頼する。用事を終えて戻ってきたAとコロナもあって直接は会ったり話したりは出来ないけど、病院の廊下で十メートルほど離れて会って、次の用件を頼んだりする。人生の終盤になって繰り広げられる父と息子の風景。
〇冷や奴も食べたい。すった生姜、茗荷、小口ネギを乗せた木綿豆腐を箸に乗せて、つけ汁ではなく、かつおぶしを一杯いれた薄口醤油にチラッとつけて食べる。それが俺のやりかた。病院食では求めても無理。焼鳥はあんなに焼鳥フリークだった癖して特別食べたいと思わないのは何故なんだろ?
〇退院したら取り敢えずどこかに行きたい。温泉なんかいけたら最高だけど、医者が許可しないかもしれない。でも、箱根が無理ならポルトガルは絶望的だ。
〇午前中に「温泉なんかいけたら最高」「箱根が無理ならポルトガルは絶望的」なんて書いたら、すぐさま箱根のホテル「マウントヴュー箱根」の主人Kさんから「箱根に一票」とのコメントがあり。Kさん、待ってて下さい。医者の許可が出しだい絶対お邪魔します。
〇この日記がつまらないのは、漸くここまで書くまでになったけど、登場人物も少ないし、俺自身も面白く書く能力がまだ回復していないから。電話も同じ。病室で電話が可能になったからって飲み屋の親父的に面白おかしく会話が出来る訳ではない。それに今の俺の話題は病院のことだけ。AさんもBさんもいるけど、ブログに遠慮がちに書くのが精一杯で、誰に聞かれているか分からない病室の中で笑いながら話すことは出来ないのだよ。
〇今日のハイライト。そのAさんに付き添われて出向いた地下のコンビニで、以前からずっと飲みたいと思っていた温かい珈琲を医師が許可してくれたので初めて買って大事に部屋に持ち帰る。そしてAさんが立ち去る寸前に一口。途端出た大声「美味いっ」、Aさん振り返って「念願かなったわね」と笑顔を向けてくれる。そんな幸せしか似非独房生活にはありません。
〇小説家でエッセイストで尊敬する脚本家のTさんが再開3日でこのブログを見つけてくれて声援を送ってくれる。彼女とも知り合って40年以上が経とうとしている。つかずはなれずの関係。こんな幸せも俺は持っている。

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3 コメント

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Unknown (カツマタ)
2022-08-29 11:50:13
箱根に一票
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Unknown (くらら)
2022-08-29 23:27:42
私はこの箇条書きブログも好きですよ。
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Unknown (はせきょ)
2022-08-29 23:50:36
面白いですよ、また読むの楽しみにしてますね
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