皆さんのブログで花や鳥の紹介があるたびに、自分はいかにそれらを知らないかを痛感します。
そこで自分でも紹介できるものが何か無いか考えた結果、私が携わった小さな生き物たち、即ち身近な微生物を皆さんの記憶にもあるだろう事件と共に紹介しようと思います。
コロナ禍の最中に微生物とはと思われる方もおられると思いますが、彼らたちも我々と同じように必死に生きている生物であり、花や鳥と同様に美しい姿をしていますのでお許しください。
更に、細菌は我々人類の祖先でもありますので。
(2)ブドウ球菌(Stapylococcus aureus)
ブドウの房のような集団をつくるので、この名前になった。
(日本食品衛生協会ホームページより)
分類:ミクロコッカス科 ブドウ球菌属
形態:直径 1μmの球形(μmはmmの1/1000)
毒素:エンテロトキシン その他多数
事件:
2000年(平成12年)に雪印乳業(当時)の低脂肪乳による食中毒事件が関西地域を中心に発生。14,000人を超える患者が発生し、戦後最大の集団食中毒事件となった。当時の社長が「そんなこと言ったってねぇ、わたしは寝ていないんだよ!!」 と発言して記者たちの反感をかい、最終的に社長は辞任した。
この事件後「牛乳」の命名基準が厳しくなり、成分無調整のものだけが牛乳と呼ばれコーヒー牛乳やフルーツ牛乳の名前は消えた。
事件後、雪印乳業は会社名を変えて雪印メグミルクとなった。
原因:
この事件の原因はブドウ球菌であった。
ブドウ球菌はエンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生する。これが低脂肪乳に混入し食中毒を引き起こした。
症状:
ブドウ球菌の食中毒は比較的早く1~3時間ほどで吐気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状を呈する。
その他:
抗生物質が効かないブドウ球菌はMRSAと呼ばれ院内感染の原因となる。