良寛の春の歌
当地は昨夜から雪であったが、今日は立春。暦の上では春である。そこで良寛の春の歌を探してみた。雪深い越後の里に暮らしていた良寛は春が待ち遠しいかったに違いない。節分の日に詠ったと思わ......
一年前のブログ「良寛の春の歌」が届いた。
一年前と同じように当地は昨夜からの雪が20センチほど積もったが、立春も過ぎ本当の春もまじかである。
良寛の歌には春を詠んだものが沢山ある。それだけ春を待ち望み、春を喜んだのであろう。
そこで昨年の歌以外の春の歌を探してみた。
春の野に若菜つめどもさすたけの君とつまねば籠(こ)にみたなくに
(歌意はいうまでもない。若菜摘みも、やっぱり一人ではおもしろくないいうのだ。*)
春がすみ立ちにし日より山川に心は遠くなりにけるかな
(春霞がたなびいて、いよいよ春になったなと気づいたあの日以来、山や野や川に遠く心を奪われ、眼前の事物がうつろかにさえ感じられるほどだ。*)
梅が枝に花ふみ散らす鶯の鳴く声きけば春かたまけぬ
(梅の咲き盛った枝に、花を踏み散らしながら鶯の鳴くその声を聞けば、いよいよ春になったという気がする。*)
この里に手まりつきつつ子供らと遊ぶ春日は暮れずともよし
(歌意はいうまでもない。春の日永を遊び足らず、もっともっと遊び呆けたいと願ったのだ。*)
*:吉野秀雄