goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

お待たせ、お嬢さま

2009年06月24日 | 09 花たち



【ハゼラン・爆蘭】スベリヒユ科ハゼラン属

ネジバナが咲き始めたのを確認して以来、同じ時期に咲き始めるもうひとりのお嬢さま、ハゼランのことが気になっていました。
ママコノシリヌグイ、ネジバナと並び、ピンクの萌え花トリオの一員ですのでね。
昨年は逆で、こちらのお嬢さまが咲いているのを見かけて、ネジバナに思いを馳せて会いに行ったんでした。

わが町に数ヶ所あるハゼランたちをチェックしてみました。
もともとがアスファルトの隙間から顔を出しているものがほとんどですが、今のところまだ姿が見えませんでした。
でも諦めている訳じゃありませんよ。
ネジバナと違って花時期の長いハゼランですからね、ゆっくりでいいですから、今年もわが町にも可憐な姿を見せてくださいね。

ならばです、昨年出会った花マップ登録のハゼランを訪ねてみるかと思いつつ、天気や何やかやとあって出かけられない日々が続き、ようやっと20日に行くことができました。
とは言いつつ今回紹介しているのは、昨年の場所のものではありません。
すぐ近くで、株数も多く見られるところのものです。

ネジバナとの出会い以来、待ちに待った16日振りのハゼランの花との出会いです。

中南米など熱帯アメリカ原産の多年草で、もともとは観賞用として明治初期に導入され、現在では各地に野生化したものが見られる帰化植物です。 

蕾が次々と爆ぜるように咲き出すことから「ハゼラン・爆蘭」と命名されました。
午後3時に開花し始めることから「サンジソウ・三時草」の別名もありますが、その他にも数多くの別名がありますのでね、そ件に関しては2年前の記事、「小花萌え狂い」を覗いて見てください。
酔っ払いの与太話ですけどね。

南アメリカのアマゾン流域をはじめ、西アフリカやインド、東南アジアで新しい野菜として栽培されています。高さは30センチほどになり、葉はソフトで栄養価が高く、「ホウレンソウ」の代用品として利用されますとの記述を見て以来、いつかは食さなければと思いつつ、未だ叶わずです。
もし機会に恵まれた暁には、「外ごはん」のおかずの1品として登場していただきましょうかね。
今回のこの場所のものは、可能性を秘めていますよ。

英名の「コーラルフラワー・coral flower」は、この赤い実に由来します。
3~4㎜の赤い実は、確かに珊瑚玉に見えますね。


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【追記】6/29

土曜日の出かけ先でハゼランを見つけましたので、いいチャンスだと思い葉っぱを採取してきました。
上で花を紹介しているのとは、別の場所での採取です。
1枚の葉は10cm弱と小さいので、これで30枚ほどでしょうか。

初めてなので、オーソドックスにさっと湯がいてお浸しにしてみました。

一言、美味しいです!

肉厚の葉はコリコリとした食感で、噛んでいるうちにメカブにも似た独特のぬめりが出てきます。
下処理の面倒臭さもないし、えぐみも苦味も強くなく、野草にありがちな繊維質が際立つような粗野な食感でもありません。
噛む毎に滑らかな旨みが口中に広がりましたよ。

クセは確かにあります。
でもそれは、野菜それぞれの味が違うのと同じ理屈です。
好みの問題だけです。
葉物野菜として栽培され、販売されたとしたら、ファンが付くと思うんだけどな。

野の食材としては、ムラサキハナナと双肩でしょうかね。

チャンスは少ないかもしれませんけどね、もし巡ってきましたら、是非とも食すことをお薦めいたします。


黄色の撫でし子

2009年06月23日 | 09 花たち


ナデシコのお仲間に、黄色い花色のものってありましたっけ?

ナデシコ科の花だということは見ればすぐに判るんだけど、出会った瞬間?マークが飛び交いました。

カーネーションには黄色系のものがあるのは承知していますが、それ以外では思い浮かびません。

日本語の桃色がピンクと同義語であるように、英語の「pink」にはダイアンサス(ナデシコ)の意味があることを昨年知りました。
前々から白や赤のナデシコ属の花は数多くあり、今では黒花に近い暗赤色のダイアンサスも見ることが出来るようになっていますが、やっぱりナデシコと言えばピンクのものを思い浮かべてしまいます。

今回出会ったこちらは薄いクリーム色ですが、黄色いナデシコの仲間が存在しているとは、知りませんでしたね。

「ナデシコ科 黄色」をキーワードにすれば、こちらの正体に辿り着けるるだろうと思っていたところ、これが以外にも苦戦しました。
「ダイアンサス 黄色」にキーワードを変えて画像検索を続け、やっと探し出してきました。
検索途中、「ナッピー」という黄色い花のダイアンサスがあることが判ったのは、収穫です。

あまりいい状態とはいえませんが、初対面の黄色いナデシコ属の花を紹介いたします。


【ナデシコ オリヒメ・撫子織姫】ナデシコ科ナデシコ(ダイアンサス)属

1~2㎜しかないんじゃないかと思えるような糸状の茎や葉の先に、ダイアンサスの仲間にしては大きな花(3cmほどありますかね)を咲かせます。

細い茎の先に可憐に咲く花の姿を夜空の星に譬え、花時期が七夕の頃だから、「織姫」と名付けられたんだそうです。



青紫色の葯がシックです。

案の定、情報の少ない花でした。
和名の「オリヒメ・織姫」と耐寒性常緑多年草だということが判った以外は、学名はじめ、原産地はどこなのか、原種なのか園芸種なのか、いつごろ日本に導入されたのかなどの詳細は、まったく判りませんでした。
珍しい花であることは、確かですね。

全体の姿があまりよくなかったので、10日ほどして再訪してみました。
雄蕊の青い葯は落ちて、クルンとした雌蕊はピンクになっていましたよ。

可愛い花姿も見られました。

織姫ですからね、彦星が天の川の向こうで待っている七夕の頃までは、咲いているんでしょうね。


南国の花便り2

2009年06月22日 | 09 花たち



【サンゴシトウ・珊瑚刺桐】マメ科デイゴ属

探してたんだよね、サンゴシトウを。

ずっと以前、goro’s 花 Diaryを始めるよりもっと前に、名前は知らなかったけど、サンゴシトウの花はそこそこ見ていたんだよね。
ひょっとしたら、前回紹介したアメリカデイゴと混同していたかも知れないと、思ったりはしますけどね。

いざ探し始めると、これが出会えないんですよ。
あるところにはあるだろうと思いつつ、探し続けていたんだけどね。

今年やっと出会えました。
いい状態のサンゴシトウとは言えませんが、贅沢を言ったらバチが当たります。
出会えたことに、感謝あるのみです。

サンゴシトウは、アメリカデイコを片親に持つ交配種です。
19世紀の前半に、オーストラリアのシドニー植物園で作られたんだそうですよ。

もうひとりの親は、北米南部原産で草本の「エリツリナ ヘルバケア」とのことですが、この「エリツリナ ヘルバケア」についての情報はほとんどありません。
画像1枚も探し出すことができませんでした。

「エリツリナ・Erythrina」とはデイゴ属ということですのでね、アメリカデイゴと「エリツリナ ヘルバケア」は同属です。
ただアメリカデイゴは木本で、ヘルバケアは草本です。
木と草を交配するなんて、珍しいよね。
というか、そんなことも出来ちゃうんだ。

アメリカデイゴから作られたとはいっても、花の様子が随分違います。
花色は濃い赤だし、ほっそりとスリムな筒状の姿で、これ以上開くことはありません。
何よりアメリカデイゴの特徴でもある旗弁は、あるにはあるけど、普通のマメ科と同じように上にあるし、ほとんど目立ちませんね。

アメリカデイゴとほぼ同じような性質を持つ植物なので、関東以南でしか越冬することは出来ません。

「サンゴシトウ・珊瑚刺桐」の名前は、花の形と色を「珊瑚」に見立て、枝に「棘」があり、葉が「桐」に似ていることに由来します。
「珊瑚紫豆」との漢字表記もあったんだけど、紫色の豆が出来るのかな?

別名の「ヒシバデイコ・菱葉梯梧」は、葉っぱが菱形をしていることに因みます。

アメリカデイゴもサンゴシトウも、ギラギラとした夏の光を浴びて咲いているときが、いちばん輝いていることでしょうね。

関東地方は、いよいよこれからが梅雨本番です。


南国の花便り

2009年06月21日 | 09 花たち



【アメリカデイコ・亜米利加梯姑】マメ科デイゴ属

いやいや、見事な花付きのアメリカデイゴを見つけちゃいましたよ。
先週の日曜日です。

いつもとは一部違うルートで帰宅しようと思いましてね、初めてではありませんが、滅多に通らない道にマイカーを乗り入れたことで、こちらとの出会いが持つことができました。
杉並の、環七間近の中学校の前庭での出会いです。

マイフィールドには幾本かのアメリカデイゴがあります。
もっと大きくて年季の入ったものもありますが、こんなに花数多く咲いているのを見たのは、今回が初めてです。
ネット画像で物凄い数の花を咲かせたアメリカデイゴを見て、露地植えの北限だと言われている関東では、そこまでの花数を望むのは無理なのかなと思っていました。

なんのなんの、南国に植えられているものとなんら遜色のない、見事な咲きっぷりですよ、こちらのおかたは。
すでに落花したものが、積み重なっておりました。

梅雨時の曇り空だし、時間も4時半過ぎと少々遅かったので、暗めの写真しか撮れなかったのは残念至極です。


蕾は白っぽい朱色です。


開花すると鮮やかな朱色になります。

さすが南国生まれ(東南アジア説、南米説有り)、見れば見るほどユニークな造形です。

この形は、何かを彷彿とさせますよね。
蕾はロブスターの爪そっくりだし、開花したものは、おじさんにはコンドルに見えちゃうんですけどね。
赤いダースベイダーのマントにも、見えなくはないかな。

アメリカデイゴの詳細につきましては、2年前の記事をご参照ください。

今回は、旗弁(きべん)についてだけ述べておきましょうかね。

旗弁は、ほとんどのマメ科の植物にあります。
アメリカデイゴの旗弁は、下に大きくペロ~ンと垂れています。


【ホオベニエニシダ・頬紅金雀枝】マメ科エニシダ属

マメ科の代表として、ホオベニエニシダに登場していただきました。

紹介しているホベニベニシダは
4月に撮ってそのまま花倉庫で眠っていました
久々の出会いでしたので
何とか登場させたいと思っていたのですが
今回、いい機会が巡ってきました


どれが旗弁だか、判りますか?
1枚の花びらが上に立っているでしょう? それが旗弁です。
ほとんどのマメ科の植物は上に立っていますが、アメリカデイゴは下向きなんですよ。

【きべん・旗弁】マメ科植物の蝶形(ちようけい)花冠の上側に位置するよく目立つ花弁。(goo辞書より)

下向きの旗弁を与えられたせいで、アマリカデイゴ独特の造形が誕生したんですね。 


夏の萩

2009年06月20日 | 09 花たち



 【ミヤギノハギ・宮城野萩】マメ科ハギ属

夏に咲く萩があることを、ご存知ですか?
goro’s 花 Diaryでは毎年のように紹介しておりますので、以前からの読者の方たちは承知していますよね。

夏に咲く萩だから別名「ナツハギ・夏萩」=「ミヤギノハギ・宮城野萩」だと早計に決め付けるのは間違いだということを、昨年学習いたしました。

今年も夏の萩が咲き出していますよ。

美しく枝垂れる枝や、細めの葉先が尖っているのが、ミヤギノハギを同定するときのポイントです。

ミヤギノハギは、すべてがこの時期に開花するとは限りません。
固体によっては、初秋の頃咲き出すものもあります。
それと、この時期咲いているもののなかには、夏本番になると花は消えてしまい、秋になって再び開花するものもあるんですよね。

それぞれ、どんなDNAを持っているんでしょうね。


青山墓地での出会いでしたのでね、
墓石が入らないようなアングルをと思ったら、
こんな写真しか撮れませんでした。


【ケハギ・毛萩】マメ科ハギ属

こちらが夏萩=宮城野萩では無いことを気付かせてくれたケハギです。

なんとも風流な、「サミダレハギ・五月雨萩」との別名があります。
梅雨時に咲き始めることから命名されました。

ただ昨年の記事にいただいたnoodlesさんのコメントで、「チョウセンハギ・朝鮮萩」という名前の、ケハギと同じように初夏に咲き始める萩があることを教えていただきました。

調べてみると、よく似ているんですよね。
両者の違いがどこにあるのか、おじさんの実力では判別不能です。

紹介している萩は、萩としては大型で、2m近い樹高があります。
ネットで調べてもチョウセンハギの情報は少なく、樹高などについての記述は見つけられませんでしたのでね、昨年ケハギだと同定したときの決め手になった第一園芸のHPの記事に基づき、今回もケハギということで紹介しておきます。

初夏に咲く萩があると判ってはいても、紫陽花とのツーショットには違和感を憶えてしまいます。
風景のなかで、しっくりこないんですよ。

こういう先入観は、早く卒業しないといけませんね。


 

白花の萩も咲いていましたよ。
この時期に白い萩を見るのは、初めてですよ。
驚きました。

「シラハギ・白萩」にもいろいろあるようですが、株全体の風情を見る限りでは、こちらはミヤギノハギから改良された園芸種だと思います。