goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

風の花

2009年05月31日 | 09 花たち



【アグロステンマ】ナデシコ科アグロステンマ属

おじさんは「風の花」と呼んでいます。
別名でもなんでもありませんので、誤解無きよう。
勝手に呼んでるだけですから。

細い茎の先に咲く花は涼しげだし、嫋やかに揺れている姿には強さも覚えるし、風の向きが一目で判るのも面白いです。
大風が吹き荒れた17日の日曜日、「風の公園」では、鏡獅子の毛振りもかくやといわんばかりに、大揺れに揺れていましたからね。
まさに「風」を見せてくれる花です。

ただこれは見ているときの話でね、いざ撮ろうとするとこれだけ撮影者を泣かせてくれる花も珍しいです。
無風としか思えないときでも、カメラを向けてピント合わせとしている間に、フレームアウトしちゃったりします。
花径が5~6cmと、比較的大きな花ですのでね、なんとか誤魔化せるくらいの写真は撮れますけどね。

「風の花」には、乙女テイスト50%、リアルな思い50%の意味が込められています。


アグロステンマの詳細を知りたいかたは、昨年の記事「畑の王冠」に書き尽くしておりますのでね、そちらをご覧になってください。

故意かたまたまか、白花も混じっておりましたよ。

薄いピンクもありました。


三色揃い踏み~~

ピンクのアグロステンマとは、初の出会いでした。
あるのは判っていましたが、これほど薄い花色だとは思っておりませんでした。

別の場所で、薄いピンクだけアグロステンマを見つけました。

赤紫や白花と比べると、花はやや小振りでしょうかね。
草丈も低いように思いましたが、同じものでも生育環境で変わったりしますのでね、品種による違い云々は、判りません。


嬉しい帳尻合わせ

2009年05月30日 | 09 花たち


今年はフジの花をほとんど見ることなく過ぎてしまいました。
開花直後だったり、ほとんど花が終りかけの時期だったりと、何故だかフジとの縁が薄かったんですよ。
こんな年もあるよなと思っておりましたら、フジの季節が終わった後、フジに似た花との嬉しい出会いがありました。

フジとの縁が薄かった分、こんなところで帳尻を合わせるのかと、ひとり悦に入る、花追っかけおじさんであります。

同じマメ科で「○○フジ」と名乗っていたりしますが、フジ属の「フジ・藤」とは属違いですのでね、花は似ていますが、お仲間ということでもありません。


【ニワフジ・庭藤】マメ科コマツナギ属

ニワフジとは3年振りのご対面になります。
3年前に見かけたのは鉢植えのものでしたので、地植えのこちらは様相が随分違って見えました。
這うように枝を伸ばしていました。
コマツナギ属だと聞けば、そうかと思いましたね。

ニワフジは、本州の中部以西、四国、九州の河原に分布する落葉低木です。
中国や台湾などにも自生しています。
日本の自生地からは姿を消しつつあるようで、絶滅危惧種に指定している自治体もあります。

「ニワフジ・庭藤」の名前の由来は、「庭に植えられることから」と書かれているサイトがほとんどです。

なんとも人を食ったような説明には納得しかねたので、続けて検索していたら、別名の「イワフジ・岩藤」から転訛したものとの記述を見つけました。
こちらなら、まあ納得出来ますかね。
「イワフジ・岩藤」は、河原などの「岩場に生育する藤に似た植物」ということです。

岩藤と聞いてまず思い出すのは、歌舞伎の「加賀見山旧錦絵」です。
「加賀見山」の岩藤は立ち役が演じる女形で、尾上を苛めぬく憎っくき敵役ですが、こちらのイワフジは小さくて可愛くて、決して草履で人を打つことはありません。

園芸界では、「イワフジ」の名前で流通しているのが一般的との記述もありました。

赤紫のこちらの花色のほうが、ニワフジとしてはポピュラーなんでしょうけどね。

ここでは少数派で、白花に隠れるように遠慮がちに咲いていましたよ。





【キングサリ・金鎖】マメ科 キングサリ属

待望の初登場の花です。

キングサリの花は、たまたまネットで見知っておりましたし、見てみたいと思っていた花だったので、出会ったときすぐに判りました。
ただ予備知識がなかったとしたら、黄色い藤を見つけたぞ~~と欣喜雀躍、大騒ぎしたことでしょうね。

前出のニワフジより、花序の垂れ具合や花の構造など、もっと藤に似ています。
葉っぱは全然違いますけどね。

ヨーロッパ中南部が原産の落葉性の高木で、蔓性ではありませんが、藤棚のように育てることも出来ます。
春の花木として、ヨーロッパではポピュラー樹木のようです。
検索すると、見事に花を付けた大きなキングサリを見ることが出来ます。

和っぽい顔はしていますが、外国からいらっしゃったかただったんですね。

日本には明治の初期にやってきていますが、その割りには見かける機会は少ないですよね。
高温多湿に弱く、夏涼しく冬温暖な気候を好み、陽当たりを好み乾燥を嫌い、適度の湿気を保ち、移植を好まず強い剪定も嫌い、幹が太るのが遅いので繁った枝葉を支えきれず、倒れたり曲がってしまうこともあるし、アルカロイドを含んだ有毒植物でもあるしと、なかなか気難しい植物のようです。
あまり普及しなかった原因は、こんなところにあるんでしょうか。

「大変育てやすく、成長も早く、短期間に大きな木になり、木が大きくなると立派な花をたくさん咲かせるようになります」なんて、真反対のことが書かれている園芸屋さんのサイトもありましたよ。

さて一体どちらが正しい情報なんでしょうか?

「キングサリ・金鎖」 の名前は、「金色のような黄色い花が鎖のように連なって咲く」から付けられたとされていますが、英名の「ゴールデン チェーン・golden chain」をそのまま訳しただけでしょうね。

「キンレンカ・金蓮(連)花」との別名や、最近では「キバナフジ・黄花藤」と呼ぶこともあるようですが、どちらも紛らわしい要素がありますので、「キングサリ」もしくは「ゴールデン チェーン」と呼んだほうがいいでしょうね。

おじさんはもちろん、キングサリでいきます。


5年目の郷愁花

2009年05月29日 | 09 花たち



【ハナヅルソウ・花蔓草】ハマミズナ(ツルナ)科アブテニア属

過去に1回だけハナヅルソウを紹介したことがあります。
ブログを初めて間も無くの頃、ブログタイトルにも「花」が入っていなかった「goro’s Diary」の時代です。

花中心ブログになるずっと前のことで、名称不明花としてアップしました。
早速ポージィさんからご教示をいただいています。
花の名前については、ポージィさんやちょびママさんに、大変お世話になっていた頃です。
4年前には「インパチェンス」や「ガザニア」の名前を知らなかったことが、過去の記事にしっかりと記されておりますのでね、偉そうなことを言ったところでお里が知れています。

それにしてもです、隔世の感は・・・ 否めません。

郷愁すら憶えるようになってしまったハナヅルソウです。
初心に戻ることを促してくれる花のひとつ、といってもいいかな。

再登場のチャンスは何回かあったんだけど、その都度押しやられてしまい、月日は流れた訳ですよ。

紹介させていただきます。

ハナヅルソウは、南アフリカ原産の多肉性の常緑多年草です。
耐寒性にやや難があり、寒さにあたると葉が痛んでしまいますが、春になると勢いを盛り返し、蔓も伸び青々としてきます。
旺盛な葉の陰で、2cmくらいの花ポツリと咲かせます。
株全体のボリュームに比べると、花数は少ないです。
5月の始めには開花し、年にもよりますが、12月になってもまだ咲いていることがあります。

ハマミズナ科には有名なマツバギクがあります。
マツバギクは日本の夏を彩る花としての地位を得ていますが、ハナヅルソウは小振りではありますが、似た風情はありますね。
ただ葉っぱがまるで違いますので、見間違えることはありません。

東京では、野に飛び出しかけているのを見かけますよ。

「ハナヅルソウ・花蔓草」の名前は、「美しい花が咲く『ツルナ・蔓菜』(未見です)に似た植物」といったところでしょうか。
別名の「アプテニア(アプティニア)」は学名の「Aptenia cordifolia」から、「ベビーサンローズ・baby sun rose」は英名です。

今回紹介しているのはピンクの品種ですが、この他に赤や白の花色のものもあります。
斑入りの品種もありますよ。


自家不和合性

2009年05月28日 | 09 花たち



【フェイジョア】フトモモ科フェイジョア属

南米のウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部などが原産の常緑低木です。
フトモモ科とはあまり聞き慣れない科名ですが、ブラシノキギョリュウバイなどが同じ科になります。 

日本には1930年の後半(昭和初期になりますかね)と、意外に早くやってきていますが、観賞用ではなく果樹として導入されました。
当時は結実が不安定なため果樹としての栽培は広まらず、表舞台から消えてしまいました。

日本にやってきたのと時を同じくしてニュージーランドに渡ったフェイジョアは、しっかり果実が実り、経済栽培されるようになりました。
その後品種改良された苗が輸入されて、日本でも栽培されるようになり、果実の収穫も出来るようになったんだそうです。
主に西日本ではありますが、フェイジョア栽培は年々増えている模様です。
ただまだ国産のフェイジョアは少ないようで、果物屋に並んでいるのは(見たことありませんが)、ニュージーランドやカリフォルニアからの輸入物だそうです。

マイフィールドには、公園樹などで植えられているフェイジョアが数本ありますが、食べられるまで結実しているのを見たことありません。
気候の問題だと思っておりましたが、それだけが原因じゃなさそうです。
耐寒性は意外とあり、-10℃までは生育可能だそうで、温州ミカンが栽培できるところでしたら、露地植えOKだそうです。

結実しない最大の理由は、自家不和合性(違う品種と受粉しないと結実しない)だからとのことです。
自家受粉が駄目なら、1本だけ植えられていたんじゃ、結実しませんよね。
近くに2~3種植えれば解決いたしますし、これも改良が進んだことで、今では自家結実する品種も作られているそうです。

温暖化の影響もありまして、東京でも、魅惑のフルーツを採取することが出来るとの記述を見かけましたよ。
果実を目的にしたフェイジョア栽培、流行るかもしれませんね。

花径は4cmほどと大きく、赤くて長い雄蕊が目立ちますよね。
このあたりは、ブラシノキと同じような特徴でしょうか。
外側が白、内側が赤い花びらは分厚くて、糖分を含み甘いんだそうです。
サラダなどで食べることもあるようです。 

果物としての認知はまだ一般的ではないでしょうが、goro’sではすっかりお馴染みです。
最初にいただいたのが4年前、以来秋になると毎年フェイジョアの実が届きますのでね、召し上がったかた、いらっしゃいますよね。
ジャム作りに挑戦したこともありましたっけ。
毎年初めて召し上がったかたたちから、賛嘆のお言葉を頂戴しております。
これはひとえに、鹿児島でフェイジョアを栽培している管理人のご両親の尽力によるところ大です。

コンポートにすると美味しいとの情報が届きましたのでね、今年は是非ともと思っている次第です。

管理人さん、今年もよろしくね。


栴檀の君

2009年05月27日 | 09 花たち



【センダン・栴檀】センダン科センダン属

伊豆半島以西の本州から沖縄まで、広くアジア各地の熱帯、亜熱帯地域に自生する落葉高木です。
成長も早く、大きなものだと30mにもなるそうですが、マイフィールドでは10mほどのものが多いです。

有名なことわざに「栴檀は双葉より香し」がありますが、ここで紹介しているセンダンでは無いことは、goro’s 花 Diaryでも再三書いておりますので、ご理解いただいておりますよね。
ことわざに謳われている「栴檀」は、マレーシアやインドが原産の香木「ビャクダン・白檀」の別名で、こちらのセンダンには、ビャクダンほどの香りはありません。

雄蕊が散る頃になると甘い香りがするとのことですが、未だ香りを意識したことはありませんね。


今年も、枝をむんずと引き寄せて撮影いたしました。

センダンの魅力は、紫の花色にあると思っております。
紫の筒状のものは、雄蕊が固まっているのですけどね。

大人の色香を漂わせる上品な花色に、上臈人を重ね合わせてしまいます。
今時は、この花をイメージするような女性は・・・ 思いつきません。
どこかにいるだろうとは、思うんだけどね。

センダンの名前の由来になってと言われる果実は、過去記事の「小さな団子たち」でご覧になってください。