goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

陰日向なく咲く紫陽花

2009年06月10日 | 09 花たち


ここにきてアジサイの仲間たちを行く先々で目にしていますが、花色といい姿形といい、見慣れない品種が増えてますよね。
人気絶頂の「隅田の花火」のような、ガクアジサイの姿を残した園芸種が目に付きますね。

季節を先駆けて登場する鉢植えの矮性種だと、促成栽培されたものだとは思いますが、4月頃から咲いていますからね。
花色も青に紫、ピンク、赤、茶色っぽいものもあり、トーンの濃い目のものが多く目に付くかな。
地上20㎝の場所に、花径20㎝を越えるような大玉のアジサイが咲いているのを見ると、ここまでいじり回さなくててもと思ってしまいます。
どう見ても、美しくないんだもん。


先月の終り近くから、ご近所やマイリビングのアナベルが咲き始めているのを目にしていました。
アナベルは他のアジサイたちより少し遅れて開花しますが、こちらもご多分に漏れず例年より早く開花しています。

昨年見つけて是非とも紹介したいと思っていたアナベルがありましたのでね、行ってきましたよ、日曜日に。

「アジサイの女王」とも称されるアナベル、見ていただきましょう。


【アナベル】ユキノシタ科アジサイ属

北米原産の「ハイドランジア アルボレスケンス・Hydrangea arborescens」の園芸改良種が、「アナベル・Annabelle」です。
正式名は「ハイドランジア アルボレスケンス アナベル」です。

アナベルも同じアジサイ属ではありますが、日本原産のアジサイをもとに改良したものとは、様相が違います。
株立ちする多くの茎は細く、柔らか味のある大きな葉っぱで、樹高もせいぜい1~1,2mほどで、何年も放置してたら2mを越えるような大株になる一般的なアジサイとは、一味も二味も違っています。

耐寒性、耐暑性、共に優れておりますのでね、丈夫で育てやすい品種です。

咲き始めは緑、咲き進むに従って薄緑、クリーム色、やがて真っ白になるのが、アナベル最大の特徴です。
咲き終わったあとはまた緑へ戻っていき、そのまま残っているとベージュ色のドライフラワーになります。

一般にアジサイは、次の年の花付きや本体を休めるためにも、花後は早めに切ったほうがいいとされますが、アナベルは立ち枯れのドライフラワーになるまでそのままにしていても大丈夫です。
他のアジサイと違って、春になると地面近くから新芽が立ち上がり花芽を付けますのでね、前年の枝は短く切り詰めても一向に構いません。
というか、枝は秋になると枯れてしまいますのでね、春先までには刈り込まなくてはいけません。

20~30cmにもなる真っ白な集合花は、まさに「アジサイの女王」の風格だと思うのは、白花好き人間の贔屓目からでしょうかね。

アナベルには他のアジサイたちには無いもうひとつの魅力があります。
アジサイは植えられている場所により、花付きが違ってきます。
雨の季節を彩るアジサイですから、お日さまの加減は気にしないんじゃないかと思われがちですが、実はお日さま大好きな植物で、日向と日陰では花付きが全然違ってきます。
その点アナベルは違います。
日陰でもたくさんの花を付けてくれるんですよ。

アナベルは、陰日向なく咲いてくれる優しいアジサイなんです。  


何故この場所のアナベルを紹介したかったのか
判っていただけますよね
右手奥には、この2倍近くのアナベルたちが連なっています