goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

シアワセをありがとう

2007年09月30日 | 07 花たち


先日「やっと会えたね」のタイトルで紹介したママコノシリヌグイを、再訪してきました。

雨模様の空のもと、マイカーを飛ばしてきました(29日)。

正直な話、ママコだけが目的だった訳ではありませんけどね。
成果のほどは、ありました。追々紹介いたします。


会えましたよ、ママコの開花してる姿に。
低い気温と、時折パラパラと雨が振る曇り空が幸いしたのか、午後3時だというのに花の開いているものに出会えました。

約束を守ることが出来て、よかったです。

  

シアワセなひと時をいただきました。
充分満足しております。

心の隙間を埋めていただきました。
辛い真実や苦しい現実に向うときにも、あなたのことを考えると、なんとか乗り切れそうです。

ありがとう、ママコノシリヌグイさん。



根無し草つれづれ

2007年09月30日 | 07 花たち


多摩川で出会った花、第3弾です。
これが最後です。

出会ってみたいと思ってる花は数々あるのですが、こちらもその上位に位置する花でした。

写真で黄色く見えるのが、今回の主役です。
サイトによると、ラーメンをぶちまけたようだとか、網や布が打ち捨てられたように見えるとか、植物界のエイリアンだとか表現されています。

確かに糸状のゴミが吹き寄せられたように見えましたのでね、決して美しい風景とはいえません。

紹介いたします。


【アメリカネナシカズラ・亜米利加根無葛】ヒルガオ科

北アメリカ原産の帰化植物で、1年草の蔓植物です。
1973年に多摩川で初めて見いだされ、その後急速に全国に広がったといわれております。
日本デビューのかの地で、出会ったことになるんですね。
プチ感激。

飼料や緑化植物の種子が輸入されたときに、アメリカネナシカズラの種子が紛れ込んできたんだろうといわれております。

ネナシカズラという在来種があり、アメリカ産だからというのが名前の由来です。

ネナシカズラ・根無葛とは、名前が示す通り、根の無い蔓性の植物のことです。
その上、葉も葉緑素もありません。
じゃどうやって生きていくのかというと、他の植物に寄生しているのです。
アメリカネナシカズラは、宿主を選ぶことなく、様々な植物に寄生するんだそうです。
黄色味を帯びた細い茎を巻きつけ、吸盤を出して付着し、寄生根を宿主に差し込んで栄養分を吸収していると考えられています。

goro's Diary で寄生植物を紹介するのは、ヤセウツボに次いで2種類目ということになります。

今回出会ったアメリカネナシカズラは、イタドリとチカラシバに絡まっておりましたが、ターゲットにされたお気の毒な宿主さんは、どちらなんでしょうかね?
イタドリは確実に宿主だと思われますが、チカラシバがそうなのかどうかは、少々疑問です。


3ミリほどの小さい花が、蔓のあちこちで咲いてます


果実も出来始めています

根無しとはいいましたが、種子が発芽するときには根があるんですよ。
種子は地中から芽を出し、細い茎を伸ばして、「空気中の化学物質を嗅ぎ分け好ましい宿主の方へ這い寄る」という、恐るべき習性があるんですって。
宿主が決まれば、根は退化し、なくなってしまい、晴れて根無し草になるってことです。


「根無し草」という言葉には、ある種の懐かしさや浪漫を憶える世代です。
フランス語だとデラシネです。辞書を引くと、「故郷を喪失した人」と出てました。
60年代後半から70年代の香りが、プンプンしてきませんか?
そういえば、五木寛之に「デラシネの旗」という作品があったよな。内容は憶えていないけど。

今回アメリカネナシグサと出会ったことで、気付かされました。
根無し草のような生活を続けるということは、誰かを傷つけ、悲しませ、犠牲を強いているんだなってことを。



百日さん、ごくろうさん

2007年09月30日 | 07 花たち



【ヒャクニチソウ・百日草】キク科

9月も今日でお終いです。
今年も4分の1を残すのみ、3ヶ月しかないんですよ。
あぁ、ヤダヤダ。

8月9月と、信じられないような暑さが続きましたが、彼岸過ぎたあたりからは、総体的には凌ぎやすくなってきています。
日毎の気温の変動には、細心の注意が必要ですけどね。
日によって、暑かったり寒く感じたりしますからね。

20℃を寒いといってるのは、いまのうちだけですからね。
20℃もあって暖かかったねという日が、すぐそこに控えているんですからね。

この時期の植物の世界では、夏と秋、季節が混在しています。
猛暑の中頑張ってくれた夏の花たちも、そろそろお勤めを終えようとしてます。

ホウセンカトレニアセンニチコウニニチソウ等、夏の定番花たち、なかには元気な姿を見せてくれている花たちもありますが、秋の花たちに席を譲る日も間近です。

夏花の定番中の定番、ヒャクニチソウの花も、茎が伸びて、株全体が崩れかけていますね。
とはいいつつ、まだまだ咲き続けますよ。
10月になっても、管理さえ上手くいけば花が楽しめます。
100日なんてものじゃありませんね、この花の時期は。

ヒャクニチソウはメキシコ原産で、日本には江戸末期にやってきてます。

街の植栽や、公園の花壇を飾る花としての顔が定着している感がありますが、もともとは仏花として、お墓や仏壇に飾られる切り花として利用されていたんだそうです。
現在でも供花としての需要はありますけどね。

それにしてもヒャクニチソウの世界、凄いことになってますね。
品種改良が進み、5センチほどの小型の花から15センチにもなる大型のものまで、丈も1メートルを越えるような高性のものから、15センチほどの矮性のものまで、咲き方も一重二重八重とあり、花色は青系以外は全てあるんじゃないかと思えるほどです。

夏の間に撮り貯めておいた百日草、遅ればせながらアップします。

  

  

  

    

  

    

  
ダリア咲き


次はジニアと呼ばれることの多いホソバヒャクニチソウ・細葉百日草です。
和名が示すように、ヒャクニチソウに比べると、細めの葉っぱです。

ジニアとはヒャクニチソウの属名ですので、ヒャクニチソウの総称として使われることもありますが、私はヒャクニチソウとジニアを区別してしまいます。

  

  

くすんだ花色のジニアを見ると、ついクレパス画を思い出してしまいます。
麦藁のようなイメージも、重なってしまうんですよ。

クレパスと麦藁、どういう回路で繋がってしまったんでしょうかね。


丸くないのに丸葉

2007年09月29日 | 07 花たち


本日も、フジバカマのお仲間を紹介いたします。

こちらのフジバカマは、本家より一足お先に咲き出しました。


【マルバフジバカマ・丸葉藤袴】キク科

まず名前の説明から。

マルバ・丸葉と名乗っておりますが、葉っぱは丸くはありません。
むしろ細長く尖って見えます。
これは、あくまでフジバカマの葉と比べての話です。
深く三裂しているフジバカマの葉に比べると、尖っているこちらでも丸葉ということになるんですかね。
なんだか紛らわしい命名ですな。

シロバナフジバカマ・白花藤袴の名前で、流通していることもあるそうですよ。

在来種のヒヨドリバナと、遠めから見ると雰囲気が似ています。

北米原産のフジバカマのお仲間です。
いかにも在来種のような名前ですが、帰化植物です。

「1896年小石川植物園で栽培されていた。澤田武太郎氏によると1916年より神奈川県箱根強羅周辺で見られるようになった、強羅自然公園の植栽品から逸出したものと推定されたようである」そうですよ。
そのせいで、箱根では自生しているものが、たくさん見られるんだそうです。

箱根? ひょっとして・・・ もしかしたら・・・
noodlesさんが箱根で出会った「名称不明花」って、このマルバフジバカマだったのかな?

ごめんなさい、2年前に出会って、goro's Diary でも紹介していました。


マイ花マップには、マルバフジバカマの登録は数ヶ所あります。
すべてが公園内ですが、自生しておりますし、年毎に勢力を広げております。
そのうち、街なかにも進出してくるんじゃないかと、そんな予感がします。



ビールの最強の友

2007年09月28日 | 07 花たち


初秋の多摩川で出会った花、第2弾です。

細い蔓が、何本も絡み合っております。

ヤブマメかなと思い近寄っていったら、別の蔓性植物でした。

マメ科の植物には違いありませんが、お目にかかるのは初めての花です。
淡紫色の小さな花が、蔓のあちこちに散漫な状態で咲いています。

ひょっとして、もしかして、ポージィさんのブログで紹介されたことのある、あれかな?
ビールの友の先祖だっていう、あの花かな?

やっぱりそうでした。

紹介いたします。


【ツルマメ・蔓豆】マメ科

この植物が存在していなかったら、日本人の食生活は、いえいえ食文化といってもいいでしょうが、まったく違ったものになっていたでしょう。

決して大袈裟なことを言ってる訳じゃありませんよ。

ツルマメは大豆の原種だといわれています。
ツルマメを改良したものが、現在我々がお世話になっている大豆です。
ちょっと驚きですよね。

大豆無しには、日本人の食生活は語れません。
醤油も味噌も、豆腐も存在していなかったはずですからね。
想像してみてください、醤油や味噌、豆腐が存在しない食卓を。
若い人のなかには、そんなもの無くても平気だってかたいらっしゃるかな?
でもね、年とともに、隠されていたDNAが表に出てくるのは必定です。
湯豆腐の美味しさがわかるには、年齢が必要なんですよ。
経験者の言です。

いまや世界の食文化にも、大豆は関与しています。
アメリカやヨーロッパはいうに及ばず、ロシアのスーパーマーケットでも、豆腐や醤油は必ずといっていいほど置かれているんだそうです。
値段は少々高価なものらしいですが、出汁入り醤油の種類も、日本では見られないほど多いんだそうです。
日本のスーパーに並んでいる、ドレッシング類のような存在でしょうか。
ロシア通のNくんから伺った話です。

日本でも同じようなことがあったのを思い出しました。
マヨネーズやケチャップが、ある日、いきなり家庭の食卓にやってきたんです。
おじさん世代だと、このあたりの経緯は、鮮明な記憶としてあるんですよね。
マヨネーズもケチャップも、初めて食べた思い出が、確かにあるんです。
我が家には、マカロニと同時期にやってきました。
カルチャーショックでしたよ。

マヨラーのみなさんには、どこの国の話ですかってことでしょうね。
昭和30年代の、日本での話です。

世界のどこかの子供たちにも、醤油初体験の記憶は、残っていくんでしょうか。


脱線気味の話を、元に戻しましょう。

   

   

「ツルマメ・蔓豆」との名前は、単純明快です。
蔓(性)の豆ですから。
ノマメ・野豆との別名もあります。

若い実が生っておりましたが、枝豆そっくりです。毛も生えておりますしね。
大きさは3~4cmと小振りです。
まだ莢のなかの実が成長していなかったので、味見とはいきませんでしたが、ほとんど枝豆の味と考えていいようです。

先人たちの努力の積み重ねがあって、小さな実は大きく改良され、ビールの最高にして、最強のパートナーが誕生したんです。
大きな豆、ほら、読んで字のごとく「大豆」の誕生です。

この夏の猛暑のせいで、例年より余計にお世話になったというかた、いらっしゃるはずです。

先人たちの叡智に、深い感謝の辞を述べましょう。