goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

檜扇の姿

2009年07月31日 | 09 花たち



【ヒオウギ・檜扇】アヤメ科ヒオウギ属

goro’s 花 Diary初登場です。

ここにあるのは判っていたのですが、この2年、タイミングが悪くて花時期を逸していましたので、今年こそはと狙っていました。
狙ってた割りにはいい写真が撮れませんでしたが、資料の意味もありますのでね、紹介しておきます。
7月20日の撮影です。

本州以南の日本各地や、中国、インドなどが原産の、常緑の多年草です。
陽当たりのいい山野の野原に生育しています。

草丈50~80㎝ほどと大きく、葉の間から伸びた花茎は、ときに1mにもなることがあるようです。
4~5cmほどの花を次々と咲かせます。
花は朝から開花し、夕方には萎んでしまう一日花です。

元々が山野草ですので、暑さ寒さにも強く、丈夫な植物です。

日本で古くに作られた園芸種で、「ダルマヒオウギ・達磨檜扇」と呼ばれる矮性種もあるんだそうですけどね。
もっと黄色っぽいものや、オレンジの濃い花色のものあるようです。

どちらにしても、マイフィールドでは見かける機会は少ないですね。
こことあと1ヵ所でしか見たことありません。

花びらの内側の濃赤色の斑点が特徴ですが、ピンボケですね。
腕を伸ばしながらの撮影だったので、お粗末な画像しか紹介出来ないのが残念です。

「ヒオウギ・檜扇」との風流な名前は、何重にも重なり合っている葉を、檜扇に見立てたことに由来します。
納得です。

【檜扇】
(1)檜(ひのき)の薄い白板をとじ合わせた扇。衣冠または直衣(のうし)のとき、笏(しやく)にかえて持った。位により板の枚数に差がある。
(2)檜の薄板を色糸でとじた絵扇。貴婦人が礼装時に開き持った。鎌倉時代以降、とじ糸の余りを親骨の上端からたらす風が生じた。衵扇(あこめおうぎ)。
(goo辞書より)

丸い種子が艶のある黒色をしているのをカラスの羽の色に見立て、ヌバタマ(烏羽玉)との別名もあります。
黒、夜、宵、月などの枕詞として使われる、あの「ぬばたま」です。

英名も黒い種子から「ブラックベリー リリー・Blackbery lily」と付けられています。

「ぬばたま」の言葉を生み出すほどの黒い種子なんだろうからさ、是非とも見てみたいよな。
忘れないようにしなくちゃ。

近年アメリカでは、野生化しているのが見られるようになっているんだってさ。


1日に「最強のお姫さま!?」のタイトルで紹介していますが、ヒオウギ繋がりで、こちらの花も見ていただきましょう。


【ヒメヒオウギスイセン・姫檜扇水仙】アヤメ科クロコスミア属

ヒオウギを撮ったのと同じ日、同じ公園内で咲いていたヒメヒオウギスイセンです。
花茎の先端まで咲き進んでいましたのでね、そろそろ終りですかね。

他の場所では、まだまだ元気に咲いているものもありますよ。




7/7

少し前に出会ったヒメヒオウギスイセンの園芸種です。
こちらはかなり濃い赤色です。

7月の花たちは、ヒメヒオウギスイセンに始まって、ヒメヒオウギスイセンで閉めることになっちゃいました。


犬と擬きとタワーのある風景

2009年07月30日 | 09 花たち


毎年のことですが、この時期になると通勤途中の駐車場に、突如として巨大な植物が登場します。
おじさんの背丈は優に越え、2m以上、高いものは2,5mほどありますかね。
側に寄ると、見上げてしまいます。


【イヌキクイモ・犬菊芋】キク科ヒマワリ属

北米原産の多年草で、わが国には江戸時代末期にやってきたのが、今では各地に帰化しています。
わが町でもここ以外に、線路内の土手に帰化しているものが見られます。

同科同属のキクイモは太い芋(塊茎)を食用や飼料として利用するが、こちらは塊茎がそれほど大きくならないので、役に立たないとの意味の「イヌ」が付けられて、「イヌキクイモ・犬菊芋」と命名されました。

キクイモとの区別はつきにくく、葉の色が黒ずむとか、鋸歯が小さいとか、総苞が長くて反り返らないとかの相違点があるようですが、そんなこと言われてもね。
引っこ抜いて芋の大きさを比べれば即決なんて話もありますが、それもどうよってところです。
いちいち引っこ抜くなんて芸当は到底出来ないし、駐車場とはいえ、よそ様の敷地内の植物を勝手に抜くなんて、もってのほかです。

おじさんの見分け方はいたって簡単です。
花時期です。
イヌキクイモはキクイモよりずっと早くに咲き出します。
ここのイヌキクイモの開花は、他の植物同様今年は早かったようですが、それでも例年8月の頭には咲いてますからね。
キクイモのほうは8月の終りか9月に入ってから開花しますので、違い一目瞭然。
これ以上簡単な方法は無いというような見分け方ですが、それで充分事足りています。

なお現在では、イヌキクイモはキクイモが変異したものと考えられ、厳密に分ける必要はないとの意見が大勢を占めつつあります。

ヒマワリをうんと小さくしたような大きさ(6~8cmほどでしょうかね)の黄色い花を、次々と咲かせます。

大きな草丈の先で黄色い花が咲いて、それが風に揺れている風景は、なかなかいいもんんですよ。


【キクイモモドキ・菊芋擬き】キク科キクイモモドキ属

こちらもキクイモに似ていることから名付けられましたが、草丈はせいぜい1mほど、花は5~6cmと小振りだし、株全体の風情もまったく違います。
属も違いますしね。
なにより、こちらには塊茎がありません。
芋も無いのにキクイモモドキとは、これいかに。

イヌとかモドキとか名付けられた植物たちは、いい迷惑です。

「ヒメヒマワリ・姫向日葵」や「ヒメキクイモ・姫菊芋」との和名があります。

子供の頃は、小さいヒマワリと呼んでいました。


イヌキクイモ -タワーのある風景-         


涼やかなり

2009年07月29日 | 09 花たち


出会いのときの予感通り、ここに来てセイヨウニンジンボクを庭先に植えているお宅が増えているのを実感するようになりました。
花の少ない時期ですので、紫の花色は清涼感を運んでくれます。
中休みしながらですが、花期も長いですしね、ありがたい花です。

それに比べると、セイヨウのつかないニンジンボクには、なかなかお目にかかれません。

goro’s 花 Diaryでは、ニンジンボクは同じ固体のものを過去に2度紹介しています。
ただ、2回とも花時期を逸してまして、あまりいい状態のものではありませんでした。

3年前に、「ニンジンボク」とのプレートをぶら下げたこちらの木と出会っていました。

提げられたプレートを見て、頭をひねるような思いもありましたし、何より花時期のタイミングがずれたこともあり、紹介出来ないままになっていました。

今年は開花の時期を見ることが出来ましたので、お披露目いたします。


【ニンジンボク・人参木】クマツヅラ科ハマゴウ属

なんとも涼やかな風情です。
花と葉のバランスが、いいですね。

中国原産の落葉低木(1~3m)で、日本には薬用植物として享保年間(1716~35年)に渡来しました。

果実(牡荊子:ボケイシ)や根の汁液を薬として用い、感冒や去痰に用いたとされた記載がある。
根を切って火にあぶったときに出てくる汁を集めて去痰に用いられていた。


耐寒性もあり乾燥にも強く、痩せ地でも生育可能と言われています。

10~30cmほどの円錐形の花序に、1㎝ほどの紫の小さな花をつけます。
5枚の花びらに見えますが、元では繋がっているひとつの花冠です。
3裂している下唇の中片は幅広で長く、よく見ると紫と白とのツートンカラーです。

セイヨウニンジンボクを見ていただきましょうかね。


【セイヨウニンジンボク・西洋人参木】

花序の花付きはこちらのほうが圧倒的に密です。
花冠の形も違いますし、大きくて、花色も濃い紫一色です。


この葉っぱが曲者なんですけどね。

今回紹介しているニンジンボクの葉っぱです。
プレートを見て頭をひねったのは、こちらの葉っぱです。

何故頭をひねったのか、過去記事でニンジンボクの葉っぱだと紹介しているものを再掲いたします。

全然違うでしょう?切れ込みが深いですよね。
おじさんは特徴的なこの葉っぱこそが、ニンジンボクだと認識していたんですよ。

このふたつが、同じニンジンボクとは思えないような違いです。
違い過ぎますよ。

ニンジンボクと紹介されているを検索画像で見ると、この形の葉っぱのものが多いんだけど、そうでもないものもあるんだよな。

そもそも「ニンジンボク・人参木」の名称は、葉が朝鮮人参の葉っぱに似ていることに由来します。
チョウセンニンジンの葉と言われてもピンときません。
こちらでご覧になってください。
リンク画像を見る限りでは、チョウセンニンジンの葉は、こんなに深く裂けていません。
どちらかと言うと、今回出会った葉のほうが似ています。

「ニンジンボクは鋸歯有り」と書かれているサイトがほとんどですが、今回出会ったものには鋸歯がみられません。
「粗い鋸歯があるがまれに目立たない」とか、「葉には変化が多い」との記述もみられます。

【鋸歯】
植物の葉や花弁の縁にある鋸(ノコギリ)の歯のようなぎざぎざの切り込み(goo辞書より)

こちらはセイヨウニンジンボクの葉っぱですが、スマートだし鋸歯も見られないし、明らかに上のふたつとの違いが判りますよね。
ただセイヨウニンジンボクの葉っぱも、変化が多いんだそうです。
この画像のような形が、必ずしもスタンダードということでもなさそうです。

こんな事情がありまして、情報が錯綜しています。
調べれば調べるほど、ニンジンボクとは何者なんだと、ドツボに嵌ってしまいます。

今回紹介しているのはセイヨウニンジンボクでは無いことは判りますが、ならばニンジンボクでいいのかというと、それもまた判りません。

インドから中国の南部に分布する「タイワンニンジンボク・台湾人参木」なるものが存在します。
こちらは5~8mになる落葉小高木、ニンジンボクやセイヨウニンジンボクより大きくなります。
「葉の縁は全縁またはわずかに鋸歯がある」とのことなんですけどね。

今回出会った「ニンジンボク」は5mほどありましたのでね、ひょっとしたら「タイワンニンジンボク」かもしれません。

さあ、どうする?

くだくだと重箱の隅をつつくようなことを記してまいりましたが、結論はいつもながらの方式でいきましょうかね。

ニンジンボクニンジンボク~~

それ以下でも、それ以上でもない!

蒸し蒸しとしたこの時期に、涼やかな風を届けてくれるニンジンボク~~♪

これで決まりだ。


キューピットの矢

2009年07月28日 | 09 花たち



【オオハンゴンソウ・大反魂草】

キク科の花たち、たくさん咲いていますね。

昨年はキク科の花たちをひたすら追っかけました。
キク科が好きなのかと問われたら、即答できないような存在なのですが、行きがかり上といいますか、義務感になっちゃいましてね、ムキになって追っかけたもんだから、正直疲れちゃいました。
最後は息切れした感は否めないんだけど、それでもかなりの数のキク科の花たちをアップしました。

単独記事でも多くの花たちを取り上げましたし、シリーズと化した「菊の仲間たち」の記事中でも、数多く紹介しました。
いったい何種類を紹介したか、気になりましたので調べてみましたよ。

別にテストでもクイズでもありませんが、花名から花を思い出せるかどうか、試してみませんか。

春の菊の仲間たち  10種
「シュンギク・春菊」「エリゲロン」「カモミール」「ミヤコワスレ・都忘れ」「フランスギク・仏蘭西菊」「キンセンカ・金盞花」「ガザニア」「ヒマワリ・向日葵」「不明花1(ベニジューム)」「不明花2」

初夏の菊の仲間たち その1  10種
「ハナワギク・花輪菊」「マーガレットアイビー」「オオキンケイギク・大金鶏菊」「クラスペディア グロボーサ」「ナツシロギク・夏白菊」「チョコレート コスモス」「キクニガナ・菊苦菜」「ダイヤーズ カモミール」「ハルシャギク・波斯菊」「イトバハルシャギク・糸葉波斯菊」

初夏の菊の仲間たち その2  13種
「セイヨウノコギリソウ・西洋鋸草」「イエローヤロー」「サントリナ」「サントリナ レモンクイーン」「エキナケア プルプレア」「ストケシア」「アーティチョーク」「シロタエギク・白妙菊」「テンニンギク・天人菊」「ヤグルマテンニンギク・矢車天人菊」「名称不明1」「名称不明2」「名称不明3」

夏の菊の仲間たち その1  12種
「ダールベルグ デージー」「イトバハルシャギク・糸葉波斯菊」「タンジー」「アゲラタム」「ユーパトリウム」「ボルドーギク」「キバナコスモス・黄花秋桜」「メランポジューム」「キクイモモドキ・菊芋擬き」「ヒマワリ・向日葵」「名称不明花1」「名称不明花2(ダンゴギク・団子菊)

夏の菊の仲間たち その2  3種プラス
「オオハンゴンソウ・大反魂草」「ルドベキア トリロバ(タカオ)」「ルドベキアの仲間たち」

夏の菊の仲間たち その3  11種
「ダンゴギク・団子菊」「ヒメヒマワリ・姫向日葵」「アメリカオニアザミ・亜米利加鬼薊」「ヒャクニチソウ・百日草」「ホソバヒャクニチソウ・細葉百日草」「シロタエヒマワリ・白妙向日葵」「チトニア」「イヌキクイモ・犬菊芋」「アゲラタム」「ダリア」「名称不明花」

キク科の本番でもある「秋の菊の仲間たち」が無いってことは、
息切れしてしまったとことの証明になりますかね。

goro’s 花 Diary初登場のものもありますし、ダブっているものもありますが、6記事でほぼ60種、1記事平均10種ということになりますね。

名称不明のままアップしたものもあります。
そのうちのいくつかは、読者のかたから教えていただきました。

判明しなかったなかでも、特に気になっていた花がありました。
初夏の菊の仲間たち その2 で紹介した「名称不明1」なんですですけどね。
その花の名前が、つい最近判りました。

何故判ったかと言いますとね・・・

昨年は無かったプレートが、今年は立てられていたからなんです。
同じ公園です、昨年と。

そんな、ねぇ・・・ あんまりだよ。

今年出すくらいなら、去年も出して頂戴よ。
悩まなくて済んだのに。

「キューピット ダーツ」。

ダーツってあれだよね、羽の付いた掌サイズの矢のようなものを、丸い盤めがけて投げて、ささったところの点数を合計しながら、最終的にはどこかの的に当てて上がるという、あれだよね。

詳しく知りたいかたは、
Wikipediaの
「ダーツ」の項目を見てください。


Wikipediaより画像拝借

キューピットのダーツか・・・
可愛い名前ですね。


紹介いたしましょう。  


【カタナンケ カエルレア】キク科ルリニガナ属

地中海沿岸が原産の多年草ですが、高温多湿に弱く耐暑性がないので、日本では秋播きの1年草として扱われているようです、が、この場所では宿根しています。
昨年と同じ株が、今年も元気に育っています。
乾燥に強く、耐寒性も優れているようです。

細長い灰白色の葉っぱはロゼット状で、低い株から30~50cm(生育環境によっては、1m近くまで伸びることもあるようです)の長い花茎を伸ばし、頭頂に花径3~5㎝ほどのブルーの花が咲きます。

あれ、プレートに書かれていたのと名前が違ってるんじゃないのって、そう思ったかたいらっしゃいますよね。
「キューピット ダーツ・Cupid's Dart」は英名です。
花姿を、ダーツの矢に見立てたんでしょうか。

正式には「カタナンケ カエルレア」のようです。
学名の「Catananche caerulea」のカタカナ表記ですね。
単に「カタナンケ」とか、属名の「カエルレア」で流通していることもあるようですけどね。

カタナンケ カエルレアか・・・
う~ん、まず憶えられないだろうな。無理だ。

「ルリニガナ・瑠璃苦菜」との和名があります。
ニガナの花に似ていて、青い花を咲かせることに由来します。
葉や茎を傷付けると、ニガナ同様白い乳液が出るそうです。

この花色はなんとも魅力的です。
同じくブルーの舌状花だけの花に「キクニガナ・菊苦菜」こと「チコリ」がありますが、カタナンケ カエルレアのほうが紫っぽい花色ですかね。
花姿はカタナンケのほうがすっきりしています。

花弁や萼はカサコソとした感触で、葉っぱも変化しにくいことから、ドライフラワーとしての需要もあるんだそうですよ。


只今、ご贔屓

2009年07月27日 | 09 花たち



【ハナトラノオ・花虎の尾】シソ科ハナトラノオ属

開花し始めたものを紹介したばかりですが、やっと出会えた白花のハナトラノオですのでね、見られるうちに見ておこうと思いましてね、あの後、2回行ってきました。
を見たあの日と、もう1回。

贔屓していることは確かなんだけど、
強迫観念チックな、何かもあるんだよね。
後何回かは、見に行くだろうな。

順調に咲き進んでいました。
今しばらくは楽しめそうですね。


それと、ついに、こちらも咲き出しました。



早いでしょう?まだ7月ですからね。

あちこちで勢いよく花茎が立ち上がっているのは目に付くようになっておりますが、開花の気配はまだありません。

そう言えばここのハナトラノオは、マイフィールド中、昨年もいちばん乗りでした。
それでも8月になってからだったんだけどな。


ハナトラノオとはな~んも関係ないけど、こちらの花も紹介しておきます。


【キンミズヒキ・金水引】バラ科キンミズヒキ属