5月は○○ウツギと名乗る花木たちが、数多く咲きます。
卯の花は、文字通り卯月（5月）の花だということがよくわかります。
先日は、「白い花木たちⅣ」としてウツギの仲間たちを紹介いたしましたが、今回は白以外の花色のもの、ピンクのウツギを中心に紹介いたします。
ウツギとは、近縁のものから見ていただきましょうか。
【サラサウツギ・更紗空木】ユキノシタ科ウツギ属
以前マイフィールドには、これといったサラサウツギの木が無かったので探しておりましたが、この2年の間に伺うようになった公園で、数本のサラサウツギを見ることが出来るようになりました。
何より、近間で見られるようになったことが嬉しいですね。
素敵な響きを持った「サラサウツギ・更紗空木」の名前は、花びらの外側を彩る薄紅模様を、更紗模様に見立てたのが由来です。
八重咲きの内側の花びらは、白です。
【シロバナヤエウツギ・白花八重空木】ユキノシタ科ウツギ属
初登場ですが、出会ったとき、これはサラサウツギの更紗模様の無い白一色のものだと思っちゃいました。
花色以外は、サラサウツギそのもでしたのでね。
それもそのはず、サラサウツギとシロバナヤエウツギは、兄弟と言ってもいい間柄でした。
サラサウツギもシロバナヤエウツギも、園芸種として人工交配させて作った品種だと思っていましたが、どちらもウツギの変種で、自然に変異したものだそうです。
日本各地の山野に自生しているそうですよ。
整理しますと、一重のウツギの変種に「ヤエウツギ・八重空木」があり、「ヤエウツギ・八重空木」には「サラサ・更紗」と「シロバナ・白花」があるということです。
シロバナヤエウツギは、サラサウツギほどは見かけませんね。
【ウツギ アップルブロッサム】ユキノシタ科
こちらは園芸種です。
鞠状の集合花から、「ピンクポンポン」との別名というか、愛称があります。
言い得て妙です。
「セイヨウバイカウツギ」の改良種と書かれているサイトを見かけますが、何せ情報が少ないので、参考までにということで。
葉を見ると「ウツギ属」としか思えないんだけど、「バイカウツギ属」の可能性もありますのでね、属の欄は空白にしておきます。
【ウツギ ロザリンド】ユキノシタ科ウツギ属
こちらもウツギの園芸種です。
「ロザリンド」としておりますが、かなりあやふや情報です。
「マギシェン」という、もっと濃い紅色品種もありますが、「ロザリンド」がいちばん近いように思いました。
スイカズラ科にも、○○ウツギと名乗る仲間がいます。
【コツクバネウツギ・小衝羽根空木】スイカズラ科ツクバネウツギ属
黄色いウツギは珍しいですよね。
本州の中部以西に自生する落葉低木です。
花色はもっと白いものなど、多様です。
ツクバネウツギ（未見です）の仲間で、花が小振りなところから「コツクバネウツギ・小衝羽根空木」と命名されました。
【アベリア エドワードゴーチャー】スイカズラ科ツクバネウツギ属
生垣などに使われる「ハナゾノツクバネウツギ・花園衝羽根空木」、通称「アベリア」の園芸種で、常緑低木です。
白花のアベリアより、一足先に開花します。
【ハコネウツギ・箱根空木】スイカズラ科タニウツギ属
ひょっとしたら、東京でいちばん見かける○○ウツギは、こちらのハコネウツギなんじゃないかと、そう思います。
公園樹としてはもちろん、道路脇の植栽や個人の庭でも見かけます。
2～3mと、ウツギの仲間としては大きくなるほうですが、毎年強剪定を繰り返して1m以下の高さに抑えても大丈夫です。
この丈夫で育てやすいことが、あちこちに植えられている理由でしょうね。
白からピンク、濃い紅の花色が、同時に見られます。
一般には、咲き始めが白、咲き進むにつれて紅色に変化していくと言われていますが、最後まで白、最初から紅色のものもあります。
06年5月24日の記事より再掲
今年は見ていませんが、「シロバナハコネウツギ・白花箱根空木」と呼ばれる、色が変化しないものもあります。
「ハコネ・箱根」と名乗っておりますが、箱根には自生種が無いとの説が有力で、勘違いから名付けられたと言われています。
過去記事では、ハコネウツギの斑入りと紹介していることもありましたが、「タニウツギ」の斑入りと言ったほうが正解なのかな。
この3年間、ウツギの仲間たちを纏めなくてはと思いつつ、100万の言い訳を繰り返して、結果的には紹介出来ないでおりました。
これから咲くノリウツギやブッドレアなど、ウツギの仲間はまだまだありますが、取り敢えず今回の記事で、09年のウツギたちは区切りを付けることにいたします。
マイリビングのハコネウツギたちです