goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

赤江瀑の花

2007年06月30日 | 赤江瀑



自筆の書の前で

26,27日の2泊で、赤江さんが上京しておりました。
05年の6月以来ですので、ちょうど2年振りというになります。

今回の上京の目的は、昨年暮れから連続して発売された作品集の、打ち上げ会のような位置づけでしょうか。
各出版社の担当編集者のかたたちが、赤江さんを囲んで一献傾けるというくらいの、きのおけない慰労会でしょうかね。

それにしても昨年の暮れからの赤江本の発行数は、近年稀にみる量でした。
12月から4月まで、5冊連続発売です。
7月には学研新書の発売も控えておりますからね。

既刊の5冊を、ネット上にアップされている画像を拝借して紹介いたします。


06 12月 学研M文庫


07 1月 光文社文庫


07 2月 光文社文庫


07 3月 光文社文庫


07 4月 徳間書店

こうやって並べてみると、壮観です。

上記4冊は、過去に発表されているものを編集したアンソロジーです。
赤江ワールドを、かなりの部分カバーしております。
3冊の光文社文庫の表紙は、オリジナルのイラストです。
どの作品が描かれているかは、赤江さんのファンのかたなら、一目でわかります。
例えば「禽獣の門」には、プラス「熱帯雨林の客」とかね。

改めて拝読すると、赤江文学の持つ魔の世界を享受できるシアワセに、酔い痴れてしまいます。
赤江教の信者にとっては、初めて作品を手にしたときの妖しい期待感を、追体験出来るのです。
過去にも何度も経験していることですが、その都度繰り返される至福の時間こそ、赤江文学に魅せられた人間の喜びであり、宿業でもあるのです。

赤江瀑ラッシュとも思えるこの時期に、新しい読者が増えて、正しい赤江教の信者になって欲しいですね。

「狐の剃刀」は、ファン待望の新作単行本です。
問題小説に掲載された8本の短編を収めた作品集です。

「キツネノカミソリ・狐の剃刀」というタイトルが、嬉しかったです。
花を追っかけているおじさんにとっては、ピンとくるタイトルなんですよ。

もともと赤江さんの小説には、「花」という文字を含んだタイトルが数多くあり、作中にも数多の花が登場しております。
噎せ返るような京都の庭を描いた「花夜叉殺し」は、今回連続発売された光文社文庫の、第1弾のタイトルにもなっておりますしね。

今回は作品について語るつもりもありませんので、エピソードをひとつ。


「赤江さんは、何の花が好きなんですか?」

無礼丸出し、これ以上の直球は無いだろうというような質問してみました。

花ブログをやってる人間として、聞いておきたかったことではあるのです。
過去にも赤江さんとの会話のなかで、花が話題になることはあったのですが、ご本人が好きな花については伺ったことなかったのでね。

こちらとしては、ある答えを想定していたんですがね。
見事に裏切ってくださいましたよ、赤江瀑は。

「シュウカイドウは、わりと好きですね」

シュウカイドウ・秋海棠ですか・・・

同席していた編集者のかたには、シュウカイドウがどんな花かわかった人はいなかったでしょうね。
私にしても、かなり意外な花を出してきたなと思いました。
まさかシュウカイドウが出てくるとは、ほんとに驚きです。
赤江さんならあの花かなと思われる候補は、思いつくんですよ。

確かに今回の作品の「狐の剃刀」のなかにも、秋海棠は出てきているのです。
因みに、キツネノカミソリ、フクジュソウスズランエニシダ、レンゲツツジ、キョウチクトウ、そしてシュウカイドウが、作品のなかに出てきます。
この七つの花に流れている通奏低音がわかったところに、作品の落としどころが用意されています。

だからといって、好きな花がシュウカイドウだという赤江さんの答えの意外性が、すんなり納まったということではありません。

実は私が意外に思ったのは、好きな花がシュウカイドウだったということも、もちろんあるのですが、好きな花は何かという質問に、赤江さんの口からすんなり答えが出てきたことのほうにあります。
きっとあれこれと花の名前をあげて、ひとつの花には絞れないというのが、赤江さんの答えかなって、そう思っておりました。
拍子抜けするくらいの速さで、シュウカイドウという答えが返ってきましたのでね。
いやいやビックリでした。

シュウカイドウの花、goro's Diary には、未だ登場したことはありません。
お仲間の「木立ちベコニア」は登場しておりますがね。
どれどれ、この秋、いや夏場には、シュウカイドウの花でも探してみましょうかね。

赤江瀑の作品の登場する花たちを追っかけるのも、おもしろい企画になるだろうな。
まあ、時間との兼ね合いってことですかね。
どっちにしても、しばらくは無理でしょうが。

(上記、各花の名前をクリックすると、goro's Diary でアップしたそれぞれの花たちのページへとリンクしております。クリック出来ないものは、未だ出会いの無い花たちです)


7月11日付けで発売される学研新書は、こちらです。

創刊されたばかりの学研新書の、第2弾のラインナップの1冊です。

発売前に読ませていただきましたが、なかなか面白い内容でしたよ。

過去を含め、歌舞伎の入門書は数々出版されておりますが、『赤江瀑の「平成」歌舞伎入門』のタイトルの示す通り、「赤江瀑」であり「平成」であることが、この本を普通にある歌舞伎入門書とは、一味も二味も違った歌舞伎の世界を垣間見させてくれます。
それなりの毒も、あちこちに潜ませておりますしね。

赤江さんにとっては、新書での書き下ろしは初めてのことです。
新書という媒体の特色を考えてみたときに、「平成」と、括弧付きの平成を挿入したことで生まれたであろう制約が、昭和歌舞伎の世界を熟知している赤江さんにとっては、かえってよかったような気がします。
ある意味、手枷足枷状態だったはずです。
だからこそ生まれた赤江瀑の世界があると、私は思います。

こいうタイプの赤江瀑の作品も、なかなか面白いです。
このラインなら、まだまだ企画が生まれそうですよ。

今回は2泊だけの東京でしたが、京都を回って帰られるそうですよ。

相変わらずお若いですね、赤江さん。
昭和一桁生まれとは、とても見えません。

畢竟の大作、お待ちしておりますよ。



奇蹟の花、そして・・・

2007年06月29日 | 07 花たち

一昨年初めて出会い、その存在に大感動した花が、今年も咲いてくれました。

四谷、大木戸の宝」で紹介したあの花です。

カメラの機能の問題もあって、一昨年はたいした画像がアップ出来ませんでした。
昨年は花時期を逸してしまい出会えずじまいだったので、今年こそはと待ちかねておりました。

今回も満足出来る画像というほどのものではありませんが、カメラが変わったことと、この2年間で学んだ写真のテクニックを駆使して、なんとか見られるくらいの写真にしてみました。



【ジャカランダ】ノウゼンカズラ科

過去記事では「ジャラン」と表記しておりますが、「ジャカランダ」が正式名のようです。

この木はかなり大木なんですよ。
見上げるようにして撮っておりますから、建物との比較が正確には伝わらないかもしれませんが、2階建ての屋根より高くまで伸びてます。
7~8メートルはあるのかな?

はがゆい画像ではありますが、これが現在私の出来るテクニックの限界です。
でもなんとなくではありますが、花の様子はわかっていただけるでしょう? 
2年前の画像のことを考えれば、もう充分です。

花が桐に似ているところから、「キリモドキ・桐擬き」という別名があるようです。

ジャカランダは、世界三大花木といわれています。
因みに他のふたつは、カエンボクとホウオウボクです。どちらも未見の花です。
興味のあるかたは、検索してみてください。

(日本人だからということは差し引いても、どうしてサクラ、そのなかでもソメイヨシノが三大花木にはいらないんでしょうか?カエンボク、ホウオウボクに比べても、遜色ないどころか、存在感は上のように思うけどな。まあ、三大花木という概念そのものが曖昧だとも思うけどさ)

南米が原産のようですが、「熱帯のさくら」ともいわれ、北米、オーストラリア、ヨーロッパ各地で素晴らしい並木を形成し、愛され楽しませているようです。

検索すると、木全体が花で覆われ、あたかも日本のサクラの開花時のような華やかさのある画像が、たくさん見られます。
かの地では、花が咲いた後に葉が出てくるとの記述があり、それもサクラと同じですね。

マイ「ジャカランダ」は、葉に隠れるようにして、ポツポツと花を確認出来る程度ですものね。
でもこれだってかなり凄いことなんですよ。
ジャカランダの花を東京のど真ん中で見られるなんて、奇蹟だって言ってたもん。

実は四谷の奇蹟以外にも、もう1本のジャカランダの木を見つけていたんです。
この春から通っている公園です。
名札がかかっておりましたのでね、公園に伺う度に気にしていたんです。

四谷のジャカランダの開花を確認したあと、訪ねてみました。



ね、奇蹟だって書いてあるでしょう?
おじさんひとりが舞い上がっているわけじゃないんだから。
そのくらい珍しい花だってことです。

どれどれ、こちらのジャカランダの花を拝見してみましょうかね。
 

まだまだ若い木なんですよ、こちらは。
3メートルほどの高さでしょうか。

そこにたったひとつの固まりですが、ちゃんと咲いておりました。

若いジャカランダの木に初めて咲いた花です。

最初はひとつの花序だけでしたが、来年、再来年と、花序の数を増やしてくれることを期待しましょうよ。

ジャカランダには、白花や斑入りのものもあるそうですよ。

ブログ友だちのちょびママさんが、松山で咲いたジャカランダの花をアップなさってます。
花の様子が仔細にわかるアップ画像もあります。
是非ご覧になってください。


そしてです、こんなものを見せていただきました。
今日(28日)です。

ジャカランダの実です。

どうしても気になっている花が見たくて、蒸し暑いなか、マイカーを飛ばして行ってきたんです(成果ありました)。
公園で花の管理をしているお姉さんが通りかかったので、ジャガランダについて話をしていたら、ご覧になりますかって、見せていただいたのです。
ブリスベン在住のかたから、送っていただいたんだそうです。

長いほうが7~8センチほどある大きさです。
ジャカランダの花は、4~5センチの大きさなんですよ。
それを考えると、とても大きな実です。
それにかなり固いです。

その殻のなかに薄いオブラート状の種子が、たくさん入っています。
発芽はいいほうだそうですよ。

東京で花が見られただけでも奇蹟なのに、種子まで見せていただけるなんて、ワクワクでした。
これって物凄く恵まれているってことですよ。

このシアワセ、みなさまにも届きましたかね。


青いあおいの花

2007年06月28日 | 07 花たち



【ブルーハイビスカス】アオイ科

涼しげな青い花です。

昨年初めて出会ったときは、アオイ科の花だろうなとは思いましたが、名前にまでは辿り着きませんでした。
その後「ブルーハイビスカス」だとわかったのですが、ちょっと拍子抜けしちゃいました。
花や葉、株全体の印象からでは、ハイビスカスとは結びつかなかったのです。
南国の花を代表するハイビスカスの花とは、かなり趣が違います。

(一昨年のハイビスカスのコレクションはこちらです。)


それもそのはず、ハイビスカスと名乗ってはおりますが、こちらの「ブルーハイビスカス」は「アリオニゲ属」、いわゆる「ハイビスカス」は「フヨウ属」(「ハイビスカス属」ということも有り)です。

花も小さいし、花びらも繊細ですし、葉もまったく違ってますし、樹高も高いです。
僅かに蕊がハイビスカスに似ているかなってくらいです。

オーストラリアが原産地です。

東京でも冬越し可能なようですが、湿気には弱いようですね。

ブルーハイビスカスの最大の魅力は、なんてったてこの花色にあります。
青い花には独特の魅力がありますが、ブルーハイビスカスの青色も、清涼感を醸し出しておりますよ。

ライラックハイビスカスという別名もあるのですが、これも花色からきております。




幻、赤い酒 ‐赤い実同盟レポート‐

2007年06月27日 | 「赤い実同盟」

「赤い実同盟」の活動、休んでいたわけではないんですけどね。
そこそこの成果もあげていたんですが、春盛りと咲き出して花たちに追われ、そうこうしているうちに夏の花たちも咲き始めてと、ゲットした赤い実さんたち、倉庫に眠ったままになっておりました。

機を見て紹介していきましょう。

まずこの赤い実から。
(名前をクリックすると、花の画像にリンクしています)



ニワトコ・接骨木・庭常】スイカズラ科

昨年は赤い実の時期を逃してしまい、出会えずじまいでした。
その理由も、なんとなく理解しましたよ。

今年こそはと、マイ花マップに3箇所あるニワトコの木を、折に触れチェックしておりました。

ということで、「赤い実同盟」の新会員さん登場です。

花が咲いていたのが4月の頭、この赤い実の撮影が、5月23日です。

1粒の大きさが3~4ミリでしょうかね。
小さな可愛い赤い実です。

古来ヨーロッパでは、赤い実を発酵させてエルダーベリーワインを作っているそうです。
ワインはともかくとして、果実種にするとおもしろいかなと思っておりました。

ところがこの赤い実たち、あっという間に姿を消してしまいました。

考えられることはただひとつ。
鳥さんたちに先を越された模様です。
昨年出会えなかったのも、このせいじゃないかと思います。

もっと全体が熟れてから採取を、なんて思った私がバカでした。

少々青い実が混じっていようが、見つけたら即採取すること。
今年得た教訓です。



罌粟。芥子。ケシ。

2007年06月27日 | 07 花たち

前の記事でヒナゲシ?を紹介いたしましたが、今回も街角で見かけたケシ科の花たちを紹介いたします。

ケシの花の品種の特定、私にはイマイチよくわかっておりません。

「ヒナゲシ」「アイスランドポピー」「オニゲシ」のなかのどれかだと思いますが、今回は純粋に花をお楽しみください。


小さな公園の花壇に植えられていました。
赤い花を中心に植えられておりましたが、白とピンクの花が適宜混じっていて、繊細な花びらが茎ごと揺らぎ、なかなか素敵な雰囲気を醸し出しておりました。
ということは、撮影者泣かせということでもあります。

一輪だけの世界も素敵ですが、この手の繊細な花たち、そこそこの数があると、それだけで世界が出来上がります。
新宿の街角が、中世ヨーロッパの田舎に突然変わります。




茎がしっかり立ち上がり、1メートル越えているものもあり、花も大きかったので、【オニゲシ・鬼罌粟・芥子】(別名、オリエンタルポピー)の可能性大です。

こちらにはヒナゲシの繊細さより、ケシの力強さを感じます。
勝手な尺度で判断してますので、お気に留めなさらないように。




こちらのケシは、花びらの根元にある黒い斑点が特徴です。
30センチほどの高さです。

虞美人草とはケシの別名ですが、こちらの花を見ると、中国の美人のことをイメージしちゃうんですよね。
これも勝手な妄想です。


【アザミゲシ・薊罌粟・芥子】ケシ科

こちらは名札がありました。

薊に見紛うような葉に罌粟の花が咲くことから「アザミゲシ」です。

江戸末期に、北米から薬用植物としてやってきたようです。

白花もあるそうです。


ケシの実ですよ。

「オニゲシ」じゃないかと思っているものの実です。

河童以外思いつかないんだけど・・・

ケシ・罌粟という名前は、こちらの実から付けられたようです。

罌粟(ケシ)とは漢名で、実の形が罌(もたい)とよばれる甕に似ていることと、種子が粟(あわ)に似て小さな粒だからということに由来してます。    

芥子は和名なんでしょうかね。
罌粟も芥子も、どちらもケシです。

私は適当に使い分けします。
雛罌粟とか鬼芥子とかね。 

「ナガミヒナゲシ」の実です。

上のケシの実と比べると、長いことがわかりますよね。

「ナガミ(長実)ヒナゲシ(雛罌粟)」という名前を命名されたのは、この長い実からだということがよくわかるでしょう?

地中海からやってきたナガミヒナゲシの花、凄い勢いで勢力拡大しておりますよね。