goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

縁起物の花

2007年11月30日 | 07 花たち



【キチジョウソウ・吉祥草】ユリ科

今年もキチジョウソウの花を見ることが出来ました。

キチジョウソウが花を咲かせるのは珍しいことから、この花が咲くと吉事があるとか、慶事のあった家に咲くとかの伝説があります。
辞書で「吉祥」を引くと、「めでたいきざし、よいしるし」と出てます。
吉祥(めでたいしるし)の花が咲く(植物)」というのが、名前の由来です。

ただこれは単なる俗説だと、ばっさり否定されています。
滅多に花が咲かないということについて、各サイトから異論の声があがってます。

事実、マイ花マップのキチジョウソウは、毎年花を咲かせます。
環境さえ整えば、毎年でも咲くということでしょう。

でもまあ、この手の話はよくあることですから、目くじら立てず、先人たちが伝えてきた縁起話を、素直に受け入れましょうよ。
シアワセが訪れるというキチジョウソウの花ですから、出会えたことをよしとしましょう。

といいつつですよ、毎年キチジョウソウの花との出会いを果たしているおじさんですが、一向に吉事はやってきませんね。
吉事どころか・・・   ほんとにね。

自分で育てている訳じゃないからかな・・・
少しくらいのおこぼれがあってもいいんじゃないのかい、ブツブツブツ・・・

カンノンソウ・観音草、キッショウラン・吉祥蘭という別名も、縁起物めいています。

見た目だと、葉には多少の柔らかさが感じられますが、ヤブランやノシランの仲間なのかなと思ってしまいます。

ただキチジョウソウはユリ科キチジョウソウ属で、1属1種の常緑多年草です。
お仲間のいない、孤高の花ということになります。

キチジョウソウは10~15センチの花茎に、両性花と雄花の両方が咲くのだそうです。
両性花が下部から咲き始め、先端に雄花をつけるようです。
この写真を見ると、先端に咲いている花にも赤紫の花柱が見てとれます。
アップしてる他の画像には、雄花らしきものも写っていますが。

すべてが両性花だけの花茎に出会ったことが、おじさんへの吉事のお裾分けだったりしたら、ちと悲しい・・・

探し求めて出会った赤い実は、←こちらでご覧になってください。



冬咲く茱萸

2007年11月29日 | 07 花たち



【ツルグミ・蔓茱萸】グミ科

ツルグミがgoro's 花 Diary に登場するのは初めてです。

過去にも何度か書いてきましたが、出会って初めて、この花知ってるというものが数々ありましたが、このツルグミもそんな植物のひとつです。

冬場、山の雑木林のなかに入ると、出会っていたんです。
ただ花に見覚えがあるかと問われたら、頭をひねっちゃいます。
実にも憶えが無いんですよね。

じゃあどこに憶えがあるのかというと、この姿です。
側にある木々に、寄りかかったように枝を伸ばしていました。
夏場だ目立たないんだけど、回りの木々が落葉しているのなかで、青々としたツルグミの姿が、記憶されていたんですよ。

ツルグミは常緑の蔓性植物です。

初夏に赤い実を届けてくれるトウグミ、ダイオウグミなどは落葉低木ですが、ツルグミやナワシログミは常緑低木です。

今回調べてわかったことは、ツルグミ・蔓茱萸の名前の由来にもなっている「蔓性のグミ」ですが、とはいっても「通常のツル植物のように巻き付いたり気根で付着することはせず、所々にある棘で引っかかる程度」なんですって。

だからかな、あまりゴチャゴチャした感じはしなくて、伸びた細い枝が、スッキリとした様子に見えるのですかね。

花は、他のグミの仲間たちと同じく、渋めの色合いです。
白っぽい地に褐色の斑点があります。

ツルグミに限らずグミ属の花には、花びらがなく、花びらに見えるのは萼です。
萼は筒状に変化しして、先端に4枚の萼片がついています。

初夏に赤い実が熟しますが、あまり美味しくないという記述がありました。


沖縄では"かぼく"とよばれ、枝葉を泡盛に漬け込んだエキスは、高齢者特有のシミ(老人斑)を取り除くなどの効能で知られています。

高齢者特有のシミ・・・  お迎えぼくろ・・・
年相応にありますよ、おじさんにも。
無駄な抵抗はしない主義です。


ともあれ、花の少ないこの時期に咲き出してくれるツルグミに、感謝です。



真弓さま ‐赤い実同盟レポート‐

2007年11月28日 | 「赤い実同盟」



【マユミ・檀・真弓・檀弓】ニシキギ科

果実が赤く姿を変えた途端、存在を主張する樹木たちがありますよね。
こんなところに、こんな木が植えられていたのかって。
大木ならそれだけで存在感がありますが、潅木系だとことにそんな傾向があります。

マユミも、そんなお仲間です。
5月頃咲く花も地味だし、姿にも目を引くような個性があるわけでもなし、赤い実になってようやっと目が行くようになります。

マユミの木、ご近所にありますか?
おじさんの周りでマユミの木を植えているお宅、見かけません。
今では様々な園芸樹たちに押され気味のようですが、マユミの木は古くから日本人に愛されてきたんですよ。
庭木や盆栽など、人間の生活の場で共に生きてきた植物です。

街なかで見かけることは滅多に無くても、公園だとそこそこの頻度で見かけることが出来ます。

潅木系とはいいましたが、落葉低木、または小高木に分類され、3~5メートル、大きいものは10メートル近くにまでなるものもあるようです。

材質は強く、よく撓るので、弓の材料として使われたのが名前の由来です。
マユミ・真弓とは、真(しん)の弓、まさにこれぞ弓ってことですから。

現在でも材の強さを利用し、印鑑、櫛、こけしや将棋の駒などの材料になっているそうです。

このピンクの外皮に包まれた赤い実こそが、マユミが愛され続けてきた理由のすべてでしょうね。

砂糖菓子のようなピンクの外皮が裂けて、朱色の実が顔を出します。
果実は、昼間開き、夜は閉じるを繰り返し、赤い実がぶら下がってくるともう開閉はしなくなるんでしょうね。
その後は、鳥さんたちのお世話になって、遠くに運ばれていくんでしょうか?

赤い実って言ってきましたが、この赤い部分は仮種皮で、ほんとの果実は黒いんだそうです。

名前といい、ぶら下がった赤い実の姿かたちといい、なんとも可愛いマユミちゃんですが、実は有毒植物です。

マユミの実を食べると、吐き気、下痢、虚脱症状などを起すそうです。
有毒な成分は、赤い仮種皮の部分に含まれています。
新芽は、隠れた山菜といわれるくらい、美味しいらしいんだけどね。

毒を持つ小悪魔たち、どこの世界にも存在します。
気を付けましょうね。

無責任に、鳥さんがどうしてって書いちゃいましたが、有毒な赤い実を食べる鳥は、いるんでしょうかね?




ピンクの濃淡のマユミは見たことはあったのですが、今年はこんなおかたとの出会いも果たしましたよ。

真っ白なマユミちゃんです。
ピンクのマユミちゃんは文句なく可愛いですが、こちらのマユミちゃんには、可愛さとともに、純潔さを重ねてしまいます。

とはいいながら、出て来た仮種皮は赤でした。
やっぱりあなたも、毒をお持ちなのですね。

当たり前か・・・



磯辺の野菊

2007年11月27日 | 07 花たち


拙いブログですが、続けていると思いがけない反応が帰ってくることがあります。
昨年のことです。

「goro's Diary で紹介されてた花、近所にありましたよ。面白い花ですね」
この一言なんですがね。

きっと彼女には、名前は憶えていなくても、この花の存在は記憶されたことでしょうね。
花を紹介しているおじさんには、こんなことが嬉しいのです。


【イソギク・磯菊】キク科

先日noodlesさんのブログに、早々にイソギクの花がアップされているのを拝見して、開花の時期になったのを教えていただきました。
マイ花マップ登録のイソギクは、しょっちゅう観察出来る場所ではないので、先週末、遠回りをして覗いてきました。

ところがマイ花マップのイソギクは、まだ咲いておりません。
蕾の先に、少しだけ黄色の花が見てとれる程度でした。

秋に咲くキク科の花たちは、ほとんどが短日性植物です。
短日性とは、日照時間が短くなるにつれて咲き出す性質です。
だから開花時期が大きく変わることは無いはずなんだけど、都会の光が影響しているのかななんて、おじさん、いつもの思い込みに浸っていたんです。

でも同じ日に、別の場所でイソギクに出会いましたよ。

「磯に咲く菊」で【イソギク・磯菊】でしょうね。

名前からもお分かりでしょうが、イソギクは先に紹介しましたダルマギクハマギクに続き、海辺で生きるキクのお仲間です。

ダルマギクは本州から九州の日本海側、ハマギクが茨城から青森の太平洋側の海岸線、そしてイソギクは、千葉県の犬吠崎から静岡県の御前崎に至る海岸の崖地に自生しているそうです。

その他には、紀伊半島にシオギク、高知から愛媛の太平洋岸にノジギクやアシヅリノジギクなどの自生地があるようです。

日本の海岸線には、その環境にあった野性菊たちが、住み分けて存在しているのです。

イソギクの特徴は頭花に、舌状花が無いところです。
見なれた菊の花の、花びら(舌状花)が無いように見えますでしょう?
大きさが5~6ミリの筒状花だけの集合花です。

葉の回りが白く縁取りされているようにみえるのが、イソギクのもうひとつの特徴です。

裏から見ると、あたかも銀葉植物のように見えます。
葉っぱが厚めで、葉裏や茎には白い毛が密生しているせいです。
これは、ダルマギクやハマギク同様、生育環境の厳しさへの対応です。

この白い毛が裏からはみ出したのが、葉っぱの白い縁取りの正体なのです。

リュウノウギク同様、おじさんはイソギクの香りも好きなんですよね。



秋色マイリビング

2007年11月26日 | つぶやき…



欅の紅葉 代々木公園

昔から、お酉様を迎えると本格的な寒さがやってくると言われています。
事実今年も一の酉以降めっきり寒くなり、季節は一気に冬に突入していましたからね。
慌てて暖房器具を引っ張り出し、冬用のジャンパーに着替え、既に帽子、手袋は着用しておりましたが、そこに毛糸のマフラーが加わってと、サイクラーとしての装備万端、一歩寒さに向った装いに衣替えです。
晩酌の焼酎も、水割りからお湯割りに変わりました。

でもこの三連休は比較的穏やかな天気に恵まれました。
昨日は殊に暖かくて、過ごしやすい一日でした。
1ヶ月ほど逆行した気温にも恵まれ、寒さも一休み、風も無く小春日和そのものの陽気でした。
遠出のこともよぎったりしたのですが、因縁があっておじさんのもとに届いた一冊の本がありましたので、マイリビングで読書タイムです。
読了は出来ませんでした、1時間しかありませんでしたのでね。

何故読書タイムが1時間しかとれなかったかといいますとね、出かけた時間も2時半と遅めだったことと、リース素材の採集をやっていたからなのです。

そんな季節になっていたんですね。
お気軽簡単リースは先日も作りましたが、おじさんとしては、季節を切り取る程度のお遊びだったのですが、世間はすっかりクリスマスバージョンです。

先日goro'sでK坊と話をしてて、「リース作ってよ」「いいよ」ってことになりましてね、そこからクリスマスリースバージョンに切り替わりました。

リースを作る上で、いちばん大変なのは何だと思いますか?
面倒臭いし時間もかかるし、でもここをしっかりやっておかないと、結果的には満足のいくものに仕上がらない部分は、土台作りなんです。
基礎作りが大切なことは、リースに限ったことではなく、すべての場合に当てはまることです。
ほとんどが円形で作られるリースですが、おじさんの場合は、ひたすら蔓を巻きつけるのが基本です。

蔓性植物はいろいろありますが、リースの土台で使えるものには、そこそこの強度が必要です。
パーツの重みで変形してしまようでは、心許ない限りです。
今年はエビヅルの蔓が手に入りましたので、先週は土台作りにいそしんでおりました。

土台にメドがつきましたので、飾り付ける素材を採集です。
昨年集めたものが数多くありますので充分事足りますが、赤い実は今年のものでないと駄目です。
赤色は色褪せてしまいますのでね、使い回しがきかないのです。

イイギリの実をゲットしてきました。

それと、今年最初のシダーローズも見つけてきましたよ。
愛しの薔薇たちが舞い降りる季節に、今年も突入しました。

昨年のおじさんは、狂気走ったように拾い尽くしましたのでね、今年はライバルさんたちに譲ることにいたします。

シダーローズファンのみなさん、いつか薔薇拾いツアーを企画したら、参加していただけますか?
自分の手で、魅惑の薔薇を拾ってみませんか?
おじさんが、とっておきの穴場にご案内いたします。

他の赤い実たちを中心に、リース素材を採集するのが、今週の宿題です。
青山方面に期待ですかね。

日毎に日没の時間は早くなるばかりです。
4時を過ぎると加速度的に暗くなってきます。
日中の暖気の名残はありましたが、読書に区切りをつけて、早々に引き上げてきました。