goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

七夕飾りの葉 -赤い実同盟レポート-

2008年08月31日 | 「赤い実同盟」



【カジノキ・梶の木】クワ科コウゾ属

昨年から参加してくれた赤い実同盟の会員さんです。

でも昨年の出会いは10月31日のことでしたのでね、まさかこんなに早い時期に赤い実と対面できるとは思っていなかったので、驚きの再会です。

夏の終わりには実が熟れるとのことですのでね、今回の出会いが早いってことではなく、昨年が遅くまで実が残っていたということなんでしょうかね。

気に留めておくと言っていた花は、見逃しちゃいました。
5,6月に咲いてたはずなんですけどね、チェックするの、すっかり忘れちゃいました。
雌雄異株なんですけどね。
来年こそは・・・ 憶えていたらご愛嬌ということで。 

カジノキについては、昨年細かく調べて記事にしておりますので、そちらをの記事「個性を発揮」をご参照ください。


青い実はマリモっぽいですね。

初めての出会いのときにも思いましたが、見れば見るほど不思議な果実です。
ニョキニョキニョロニョロしたエイリアンの卵です。

今回はしっかり味わってみました。
ほんのりと甘い。ベタベタとした粘質感のある甘味です。
お仲間のコウゾの実よりは、若干水っぽいかな。
たくさん集めれば、ジャムの素材として使えるかもしれない。
集めるのが大変だから、作りませんけどね。

前々から気になっていた葉っぱです。
同じ樹木の葉っぱには見えませんよね。
でもどちらともカジノキの葉なんですよ。
上が幼木で、下が実が生っていた10mもある成木の葉っぱです。

ヤマグワやヒメコウゾなど、クワ科の植物にはよく見られる現象なんだそうです。
複雑に切れ込んだものから、切れ込みもギザギザも見られないものまで、多種多様な形の葉っぱがあるんだそうです。
葉の表面の照りも違います。

昔は、カジノキの葉に和歌などを書いて七夕飾りにしていたんだそうすが、掌サイズのこの葉っぱを見れば、さもありなんと納得できます。

昨年同様、赤い実を求めてカラスたちが集まっていました。



和製クレマチス

2008年08月30日 | 08 花たち



【センニンソウ・仙人草】キンポウゲ科センニンソウ属

写真倉庫を整理してたら、昨年は8月半ばにセンニンソウの写真を撮っています。
ならば今年はどんな様子だろうと顔を出してみたら、まさに開花し始めたところでした。

開花したばかりですのでね、一面真っ白な花で覆いつくすという訳にはいきませんが、この時期にしかない初々しい表情を見ることができました。

センニンソウは、日本各地の山地や土手、道端など、いろいろな場所にに自生する常緑の蔓性植物です。
蔓性とはいっても、巻きひげなどで絡みつくタイプではなく、側にある他の植物に覆いかぶさるようにして蔓を伸ばします。
1つの花は2~3cmほどですが、最盛期になると真っ白な世界を展開し、土手の向こうに咲いていても、センニンソウだとわかります。

「センニンソウ」属は英語だと「クレマチス・Clematis」属です。
センニンソウは日本に自生するクレマチスの仲間のひとつです。


4弁が基本ですが、ときたま5弁のものも見かけられます。

キンポウゲ科の花たちには共通していることですが、花弁に見えるのは萼です。
花びらはありません。
1㎝ほどにもなる雄蕊が目に付きますね。

「センニンソウ・仙人草」の名前の由来はご存知ですよね?
花後に白い髭を振り回した仙人が登場するからです。

06/9/10

06/10/11

2年前の画像を、再掲載しました。
髭が確認できますよね。

今年はもっときれいな仙人の髭を撮るぞ。

「ウマクワズ・馬食わず」や「ウシノハコボレ・牛の歯毀れ」などの別名がありますが、どちらも有毒植物だということからの命名でしょうね。
キンポウゲ科の植物は有毒なものが多いのですが、センニンソウも例外ではありません。


香りを盗む

2008年08月29日 | 08 花たち



【ジンジャー】ショウガ科ヘディキウム(シュクシャ)属

ジンジャーの季節の始まり、始まり~~

今年も甘い香りが漂い始めました。
通勤途中にありますのでね、余程のことがあってコースを変えない限り、ジンジャーの香る空間を毎日通ってきます。
そのたびに、胸一杯の香りを吸い込んでおります。
自分ではオーデコロンのように身に纏っているつもりですが、goro’sまで香りを運んでくるのは、無理ですね。
花を摘んで洋服の間に忍ばせていると、香りが移るとのことですが、そこまでは、ちょっとね。
第一、ひとさまのお庭に咲いている花ですしね。
目で、香りで、こころで花を盗むのが、毎日花を楽しませていただいている者の最低限のマナーです。
これから初冬までの長い間、芳香を盗ませていただきましょうかね。

とはいいつつ、掲載した写真は、別の場所のものですけどね。

インドから東南アジアにかけてが原産の、常緑多年草です。

「ジンジャー」はサンスクリット語に由来する英名の「ginger」です。
サンスクリット語では「スリンガヴェラム・sringaveram 」といい、「根茎が角のような形をしている」という意味だそうです。
日本語だと言わずと知れた「ショウガ・生姜」ですが、香辛料などで使うお馴染みのショウガは「ジンジャー(ショウガ)属」ですので、属が違います。
「シュクシャ・縮砂」とか「ハナシュクシャ・花縮砂」が正式な名前だと思います。

毎年紹介しておりますのでね、詳細はそちらで確認してください。

06/8/31 香り豊かに輝いて
07/9/13 魅惑の香り

こちらのジンジャーも、今年で3年目になります。

近所の白いジンジャーが咲き出したのを確認すると、マイ花マップのこちらを、必ず訪ねる事にしております。
少し離れたところにあるんですが、こんな遠回りは、胸躍る楽しいひとときです。 


ふたつの系統

2008年08月28日 | 08 花たち


昔は当たり前に見かけたのに、最近ではあまり見なくなってしまった花、ありますよね。
特に夏の花に多いんじゃないかと思っているのですが。
まったく消えてしまったということでありませんが、見かける機会が減ったことで、なんだか珍しい花になってしまったものもあります。

これまでにもそんな花をgoro's 花 Diary ではとりあげてきました。
カンナホウセンカ、ダリアなどが思い浮かびます(ダリアは復権の兆しがありますが)。
今回紹介する花も、そんな花のひとつです。


【ケイトウ・鶏頭】ヒユ科ケイトウ属

原産地はアジアからアフリカの熱帯地方だといわれています。
耐寒性はありませんが、高温多湿には強い1年草です。
日本には古い時代にやってきて、改良もされています。

ケイトウの仲間には、「ケイトウ」「ハゲイトウ」「ヒモゲイトウ」の3つがあります。
今年はこの3つを集めてみようと考えています。
今回紹介するのは、いはゆる「ケイトウ」です。

「いわゆるケイトウ」にも系統があります。

大きく分けると、「トサカケイトウ系」と「ヤリゲイトウ系」のふたつです。
「トサカ・鶏冠」と「ヤリ・槍」、見た目そのままですので、区別しやすいです。
このふたつを憶えておけばいいんじゃないかと、おじさんはそう思ってます。

【トサカケイトウ・鶏冠鶏頭】

「ケイトウ・鶏頭」の名前は、花の形に由来します。
英名は「cockscomb」 、ニワトリのトサカ・鶏冠という意味です。
いずこの国でも、この花は鶏冠にしか見えないってことですかね。

【クルメゲイトウ・久留米鶏頭】

トサカケイトウの変種です。

「クルメケイトウ」の名前の由来は、久留米(九州)で改良されたからとか、久留米の人が、戦後の引き上げのときにインドから持ち帰ったからとの説があります。

【ヤリゲイトウ・槍鶏頭】

「フサゲイトウ・房鶏頭」や「ハネケイトウ・羽根鶏頭」などとも呼ばれます。
「ヤリゲイトウ・槍鶏頭」も含め、すべて花の形状からイメージされた名前ですね。

「ヤリゲイトウ」と「フサゲイトウ」を区別することがあります。
今回はふたつの系統に分けましたので、両者は「ヤリゲイトウ」で纏めております。

 


あまり見かけなくなったケイトウの花ですが、唯一の例外があります。
ヤリゲイトウを小さく小さく(10~15cm)改良したミニケイトウは、花色も多様で、街角の植栽を可愛く彩っております。


瑠璃色くらべ

2008年08月27日 | 08 花たち



【ルリマツリ・瑠璃茉莉】イソマツ科プルンバゴ属

前回のスターチスやアルメリアに続き、イソマツ科の花を紹介いたします。

ルリマツリは昨年一花一記事で紹介しておりますのでね、今年はいいだろうとパスするつもりでした。
そんなもんだから、6月の初めには咲いていましたが、碌に写真も撮っていませんでした。

急遽画像が必要になってきたので、慌てて撮ってきましたよ。
花期の長い花ですのでね、なんとかなりました。

南アフリカ原産の、半蔓性の常緑低木です。
その他、ルリマツリについての詳細は、昨年の記事「瑠璃の花、幻の祭り」をご参照ください。


今回の記事の主役は、こちらです。

初めに断っておきますが、主役の割には画像が貧弱です。
その点を、お含みおきください。


【ルリマツリモドキ・瑠璃茉莉擬き】イソマツ科ケラトスティグマ属

ルリマツリモドキは、中国西南部からヒマラヤにかけてが原産の半耐寒性の落葉低木です。
草本にしか見えなかったんだけど、木本だったんだ(多年草との記述もあり)。
日本には、明治末期にやってきています。

またまたモドキの登場です。
この手の命名、なんとかなりませんかね。
失礼ですよ、「○○モドキ」は。

とはいいつつ「○○モドキ」と名付けられた花たち、たくさんあるんですよ。
ざっと調べただけでも、goro’s 花 Diaryでも過去に「サフランモドキ」 「キクイモモドキ」 「チチコグサモドキ」 「フジモドキ」 「ウメモドキ」 「ツルウメモドキ」  などを紹介しております。 

「ルリマツリモドキ・瑠璃茉莉擬き」の名前は、花が「ルリマツリ・瑠璃茉莉」に似ていることに由来します。
確かに似ているところはありますが、「モドキ」と名付けられるほど似ているとも思えないんだけどな。
魅力的な青紫色の花色は、ルリマツリよりもモドキのほうがずっと瑠璃色だと思いませんか?
どっちかというと、ルリマツリは水色ですものね。
花は2cmほどで、ルリマツリより一回り大きいかな。

ルリマツリとは近縁種ではありますが、属も違い、原産地も違い、性質も違っています。

春になると地下茎から枝を伸ばしますが、立ち上がるとすぐに這いだして、横に広がっていきます。
蔓性のルリマツリとは、株全体の印象がまったく違います。

とはいいつつ、同じイソマツ科ですので、似ているところもあります。

半耐寒性とはいいつつ、そこそこの寒さには耐えられるようで、関東以西では直植えで越冬することができます。
耐暑性もあり、元来は日当たりが大好きな植物ですが、耐陰性にも優れ、少々の日陰でも生育可能です。
今回出会ったものは、まさにそんな環境でした。
ただし乾燥には、要チェックのようですよ。
花の時期はとても長くて、6~11月頃まで咲き続けますし、梅雨時期には開花を小休止します。
このあたりはルリマツリと同じような性質です。

「ブルーサファイア」という素敵な別名があります。

サイトによっては「ルリマツリモドキ」の別名として「ブータンルリマツリ」(未見です)と記述されているのを見かけますが、原産地など共通点はいくつかありますが、ふたつの花は別物です。

最後に、昨年の秋に出会っていたルリマツリモドキの写真をお見せいたします。
今年出会ったものより、状態がいいのでね。

07/11/3