♪青い海を見つめて 伊豆の山かげに
エリカの花は 咲くという
少々歌詞は曖昧かもしれませんが、西田佐知子の「エリカの花散るとき」という歌です。
エリカの花の咲く村に行けば、別れた人にもう一度逢えるかもしれない、逢えないそのときは、恋に私は死んでしまう、エリカの花が散るように…
歌詞の世界は、こんな風でしたかね。
中学生の頃に流行った歌なんですがね。
早熟少年でしたのでね、しっかりキャッチしましたよ、おじさんは。
ところで・・・ エリカの花ってどんな花?
時を同じくして「嵐が丘」を読みました。
ご存知エミリー・ブロンテの、あまりにも有名な世界的名作です。
余談ですが、あの時期に私が読んだ「嵐が丘」は、少年少女用のダイジェスト版で、ヒースクリフとキャサリンの話に集約されていて、キャサリンの死で話が終っていました。
後年読み返して、キャサリンの死後連綿と続く愛憎劇に、「嵐が丘」ってこんな話だったのかと、驚きを隠せませんでした。
ヒースくらいしか生育できないという、荒涼としたヨークシャーの大地。
四国の片田舎の少年にとって、時折挿まれていた口絵をみても、ヒースの丘を思い描くことは無理でした。
夢想癖満載の少年でしたが、ヒースの謎は未解決のまま残りました。
ねえねえ、ヒースの花ってどんな花?
で、そこに西田佐知子の歌が登場したというわけです。
「明星」とか「平凡」とか、当時の芸能雑誌で得た情報だと思うのですが、エリカの花とはヒースのことだと書いていました。
エリカとヒースは、同じ花だったんだ!
でもこの情報は、何の役にも立ちません。
エリカもヒースも、どちらにしても見たこと無いんだから。
謎は謎として残ったままです。
その謎が解決したのは、高校受験の合格発表当日です。
この記憶は鮮明なんですよ。
合格発表を見たあと中学の同級生たちと、和霊神社の境内で催されていた植木市に行ってるんです。
どいう経緯で植木市を見に行ったのか、ここのところは定かではありません。
メンバーのなかに、植物に特別な興味をもっていたヤツは、私も含めていなかったはずです。
考えられるとしたら、帰宅のバスの発車時刻までの時間潰しでしょうね。
バスの発着場は、和霊神社のすぐ側にありましたのでね。
口径が10センチもない小さな素焼きの鉢に、12~3センチほどの苗が植えられていました。花も咲いておりました。
「エリカ」という名札がついてます。
エリカ ・・・!!・・・ エリカ・・・ ・・・
これがエリカか・・・ この花がヒースなんだ・・・
あの日あのときの感動を言葉で表現するのは、難しいですね。
わかってください。
釣鐘状の、鈴蘭のように俯いて咲く、小さなピンクの花でした。
夢想少年がしばし抱えていた謎の花の正体が、この植木市の一鉢の花との出会いで、一気に解決しました。
小遣いで一鉢買って帰ったのですが、すぐ駄目にしてしまいました。
こんな思い出のある花です。
そのエリカの花をご紹介いたしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/31/f0bdb543d6ad423ed2b8f974eb8d7e62.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/f6/7a4c95060b3955ca3485c27913085fe1.jpg)
「エリカ・カナリクラータ」、一般的には「ジャノメエリカ・蛇の目エリカ」とよばれるものです。
このエリカをいちばん目にしますね。
寄せ植えにされているのをよくみかけます。
潅木系で2、3メートルにはなるらしいのですが、そこまで大きな株のものにはお目にかかったことはありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/2a/5f7f071ea7a679c3d6484d316315eff7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/63/50c48abfc81df1f0ecbe70741edd27e8.jpg)
「エリカ・コロランス」「エリカ・ホワイトデライト」「エリカ・クリスマスパレード」等、いろいろありますが、クリスマスパレードが呼び名としてはいちばんなのかな?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/dc/51545ba37e2bed52b102d2cd9bc2086a.jpg)
「エリカ・ダーリエンシス」
少々匍匐性があります。
花付きはすごいものがありますね。
エリカはツツジ科の植物です。
そうとしれば、ドウダンツツジの花と形状はにてますね。
検索してみるとエリカには園芸種も数多くあり、花色も様々です。
グランドカバーで使われたり、数種類のエリカの寄せ植えなども可愛い感じです。
ところで、「嵐が丘」一面を覆っていたヒースとは、どの種類なんでしょうかね?
おじさんはジャノメエリカの木が近いんじゃないかなと考えておりますが、ここにあげた3点は、全て南アフリカ系のエリカで、ヨーロッパ系のものは含まれていないのですよ。
ということはですよ、「嵐が丘」一面を覆っていたヒースには、残念ながら出会えていないことになりますね。
この記事を読んでヒースに興味をもたれたかた、このサイトを覗いてみてください。
色々な品種のヒースたちを見ることができますよ。
「ヒースランド いわて」