goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

毛糸の袋

2006年01月27日 | つぶやき…



「要通り -タワーのある風景ー」

各地から梅便りが届きはじめました。

昨年よりは大幅に遅れての開花のようです。
だろうね、この寒さだもんね。
でも今日は暖かく、過ごしやすい1日でした。
このくらいの陽気が続けば、梅の花も一気に咲き始めるんだろうけどね。
NHKの午後の番組のなかで、國井アナが代々木公園で撮ったという梅の花の写真を見せてくれてたんだけど、チラホラ咲いてるみたいです。
楽しみです。

先週の大雪の日にウロウロしてたとき、珍しいものを見つけました。

わかりますか? ご存知ですか、この物体を?

そうです、そうです、蓑虫です。
田舎でだとね、大袈裟に言うと、どこにでもありました。
東京で見るのは、今回が初めてです。
その気になって探せば、いるんでしょうけどね。

蓑虫のことなんかすっかり忘れていました。
それがね、ここ数年前、はっきりいうと編物を始めてから、蓑虫のことを思い出していたんです。
編物をやるとどうしてもクズ毛糸が出ます。
何色かを使って模様編みをすると糸替えの回数も増えますのでね、必然クズ毛糸の量も増えてしまいます。
もったいないおじさんですから、3センチくらいの長さのものも、ビニール袋で保存してます。
模様編みのとき、1目を埋めるのに使ったりします。

あ、今日は編物の話じゃなくて、蓑虫のことです。
こどもの頃姉たちが編み物をしておりましたのでね、クズ毛糸を貰って蓑虫を作って遊んでました。

蓑虫を? 作る?・・・
これだけだとわからないでしょうね。

まず蓑虫の説明から。

蓑虫とは、ミノガ(蓑蛾)の幼虫のことです。
普通蓑虫と呼んでるものは、上の写真のような状態のものです。
これは蓑虫の家だと思ってください。
この袋状の家を小枝や葉っぱを使って自分で作り、そこにミノガの幼虫が住んでいるのです。
そのなかで蛹になり、成虫になって外界に飛び立っていくのです(時期はきっと春でしょう)。
以上を踏まえてくださいね。

こども時代におじさんたちがやったのは、まず蓑虫を採ってきて、鋏で袋を裂き、幼虫を取り出します。
鋏で開いた蓑虫の家は強度もあり、味わい深い素材なんですけどね。
一個が小さいので、何かに加工したことはありません。
クズ毛糸を3~4㎜に細かく切り、小さな箱(私は徳用マッチの箱《古ッ!》を利用しました)に敷き詰め、そのなかに取り出したミノガの幼虫を入れておくんです。
いきなり家を奪われた幼虫は、糸を吐き出しながらクズ毛糸を集めて、袋状の新しい家を作ります。
それが毛糸の蓑虫ということです。

この説明でわかってもらえましたかね?

その毛糸でできた蓑虫から、もう一度幼虫を取り出すと、小さな毛糸の袋が出来上がります。
どれほどの強度があったのかは記憶が定かではないのですが、それほど強いとは思えませんね、毛糸ですから。
糸の色によって、いろいろな模様の蓑虫ができあがったはずなんですがね、ほとんど憶えておりません。
その先どうしたのかも、憶えていないんですよ。
憶えているのは、毛糸の蓑虫を作ったことがあるという、そのことだけです。

だから今回蓑虫を見つけたとき、是非もう一度やってみたいと思ったんです。
今なら毛糸の蓑虫の利用価値、たくさんありそうですのでね。

結果は… 駄目でした。
この蓑虫の中には、脱皮した蛹の殻しかありませんでした。
ミノガは成虫になって飛び立ってしまっていました。
今年の蓑虫じゃなかったようです。

今期はもう無理でしょうが、チャンスがあったら、毛糸の蓑虫くんを作ってみたいですね。
クズ毛糸は、たくさんあるんだよね。


美少年の化身

2006年01月27日 | 06 花たち

ギリシャ神話のなかのエピソードで、誰もが知っている話。
泉に写る自分の姿に恋をして、終日水面を見続けているうちに、とうとう花になってしまった美少年ナルシス・・・
その化身がこの花です。

いわずと知れた「スイセン・水仙」です。
敢えてこの画像にこだわったのは、雪の風景のなかで咲く姿をお見せしたかったからです。
これぞ私のナルシズム。
ナルシストに対抗するには、ナルシズムでしかありえないと、深~~く長~~い経験から会得しました。

件のギリシャ神話のエピソードをきいて、少々合点がいかなかったのは、私だけでしょうか?
この水仙はきっと日本水仙でしょうから、正確にいうとナルシスの化身とはいえないのかもしれませんが、もっと美しく綺麗な花があるだろうにと、微少年?だった私は思ったものです。

今なら理解できます。
この花のもつ凛とした気高い姿や、まわりに漂う甘やかな香りに秘められた、美少年の孤独な囁きも・・・ききとれたりします。

下を向いて咲くのは、水面に写しだされた自分の姿を見続けたことの証とかなんとか・・・

日本では水仙の群生地が有名ですよね。
三大水仙群生地と呼ばれている地域もあるようです。
越前海岸、淡路島、房総半島をさすようですが、伊豆にもありますよね。
私は越前の群生地を見てみたいです。
日本海に面した崖の上、海から吹きつけるように降り続く雪のもと、健気に、気丈に、気高く咲き誇る水仙の群落。
一度はその場に身を置いてみたいな、などと思っております。

 

もう一枚、別の花です。

「白いチューリップ」
深い意味は毛頭ありません。