「要通り -タワーのある風景ー」
各地から梅便りが届きはじめました。
昨年よりは大幅に遅れての開花のようです。
だろうね、この寒さだもんね。
でも今日は暖かく、過ごしやすい1日でした。
このくらいの陽気が続けば、梅の花も一気に咲き始めるんだろうけどね。
NHKの午後の番組のなかで、國井アナが代々木公園で撮ったという梅の花の写真を見せてくれてたんだけど、チラホラ咲いてるみたいです。
楽しみです。
先週の大雪の日にウロウロしてたとき、珍しいものを見つけました。
わかりますか? ご存知ですか、この物体を?
そうです、そうです、蓑虫です。
田舎でだとね、大袈裟に言うと、どこにでもありました。
東京で見るのは、今回が初めてです。
その気になって探せば、いるんでしょうけどね。
蓑虫のことなんかすっかり忘れていました。
それがね、ここ数年前、はっきりいうと編物を始めてから、蓑虫のことを思い出していたんです。
編物をやるとどうしてもクズ毛糸が出ます。
何色かを使って模様編みをすると糸替えの回数も増えますのでね、必然クズ毛糸の量も増えてしまいます。
もったいないおじさんですから、3センチくらいの長さのものも、ビニール袋で保存してます。
模様編みのとき、1目を埋めるのに使ったりします。
あ、今日は編物の話じゃなくて、蓑虫のことです。
こどもの頃姉たちが編み物をしておりましたのでね、クズ毛糸を貰って蓑虫を作って遊んでました。
蓑虫を? 作る?・・・
これだけだとわからないでしょうね。
まず蓑虫の説明から。
蓑虫とは、ミノガ(蓑蛾)の幼虫のことです。
普通蓑虫と呼んでるものは、上の写真のような状態のものです。
これは蓑虫の家だと思ってください。
この袋状の家を小枝や葉っぱを使って自分で作り、そこにミノガの幼虫が住んでいるのです。
そのなかで蛹になり、成虫になって外界に飛び立っていくのです(時期はきっと春でしょう)。
以上を踏まえてくださいね。
こども時代におじさんたちがやったのは、まず蓑虫を採ってきて、鋏で袋を裂き、幼虫を取り出します。
鋏で開いた蓑虫の家は強度もあり、味わい深い素材なんですけどね。
一個が小さいので、何かに加工したことはありません。
クズ毛糸を3~4㎜に細かく切り、小さな箱(私は徳用マッチの箱《古ッ!》を利用しました)に敷き詰め、そのなかに取り出したミノガの幼虫を入れておくんです。
いきなり家を奪われた幼虫は、糸を吐き出しながらクズ毛糸を集めて、袋状の新しい家を作ります。
それが毛糸の蓑虫ということです。
この説明でわかってもらえましたかね?
その毛糸でできた蓑虫から、もう一度幼虫を取り出すと、小さな毛糸の袋が出来上がります。
どれほどの強度があったのかは記憶が定かではないのですが、それほど強いとは思えませんね、毛糸ですから。
糸の色によって、いろいろな模様の蓑虫ができあがったはずなんですがね、ほとんど憶えておりません。
その先どうしたのかも、憶えていないんですよ。
憶えているのは、毛糸の蓑虫を作ったことがあるという、そのことだけです。
だから今回蓑虫を見つけたとき、是非もう一度やってみたいと思ったんです。
今なら毛糸の蓑虫の利用価値、たくさんありそうですのでね。
結果は… 駄目でした。
この蓑虫の中には、脱皮した蛹の殻しかありませんでした。
ミノガは成虫になって飛び立ってしまっていました。
今年の蓑虫じゃなかったようです。
今期はもう無理でしょうが、チャンスがあったら、毛糸の蓑虫くんを作ってみたいですね。
クズ毛糸は、たくさんあるんだよね。