政府は10日、新型コロナウイルスワクチンの国内での総接種回数が、9日までに累計1億291万3015回に達したと発表した。先行して進められた65歳以上の高齢者は8割超が完了する一方、国民全体では3割程度にすぎず、政府は今後、40〜50代や若年層への接種を急ぐ。

 政府集計によると、1回以上接種した人は総人口の46.9%に当たる約5962万人。2回目を終えた人は約4328万人(34.0%)だった。高齢者接種だけで見ると、全体の87.6%に当たる約3109万人が1回以上の接種を済ませ、2回目は約2895万人(81.6%)が終えた。

 職域接種は1日までに約772万回実施。医療従事者向けは既に終了し、累計で約1229万回に上った。

 1日当たりの接種回数は、6月上旬に100万回を突破。140万回を超える日もあったが、平日ではおおむね100万〜120万回台で推移している。

 政府は、接種券を基に各自治体が登録するシステムから接種回数を算出。数日遅れて報告する自治体もあり、実際の回数は日を追って積み上がる傾向がある。

 政府は、今月下旬までに全国民の4割で2回接種を終える目標を掲げる。田村憲久厚労相は10日、新型コロナの感染症法上の位置付けについて「日常生活に徐々に戻していくためにどうしたらいいか検討している」と述べ、今後はワクチン普及を前提に、厳密な隔離などの対応を緩める可能性に言及した。