白山火山帯

人は、老若男女問わず、時として病に侵されたり死に至ります。
頂いた命に日々感謝して過ごしたいと思います。

日産、独立性に懸念 仏政府、ルノー通じ介入も

2018-11-21 07:40:38 | 日記

日産、独立性に懸念 仏政府、ルノー通じ介入も

日産、独立性に懸念 仏政府、ルノー通じ介入も

横浜市の日産自動車グローバル本社=20日午後(飯田英男撮影)

(産経新聞)

 日産自動車とフランスのルノーは、国境を超えた自動車大手同士による企業連合の珍しい成功例とされる。だが、両社を結びつける役割を果たしてきたのは、19日に逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者だ。日産とルノーは株式を持ち合う関係だが、ルノーの保有比率が上回っている。今後、ルノーの支配権が拡大する方向で資本関係が見直されれば、日産の経営の独立性が脅かされる事態にもなりかねない。

 「アライアンス(3社連合)の将来にとって、プラスの方に働くように進めていきたい。菅義偉(すが・よしひで)官房長官にもサポートしていただけるという理解だ」

 日産の川口均専務執行役員は20日午前、官邸で菅氏と面会した後、記者団の取材に応じた。政府の「サポート」について川口氏は具体的な言及は避けながらも、「日本とフランスの関係などもある」と述べた。

 背景には収益力や企業規模で上回る日産が、資本関係ではルノーの下に置かれている“ねじれ”状態がある。日産のルノー株保有比率が15%であるのに対し、ルノーは日産株の43%を保有。日産が経営危機時に出資を受けたためだ。

 2014年にはルノーの大株主である仏政府が、株式を2年以上持つ株主に2倍の議決権を与える「フロランジュ法」を制定し、ルノーを通して日産の経営に介入しようとする動きを見せた。“暗闘”が続いたが結局、15年12月に仏政府とルノーが日産の経営に関与しないことで合意。当時の担当大臣が現在のマクロン大統領という因縁もある。

 だが今年3月、日産とルノーが合併交渉をしていると海外で報道された。ゴーン容疑者は資本関係を見直す意向を示したが、「対等なパートナーシップが競争力につながる。日産がルノーの完全子会社になる可能性はゼロだ」と断言した。

 ルノーによる子会社化で日産への関与を狙う仏政府と、合併には慎重な立場のゴーン容疑者という構図が浮かぶ。今後、仏政府がルノーを通して影響力を行使すれば、日本政府は日産の独立性を守る立場で動くとみられ、両国の綱引きに発展する可能性もある。

 独ダイムラー・ベンツと米クライスラーの統合が「世紀の合併」とされながら失敗したように自動車大手同士が手を組むことは難しい。日産・ルノーという「成功例」をつくりあげたゴーン容疑者の逮捕で両社の資本関係の行方は混(こん)沌(とん)としている。(高橋寛次)

 
<iframe class="gooad-iframe" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" width="1" height="1"></iframe>

ゴーン頼みだった日産、決別鮮明 側近の社長、突き放す

2018-11-21 07:11:26 | 日記

ゴーン頼みだった日産、決別鮮明 側近の社長、突き放す

大鹿靖明 木村聡史 和気真也、ロンドン=寺西和男、パリ=疋田多揚

2018年11月21日05時10分

[PR]

 日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の会長として君臨してきたカリスマ経営者、カルロス・ゴーン容疑者(64)の突然の逮捕劇は、「ゴーン1強」体制となっていた日産の企業統治の不全を浮き彫りにした。過度な権限集中が招いた剛腕経営者の突然の失脚に、国内外で波紋が広がった。

 「43%の株を持つルノーのトップが日産のトップを兼任することはガバナンス(企業統治)上、1人に権限が集中しすぎた」「長年にわたる統治の負の側面と言わざるを得ない」「当然、解任に値すると理解している」

 日産自動車の西川(さいかわ)広人社長は、ゴーン会長らの逮捕を受け、19日夜に緊急に開いた記者会見で終始、ゴーン会長を突き放す言葉を繰り返した。「極端に特定の個人に依存した形ではなく、良い見直しの機会になるのではないか」とも述べた。

 今夏発覚した出荷前の自動車の排ガス・燃費データの改ざん問題では、記者団への説明の場をほとんど設けなかった西川氏。この日は、側近として長年支えてきたゴーン会長を厳しい口調で断罪する言葉を並べた。

 ゴーン会長の不正行為に関する社内調査結果の詳細を知っていたのは西川氏ら数人の役員だけで、「事案の中身から非常に秘匿をしていた」とも述べた。午後10時から緊急に開いた会見にもかかわらず、会見前に不正行為に関するプレスリリースをホームページに掲載し、ごく一部の関係者による周到な準備をうかがわせた。

 ゴーン会長の側近で、ともに逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者については「ゴーンの権力を背景に社内をコントロールしてきた」と述べ、「2人が首謀者であることは間違いない」と言い切った。西川氏も、ゴーン会長とともに日産再建に尽力し、その功績が認められて社長に起用された人物。社内では「ゴーンのお気に入りの1人」と見られてきたが、会見では「ゴーン」と呼び捨てにする場面もあり、長年仕えたカリスマ経営者との「決別」を鮮明にした。

 ゴーン会長が日産に君臨したこの20年近く、社内では一部の外国人幹部に対し、日本人の社員から「強欲すぎる」などと不満がくすぶっていた。「貴重なグループ会社を売却し、自動車メーカーとしては問題だ」とゴーン流の経営手法に批判的な役員もいた。

 そこに襲った経営トップのスキャンダル。会見に詰めかけた記者から「クーデターか」との質問が出たが、西川氏は「クーデターという理解はしていない」とかわした。「1人に権力が集中していたことが誘因」と力説したが、西川氏をはじめ、トップの不正を止められなかった経営陣の責任も重い。(大鹿靖明)