クタビレ爺イの山日記

諸先達の記録などを後追いして高崎近辺の低山中心に歩いています。

保渡田古墳群とコスモス畑 H-23-10-12

2011-10-13 10:44:27 | 伝説・史跡探訪
旧群馬町保渡田の「はにわの里公園」のコスモスが満開と聞いたので一寸見物に。
序に国指定史跡の保渡田古墳群も一回り。

現地の「かみつけの里博物館」脇に古墳群案内図。
道路から南にみえるのが二子山古墳、北東に八幡塚古墳、北側で西光寺を
乗せるのが薬師塚古墳。
これらは、前方後円墳という形で、約1500年前の豪族が葬られた墓。いずれも
墳丘長約100メートルで、広大な二重の堀を巡らし、多量の埴輪を立て
並べていたと言う。
二子山古墳→八幡塚古墳→薬師塚古墳の順で50年間ぐらいの築造。
同族の首長の親、子、孫3代の墓と思われると解説されている。



薬師塚古墳の上には現在は西光寺があるので点線だが、想定図を見ると良く分かる。



時計回りに西南に向かうと最初に築造されたと言う二子山古墳。墳丘は綺麗に
修復され周囲にコスモスが植えられているのはここ。



南に回ると「ひまわりに囲まれた古墳」となる。



古墳の上は色々とモニュメント。



上からコスモス畑を眺めると古墳を囲んで円形に構築されているようだ。



古墳を降りて満開コスモスを堪能。




次に行くのは車道を渡って西北に行く「薬師塚古墳」だが途中に三角点。
堂々たる二等で点名は「井出」。



北に数百㍍で西光寺に到着。



本堂の右に回ると石段が現れるがこの上が「後円部」に相当するらしく、
「前方部」は本堂建設で削られているようだ。



説明板。



石段を上がると薬師堂。



その中をパチリ。



手前の覆屋に厳重にガードされた大型の「舟形石棺」。墳丘の円部に石棺が
竪穴埋葬されていたもの。
ここの古墳出土の馬具等の国重要文化財の一部は、隣接する
「かみつけの里博物館」で展示されている。



寺を辞して尚も時計回りに歩いて土屋文明記念館の脇を通過して最後の
「八幡塚古墳」の南に向かう。



これが全体像、右手に「後円部分」が延びているのが良く分かる。
この八幡塚古墳は墳丘が削られ荒廃が進んだため、築造当時の形に復元する
ことになり平成8年度から平成11年度までの4ヶ年をかけて保存復元
整備されたとの解説。



手前の内堤上には54体の人物・動物埴輪等が配置された
「形象埴輪配列区」がある。



少し詳しく観察するため立ち入り禁止の索をほんの少々御勘弁願って撮影。
全体の配列の群分けは「飛鳥博物館編・埴輪群像の考古学」若狭徹氏執筆文
より見る。

レプリカ配置図 配置を七つのブロックに分ける解釈図。
     


54体、但しその内の17体は「基部」のみで
役割不詳。多分土石流で固定された基部のみしか発掘されなかった
のだろう。基部の表現はボーリングのピン状で置かれている。

ブロックNO1 対座する倚座の男女と壷(過去の爺イの記録から)
  中心は椅子に座って杯を差し出す女性と相対する四人の男性。左端の
  男性は琴を持っているので「琴弾人」。「水の祭祀」と推定されている。



  女性はこの姿。



  三人の男性のうち、右手を出している真中の人は王冠被っているので
  オ偉いさんで中心人物だろう。



  両側の二人は「頭成り」の帽子でフツーの首長風情。



  椅子の女性の隣に半身の「奉仕する女性」



  前後に壷が二つ、高い台と低い台のもの。




ブロックNO.2 鳥の列と人物
  鶏が雌雄一対?



  水鳥が六羽、西を向いて一列に。前三羽は大形、後三羽がやや小型。



  その斜め後に鷹を腕に止まらせた双脚の人物埴輪。足に鈴付きの
紐が付いている。



ブロックNO.3 猪狩りの場面
  猪(左)と犬が睨み合い。体型が似ているが猪には牙があり、両者の
  尻尾の形も工夫されている。



  その後に弓矢を持つ人物埴輪



  その腰には「猪形」が付いている。狩人が猪の形代を所持して
  行う極めて呪性の強い狩猟を表しているとの事。



ブロックNO.4  鵜飼の場面
  鈴付き飾り紐を付けられた鵜が一羽。鵜飼が古代からの漁労であった
  事の証拠だか、ここでは三つ寺辺の湧水と川を堰き止めた濠を使った
権力者による儀礼的な鵜飼。



その脇に四体の人物基部だが役割不明。若しかすると鵜飼関係の人?



ブロックNO.5 財物の列
  東西に長い列を作っている。先頭は盛装した男子、鈴つきの足飾り。



  その次は双脚の武人。



  後に甲冑形の武人が二人



  その横に所作不明の人物基部が三体。



  大形の飾り馬が三頭と馬曳が一人。



  その後に小型馬が二体。裸馬の感じ。



  最後尾は角の様子から雄鹿。


  
ブロックNO.6 半身人物群 
  壷を持った人物像。



  倭風の太刀を持つ武人。


  
  倭風の太刀とは近くで見るとこんな物。
  所作不明五体。



ブロックNO.7 武人と力士 
  力士とその後の武人。



力士の前にもう一人の武人。所作不明基部一体。



基部に二種類あるが紐付きと無しとの区分が判らない。男女別?



(以上で過去の記録終了)

折角だから古墳の上に登る。埴輪の並ぶ「前方部分」から俯瞰。



「後円部分」から下を見ると「陪塚」と言うのか「中島」と言うのかは
知らないが四つほどが設置されている。



後円部分の頂点に下への階段があり「石棺展示室」に通じている。
中にはさっきと同じぐらい大型の石棺が展示されている。



以上で一回り終了、博物館で10/22に挙行される「古墳まつり」の
パンフレットを貰って帰宅。


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