オシム、バッサリ!大久保は「エゴイスト」(スポーツニッポン) - goo ニュース
「本田は大きなオランダDF相手にレスリングをする時間が多かった。代わりにフレッシュでスピードのある選手を投入するべき。オランダのストッパーは大きくて遅くて弱点だった」
2010ワールドカップ 公式試合球
▼オシム前監督の選手への厳しい評価
イビチャ・オシム前日本代表監督が、マスコミが「惜敗」と伝える対オランダ戦に対して、かなり厳しい評価を下している。
いわく
「日本は相手をリスペクトしすぎた。殺し屋の本能がなかった」
「本田は大きなオランダDF相手にレスリングをする時間が多かった。代わりにフレッシュでスピードのある選手を投入するべき」。
「大久保はエゴイスト」「シュートを決めたかったのは分かるが、彼よりもっと有利な体勢でシュートを打てる味方が近くにいた」
オシム監督は今ひとつ覇気のなかった中村選手や遠藤選手にも慢心と懈怠の心があったと手厳しい。彼が褒めたのはGKの川島選手ただひとり。「失点を気にせず自信を持て」と。
▼彼はなぜ「走れ走れ」と言ったのか
なるほど、やはりミーハーの我々素人ファンとは違うな、オシム前代表監督はそういう目で見ていたのか、という感じで聞いた。高齢ということもあって、途中で倒れて今の岡田監督と交代したわけだが、彼が指導者であったとき、なぜあれほど選手に「走れ走れ」と言っていたのか、ボンクラな私は今にしてはっきり分かったような気がする。
▼長所は弱点に、短所は利点に変えよ
たとえば、今アルゼンチンの監督を務めるマラドーナにしても、今大活躍でまさに注目の的のメッシにしても、またあの神様と言われたペレにしても、また日本人にお馴染みのジーコにしても、決して大型の選手ではない。むしろ我々とさほど違わない背丈の小柄の選手である。それでいてあれだけ活躍する。その秘密は…。
オシム前監督言う、「彼らの背の高さを長所ではなく、弱点にしてしまうこと。一人がキープする時間を少なくして、パスのスピードを上げて、ボールをどんどん動かす。そうすると大きなディフェンダーは、反応することができない」と。
▼「常識」の思い込みを打ち破ること
サッカーには「前はこれでうまくいったから…」という前例主義は通用しない。今回の欧州勢の凋落ぶりを見るといい。ちょっと気を抜くと下克上は当たり前の世界である。また、アメフトやバスケのように体格や上背がそのまま反映するスポーツでもない。
ところが、日本人は外国人のDFなどを見て、とても敵わないと思う。上背が違う、ヘディングでもされたらお終いだ…と。
それなら、メッシのあの活躍は何と形容すればいいのか。サッカー選手としてはハンディともなる小柄な体でありながら、サッカーボールが磁石に吸い寄せられるように彼の体から離れない。あれこそはまさに小柄であるから、それゆえ機敏に動き回れるからであろう。
▼他者を生かしてこそ自分も生きる
個人の才能を活かせるのも、他者という存在があってのこと。だから、オシム前監督はいうのだろう。「本田の役割は自分が生きることではなく、ほかの選手を生かすことだったはず」と。
スポーツと学校教育とは分野が違うとはいえ、響き合うものがそこにある。今、日本の教育に求められているのも、実はこれではないか。「他人を見たら敵と思え!」そんなことを尤もらしく<出来る>生徒に説く学校教育からはろくな人材が育つはずがない。自分が生かされたいならば、まずは人を生かすことを学ばねばならない。
これは単に日本の古臭い道徳ではない。グローバルなスタンダードなルールなのである。
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