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三年連続である。
これは町輩出著名作家S氏の名を冠した「記念賞読書感想文」の入賞作品を選ぶ予備審査に、委員の一人として委嘱を受けているからである。
審査は、審査表の
①読書の喜び、楽しさが感じとれるか。
②読書によって得た自己の変革が見られるか。
③応募規定に合っているか。
の3つの項目に、
たいへん良い:3点
良い :2点
もう一歩 :1点
の3評価点数を書き入れる仕組みだ。
これまでは(過去2年)、小学校低学年・小学校高学年・中学校と部門別に委員を振り分けて審査したのだが、今年は3部門の全作品を各委員が全部見ることになってしまったようだ。(ちょっくら無理。)
作品は小低:16点 小:16点 :中全:6点 総計38点である。
最近は、生の原稿を読む機会は少ない。それに、小学1年と、中学3年では格差がありすぎて、各審査委員の頭の中も混乱の悲鳴が聞こえてくるようだ。
たいへん無責任なやり方だが、ボクは全編を通読してみて、目に止まった7点に○印を付けた。その7点に絞り、再度熟読し点数を書き込もうと思っている。
しかし、小生の場合は、どうしても戦争について書かれたものに目がいってしまうのは致し方があるまい。
小学6年生の作品を1編だけ紹介したい。勿論審査員には全編所属小学校名、児童名は伏せてある。
戦争の「おそろしさ」と「命」 小学校 六年生
今も世界のどこかで争いが起こり、多くのぎせい者が出ています。なぜ戦争はなくならないのでしょうか。
私は、「春さんのスケッチブック」を読むまで、戦争は、ただ怖いなとしか思っていませんでした。しかし、この本を読んでどれだけ戦争がおそろしいかをおもい知らされました。たくさんの人が亡くなって、たくさんの人が悲しみ、たくさんの大切なものが無くなってゆく。戦争がどれだけ無だな争いをしているかが心に焼き付きました。
私の心に特に残ったことは、次のような場面です。
まず、村田先生が戦争に呼ばれた時のことです。その時の春さんの気持ちは、とても苦しかったと思います。もし私が春さんだったら駅へ送る時、あんなに冷静にしていられたでしょうか。涙をこらえきれずに泣きだしてしまうと思います。六年生の卒業式で感謝の言葉を言う役でした。けれど私は泣いて、きちんと言うことができませんでした。今でもなんで言えなかったんだろうと後悔しています。だから春さんは、すごいと思います。私も春さんのような強い人だったらいいなと思いました。
次に無言館のいたずら書きのことです。私も最初ツヨシ君と同じように、なんできれいに消さないんだろうと不思議に思いました。でもよく考えてみたら、だんだんみんなの消さない気持ちがわかってきました。いたずら書きをした人は、ものすごく軽い気持ちでやってしまったのだと思います。そのいたずら書きを消してしまったら、やった人も自分がどれだけいけないことをしたのか、もしかしたら、自分がやった事も忘れてしまうかもしれません。だからずっと消さずに、こんなことをした人がいますと残しているのだと思います。
そして最後に作者の衣田さんが初めて無言館へ行った時のお話です。その時女の子が無言館へ入るのを嫌がっていたのだそうです。私も女の気持ちがわかるような気がします。私も無言館へ入ろうと言われたらすぐ入る気にはならないと思います。でもそれは、この本を読む前です。今は、いろいろな人に戦争のことを知ってもらいたいと思っています。戦争のことは、学校の社会の時間で少し出てくると思います。その時は、最初の私のように怖いなとしか思わない人が多いと思います。
だけどそれ以上に戦争は、おそろしく、悲しいものなのです。だから、世界中のみんなが、戦争のおそろしさを知ってくれれば、絶対に戦争が無くなり、世界から、「戦争」という言葉も無くなると思います。
一人一人が相手の事を考えて動いてゆき、だれもが笑っている明るい未来、世界のどこにも「戦争」のない、安心して生活できる平和な未来が来るといいです。