呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

SMAPの万博イベントが取りやめ

2010年06月06日 | 日記
 6月13日に予定されていたSMAPの万博イベントがキャンセルになった。色んな要素を総合的に考慮した上でということだが、ちょっと待たれい!要するにあまりにも混雑するのが良くないということなのだろうが、ちょっと読みが甘すぎたのではないか?6月5日に入場者数が50万人を超えて最高記録に達した。しかーし、そもそも7000万人、つまり一日平均で40万人を見込んでいたのではないか?平均で40万人ということは、多いときで50-60万人くらいは十分に想定できるだろう。SMAPがいベントに参加すればそれなりに入場者数も増えるだろうが、この日は端午節の関係もあって平日、しかも平均で40万人を見込んでいたのであれば少々入場者が増えても対応できるはず、ところがこれをキャンセルするということは、はやり入場者捌きに自信がないのだろうか。私自身は特にSMAPに興味があるわけではないが、ちょっと残念な結果である。

上海にお化け屋敷がオープン

2010年06月05日 | 日記
 上海にお化け屋敷がオープンした。その名も「鬼獄」だ。漢字で名づけたものとしては結構雰囲気も出ており、まずまずのネーミングだろう。



周りの中国人に幽霊の存在を信じるかと聞いてみると、たいていは信じないと答えられる。いるわけないでしょうって。でもホラー映画は怖いというし、幽霊話をすると怖がる。なんか矛盾してないか?その存在は否定するのに、妙に怖がるなんて。日本の場合季節的に、特に夏になると幽霊話がテレビで数多く紹介され、またそうでないときでも心霊写真の紹介もよくされる。そういう意味で日本人は幽霊話についてはある程度慣れている。これに対して中国人はどうもこのあたりの免疫がないようだ。やたらと怖がる。確かに中国のテレビで幽霊話も心霊写真も見たことがない。映画であったとしてもキョンシーのように笑えるキャラクターだ。このように中国では生活の中で幽霊話に接することがないのだ。 「鬼獄」のウェブサイトを興味があれば見ていただきたい。こんなものだろうと思いつつ、怖くて見てられないという中国人もいた。そんなに怖いかなあ?

 怖い怖いというものの、怖いもの見たさというのは万国共通なのだろうか、「鬼獄」オープン初日(6月1日)は予想以上の観客が訪れ、待たされ地獄、割り込み地獄によるプチアナーキー状態が起きたそうだ。これを教訓に二日目はちゃんとしようとした(と思いたい)のだろうが、今度は設備故障により休業という貼り紙が出された。二日目でいきなり設備故障で休業とは。。。。来週から再開するそうなので(念のため事前に確認することをお勧め)、興味がある人は体感してきてみてはいかがだろうか。ちなみに期間は6月30日までだ。中国人が幽霊に対してどれだけ免疫がないのを知るために、是非中国人と一緒に訪れることをお勧めする。

「中国内需市場攻略セミナー」 in 上海、無事終了!

2010年06月04日 | 日記
 6月3日は以前ご案内した「中国内需市場攻略セミナー」の日だ。段取りとしては最初に日系、欧米系、中国系企業から集めたアンケート結果の分析を発表し、それに引き続いて日系企業、欧米系企業、中国系企業の方々をゲストにお招きし、パネルディスカッションをするというものだ。私の出番はパネルディスカッションの司会進行役だ。頼まれると断れない私はついつい二つ返事で引き受けてしまったが、開催日が近づくにつれてどんどんプレッシャーがのしかかってきた。「パネルディスカッションって凄く大事ですよね」、「パネルディスカッションの司会役って結構、いや凄く大事ですね」。えええええ?そんなにプレッシャーかけなくても。開催当日の開始前に共催者のFESCOの偉いさんにご挨拶。

偉いさん「今日来ているお客さんはみんなパネルディスカッションを楽しみにしているので、司会進行役の役割は・・・・」
私「もう言わないで下さい!これ以上プレッシャーをかけないで下されー!」

 こんなやりとりがありつつ、パネルディスカッションが開始。色んな考え方、意見を聞くことができたが、いくつか印象に残ったものを紹介したい。

 1.あくまで顧客目線
 シスメックスの樋口さんの言葉だ。言葉にすると非常に単純であり、そんなことわかっているよという人もいるだろう。しかしあらためて振り返ってもらいたい。本当に100%の顧客目線で物事が進められているだろうか、商品開発がなされているだろうか、どこかに企業側の都合がかなり入り込んでないか。確かに100%できているかといわれると、そこまでできていないケースは多いだろう。あくまでお客さん目線で、お客さんは何を必要としているか、そのニーズにこたえるためには何をすればいいのか、どうすればいいのか。ここに企業側の都合が入ると100%のお客さん目線でなくなってしまう。セミナー終了後に名刺交換をさせていただいた方からも、お客さん目線の重要さを改めて認識させられたとの声が寄せられた。

 2.欧米式に転換して失敗
 フィリップスのマーケティングを担当している陳さんから紹介してもらった話は、とある欧米系企業の失敗事例についてだ。中国で非常にうまくいっていた現地法人があったのだが、本社の方針とあわない運営を行っていたため、トップを挿げ替えることになった。新しく来たトップは本国で行われているオペレーションをそのまま導入したところ、業績が急降下したという事例だ。一般的に中国人は欧米的だといわれるが、だからといって欧米スタイルが全て中国で受け入れられるとは限らないという事例だ。具手的には当初のオペレーションは中国内総公司と分公司が利益を4:6で分け合うという仕切りで運営し、分公司にも相応の権限を与え、例えば商品ラインナップやプロモーション方法、販売手法等を任せるというスタイルだったものを、変更後はそう公司と分公司の配分は全て総公司が持っていく、また顧客ターゲットも本国と同じくハイエンドに絞り込むというスタイルを取った。このやり方だと従業員のモチベーションにかなり影響が出たのだろう、おのずと業績が急降下していったわけだ。


 3.意外と管理が厳しい中国企業
 パネリストとして上海万科房地産有限公司の羅さん(人力資源総監)にお越しいただいた。その中で、万科の採用方針に関する紹介があったが、これが結構意外だった。縁戚関係にある人を採用をしない範囲についての紹介があったが、この範囲が広い!在職している職員及びその配偶者の三親等まで遡って縁戚関係がある人は採用不可だという。ちょっと厳しすぎるなあ。日本だと兄弟で働いている会社も少ない中で、なぜここまで厳しくするのかというのが非常に新鮮であった。また、総経理職には強制休暇制度というものがある。強制休暇というのがミソだ。要するに突然休むように通知がなされるわけなのだが、これは不正行為を防止するためのもだそうだ。不正行為を行っている人がそれをもみ消す隙を与えないというものだ。万科グループのように、名前のある企業では我々が思っているよりも、そして日系企業よりも内部管理が厳しく行われているのではないか、ということで、新たな発見があったのではないかと思う。

 パネルディスカッションの司会者としては可もなく不可もなくというレベルで終わってしまったと思っていたのだが、もっともっと続けて欲しかったという意見も少なからず寄せられて、あらためて胸をなでおろした次第です。特に中国系企業の考え方を聞くことができたよかったという声が寄せられた。パネリストの属性こそ変わるが、東京でも同じセミナーがあるので、是非ご参加いただければと思う。ちなみに東京では私の出番はありません。

日本の粉ミルクが輸入禁止に

2010年06月03日 | 日記
 宮崎県で口蹄疫問題が発生したことはテレビでも多く取り上げられ、東国原知事の記者会見をご覧になった人も多いだろう。これが原因で日本の粉ミルクの中国への持込が禁止されてしまっている。私も気づかなかったが、4月30日付で国家品質監督検査検疫総局、農業部の連名《日本口蹄疫の流入を防止することに関する公告》が公布されている。これにより、日本の粉ミルク、牛乳、牛肉等関連製品の輸入が当面停止され、直接または間接的に日本から偶蹄類動物及びその製品を輸入することが禁止され、日本から偶蹄類動物及びその製品の《入国動植物検疫許可証》の発行も停止されている。さらに5月31日付で《我が国が日本の粉ミルクを携帯して入国することを禁止することに関する通知》というストレートに日本の粉ミルクはダメという通達が公布された。何かで取り上げられない限り気づかない類の話でもあり、空港で多くの人が日本から粉ミルクを持ち帰り、そして空港で没収されている。空港ではX線検査や、検疫犬、抜き取り調査等の手段で日本からの入国旅客の携帯物、郵便物の検査を強化している。これは結構大変な出来事だ。なにせ日本の粉ミルクはかなりの人気商品、日本出張の際に買ってくるように頼まれた人も少なくないだろう。現在デパートあたりで残っている輸入粉ミルクは通達が公布される前の段階で輸入されたものであるため、今後徐々に姿を消していくことになる。衛生面問題で日本の粉ミルクの輸入が禁止されたとはいえ、日本の粉ミルクに対するニーズはそれほど衰えないのではないか。復活するまでの間は代替物としては、中国国内で生産した日本ブランドの粉ミルクが何やかんやで買われることになるのだろう。

中国のネットショッピング騒がしくなってきたぞ!

2010年06月02日 | 日記
 YahooJapanヤフーとアリババの提携が発表された。これにより、日本からタオパオでネットショッピングを行うことができ、中国からもYahooJapanでネットショッピングを行うことができる。要するに相互乗り入れだ。これは結構革命的な出来事だと思う。日本のショッピングモールのもうひとつの雄である楽天も百度と中国で合弁会社を設立し、中国ネット販売事業に乗り出すことが発表されている。後者について色々と見ていたところ、どうやら「楽百在線」という名のショッピングモールを立ち上げるという記事を見つけた。実際に5月21日付けで「楽百在線網絡技術(北京)有限公司」という会社が設立されている。何せ設立されたばかりなのでモールはまだ立ち上がっておらず、早くても7月くらいになるのだろう。これについてちょろちょろ調べているとこんなウェブサイトを見つけた。



 うええええええ?!「楽百在線」という名のサイトではないか!主な取り扱い品は女性用の衣料、化粧品、スキンケア用品といったあたりか。ちゃんとICPの届出までされている。名義人を見てみよう。



 個人名義で届出がなされていることがわかる。場所は「蘇ICP備10101021号」という番号からして蘇州に住む人なのだろう。偶然にも楽天と百度の合弁会社が設立された5月21日に届出が認められている。

 これは楽天にとってちょっとまずいのではないかと思い、「楽百在線」が商標登録されていないか調べてみた。「楽百在線」では商標登録されていなかった。やれやれ、ほっとした。「楽百在線」の商標登録に関して早めに手を打っておいたほうがよさそうだ。次に「楽百」という商号で見てみよう。「楽百●」という商号が数多く登録されている。そして「楽百」という二文字での登録もされている。中国人個人と日本企業により登録されている。



 ざっと見たところ、一つ目の中国人が登録している商標はスポーツ用品に使われているもののようだ。二つ目以降は群馬県にある株式会社山田電機という会社による登録だ。ゲッ!これってあの家電量販店のヤマダ電機ではないか!サービス商標としての登録は既に無効となっており、家電類の商標として有効なものが大半だ。商品に対する商標だからいいのかな。しかし「楽百」という商標が日本企業によって商標登録されていたとは。楽天とヤマダ電機、どちらも大企業だ。それなりに付き合いはあるのだろう。楽天が百度と合弁会社を設立するということで二社から一文字ずつとって「楽百在線」という名前でやっていこうということになったと思うので、たぶんたまたま一致したのだろう。