呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国のショッピングモールが2025年には1万越え

2013年09月09日 | 日記

 データにより数字が少し異なりますが、経済観察報によりますと、中国で開業しているショッピングモールは3100あり、これが2015年には4000に達すると言われています。そして、2025年までにはさらに7000増え、10000を突破すると予想されています。中国には320の地級市がありますが、平均すると10年後にはそれらの年に平均して30のショッピングモールがあるということになります。凄いと言えばすごいのですが、あまりにも急激な増加ぶりが気になるところです。

 

 気になるのが空室率ですが、これが上昇してきています。2011年の二線都市のショッピングモールの平均空室率が10.2%、2012年にはこれが10.5%に上昇しています。中国の不動産バブルを語るときに、入居者が全然いないマンションを幽霊マンションと表現することがあるのですが、幽霊ショッピングモールと呼ばれるようなのも出てくるかもしれません。代表的な二線都市の瀋陽の空室率は17%、成都が16.2%、そして一線都市の広州では10.2%。広州は2011年時点では空室率はわずか4%だったのにあまりにもな急上昇ぶりです。

 

 一線都市の次は二線都市、二線都市の次は三線都市という動きになるのは必然かと思いますが、ショッピングモールに関しては二・三・四線都市に進出していたのがまた一線都市に戻るという動きが見られています。とはいうものの、一線都市は競争が厳しいのは分かりきった話で、例えば上海では開業しているショッピングモールは既に100を超えており、一人当たり面積で言えば2㎡を超えていますが、これは国際水準と言われている1.2㎡を大幅に上回っています。空室率で見ても一線都市では2011年には7.9%だったのが2012年には8.4%に上昇しており、北京・上海・広州といった一線都市では少なくとも2-3割は経営状況がかなり悲惨だと言われています。こういうこともあって、新しく開業するショッピングモールに対してテナント側は慎重になってきているとのことです。立地のいいところだとそういうこともなく、テナント誘致の担当者もかなり横柄だとは聞きますが。。。

 

 ショッピングモールの数が増えれば増えるほど、そのレベルや客層にもばらつきが出てくるでしょうから、これからはとりあえずショッピングモールに入居するというのではなく、テナント側もそのショッピングモールの実力を見極める時代に入ってきていると言えるでしょう。


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