呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

日系ドラッグストア

2012年06月22日 | 日記

 聯華超市、グローウェル、上海毎日通販の三社が合弁で「聯華毎日鈴(上海)商業有限公司」という法人を設立し、「櫻工房」という名のドラッグストアをオープンしました。これは聯華超市集団にとっても初めての業態です。同社の資本金は5000万元、出資比率は聯華超市43%、グローウェル39%、上海毎日通販18%で、董事長は聯華超市から派遣され、総経理は日方から派遣されています。

 

 櫻工房では資生堂、カネボウ、KOSE、花王等の日本の有名化粧品ブランドを集め、化粧品だけで4000種類、雑貨類で2000種類、保健品で1000種類と、合計で7000種類もの品揃えを誇り、上海のドラッグストアでもかなり品揃えの充実した店舗であると言えます。商品のうち70%が日本からの輸入品で、その価格は日本と比べて3割増しだそうです。日本からの輸入で3割増しで収まるというのは輸入に際して発生する税金等を考慮するとかなり頑張った価格設定にしていると思います。これは大きな武器になるのではないかと思います。

 店舗では日韓商品専門カウンターを設け、洗顔や化粧品等の19種類の「櫻工房」のOEM商品の展開も行っています。今後はこういった商品の種類・数量とも増やしていく計画にあります。この商品の原材料は日本から輸入し蘇州で生産しているのですが、上海の櫻工房の店舗で販売すると同時に、日本にも輸出し、将来的には聯華超市、世紀聯華とうのチャネルにも流していくことを計画しており、OEM商品の売上は店舗の全体売上の10%を短期間のうちに達成することを計画しています。

 櫻工房は主に上海の中高レベルの商業エリアのショッピングモール、百貨店、大型スーパー等で展開するとしており、年内に5-8店舗の出店を計画しています。

 この三社の合弁ですが、聯華超市はチャネルを、グローウェルは商品を、上海毎日通販はネット販売のチャネルをというように、それぞれに強みを持っており、これらを融合させたビジネスモデルを作り上げていくものと思います。日系のドラッグストアの進出事例はありますが、いまのところ目を見張るような結果が出ている段階にはまだ来ていません。今回のグローウェルの進出は合弁ではありますが、出資者それぞれが有する強みをうまく融合させることで合弁であるからこその成功事例を作り上げて欲しいと思います。


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