呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

《外国投資者の国内企業合併買収の安全審査制度を実施することの規定》

2011年08月30日 | 日記

825日付で《外国投資者の国内企業合併買収の安全審査制度を実施することの規定》が公布され、91日より施行されることになりました。

 

要旨としては外国投資者が国内企業をM&Aする場合、ケースによっては安全審査が必要になるのですが、この安全審査を回避するようなことをしてはならないというものです。安全審査を回避するような行為として、代理保有、信托、複数回再投資(回数を細切れにすることによって小さなプロジェクトとして申請すること)、リース、貸付、協議支配、国外取引等の等方式が具体的にあげられています。

 

また、連席会議制度というものが設けられ、ここでは安全審査業務を担当し、また安全審査の範囲、内容、業務体系および手順について明確にしています。なお、安全審査の範囲とは、外国投資者が国内軍需産業及び軍需産業関連企業、重点・敏感軍事施設周辺企業、及び国防安全に関係するその他単位、外国投資者が国内の国家安全に関係する重要農産品、重要エネルギーと資源、重要インフラ、重要運輸サービス、キーテクノロジー、重大装備製造等の企業をM&Aすること、且つ実際支配権が外国投資者に取得される可能性があるものとなっています。以下の邦訳をご参考ください。

 

 

商務公告2011年第53

商務部:外国投資者の国内企業M&Aの安全審査制度を実施することの規定

 

 

  《国務院弁公:关于建立外国投資者の国内企業のM&Aの安全審査制度を確立することに関する通知》(国弁発[2011]6号)及び外商投資関連法律法規に基づいて、後半に集めた公衆意見の基礎の下、我が部は《商務部:外国投資者の国内企業M&Aの安全審査制度関連事項の暫定規定》(商務部公告2011年第8号)を整え、《商務部:外国投資者の国内企業M&Aの安全審査制度の規定》を形成した。ここに公布し、201191日より実施する。

 

 

                             中華人民共和国商務部

                             二〇一一年八月二十五日

 

商務部:外国投資者の国内企業M&Aの安全審査制度の規定

 

 第一条 外国投資者が国内企業をM&Aすることは、《国務院弁公:外国投資者の国内企業M&Aの安全審査制度を隔離することの通知》で明確にしているM&Aの安全審査范に属する場合、外国投資者は商務部にM&A安全審査申請を提出しなければならない。

 

 二つまたは二つ以上の外国投資者が共同でM&Aする場合、共同またはひとつの外国投資者(以下、申請人という)を確定して商務部にM&A安全審査申請を提出することができる。

 

 第二条 地方商務主管部門は《外国投資者の国内企業M&Aに関する規定》、《外商投資企業投資者の出資持分更の若干規定》、《外商投資企業の国内投資に関する暫定規定》等の関連規定に従ってM&A取引申請を受理するとき、M&A安全審査範囲に属するものに対して、但し申請人が商務部にM&A安全審査申請を提出していない場合、一時的に処理を停止しなければならず、そして5営業日以内に書面で申請人に商務部M&A安全審査申請を提出することを要求し、同時に関連状況を商務部に報告する。

 

 第三条 外国投資者が国内企業をM&Aし、国務院関連部門、全国性業界協会、同業企業及び上下游企業がM&A安全審査を行う必要があると考える場合、商務部にM&A安全審査を行うことを建議することができ、そして関連情况の説明(M&A取引基本情况、国家安全に対する具体影響等を含む)を提出し、商務部は利益関連方に関連説明を野要求を提出することができる。M&A安全審査範囲に属する場合、商務部は5営業日以内に建議を聯席会議に提出する。聯席会議が確かにM&A安全審査を行う必要があると考える場合、商務部は聯席会議の決定に基づいて、外国投資者に本規定に従ってM&A安全審査申請の提出を要求することができる。

 

 第四条 商務部にM&A安全審査の正式申請を提出する前に、申請人はその国内企業M&Aの手順性の問題について商務部に打ち合わせの申請を提出し、事前に関連条項を相談することができる。当該予約打ち合わせは正式申請を提出するのに必ず必要な手順ではなく、相談状況は約束力と法律効力を備えず、正式申請提出の根拠としない。

 

 第五条 商務部にM&A安全審査の正式申請を提出するとき、申請人は以下の文書を提出しなければならない。

 

 ()申請人の法定代表人またはその授権代表の署名を経たM&A安全審査申請書及び取引状況説明;

 

 ()公証及び法に依って伊認証を経た外国投資者の身分証明または登録冬季証明お呼びし本信用証明文書;法定代表人の身分証明または外国投資者の授権代表の委託書、授権代表の身分証明;

 

 ()外国投資者及び関連企業(その実際支配者、一致行動者を含む)の状況説明、関連する国家政府との関係説明

 

 ()M&Aされる国内企業の状況説明、定款、営業許可証(コピー)、前年度の監査を経た財務報告表、M&A前後の組織構造図、投資企業の状況説明と営業許可証(コピー)

 

 ()M&A後に設立する外商投資企業の契約、定款またはパートナー協議及び株主各方が委任する董事会メンバー、任命する総経理またはパートナー等の等高級官吏人員リスト;

 

 ()出資持分M&A取引である場合、出資持分譲渡協議または外国投資者が国内企業の増資を引き受ける協議、M&Aされる境内企業の株主決議、株主大会決議、及び相応する資産評価報告を提出しなければならない;

 

 ()資産のM&A取引である場合、国内企業の権力機構または財産権保有者が資産売却に同意する決議、資産購買協議(購買する資産の明細、状況を含む)、協議各方の状況、及び相応する資産評価報告を提出しなければならない;

 

 ()外国投資者がM&A後に持つ表決権の株主会または株主大会、董事会決議、パートナーの事務執行に関する影響説明、その他国内企業の経営政策決定、財務、人事、技術等の実際支配権を外国投資者またはその国内外関連企業への譲渡をもたらす状況説明、及び上述状況に関連する協議または文書;

 

 ()商務部が要求するその他文書。

 

 第六条 申請人が提出するM&A安全審査申請文書が整っており且つ法定要求に符合する場合、商務部は書面で申請人に申請の受理を通知しなければならない。

 

 M&A安全審査範囲に属する場合、商務部は15営業日以内に書面で申請人に告知し、そしてその後5営業日以内に外国投資者の国内企業M&A安全審査部際聯席会議(以下、聯席会議という)に提出して審査する

 

 書面で申請人に申請受理を通知してから15営業日以内に、申請人はM&A取引を行ってはならず、地方商務主管部門はM&A取引を審査批准してはならない。15営業日後に、商務部が書面で申請人に拘置していない場合、申請人は国家関連法律法規に従って関連手続きを行うことができる。

 

 第七条 商務部は聯席会議の書面審査意見を受け取った後、5営業日以内に審査意見を書面で申請人(または当事者)、及びM&A取引管理を担当する地方商務主管部門に通知する。

 

 ()国家安全に影響しないものに対して、申請人は《外国投資者の国内企業M&Aに関する規定》、《外商投資企業の投資者出資持分変更の若干規定》、《外商投資企業の国内投資に関する暫定規定》等の関連規定に従って、相応の管理権限を有する関連主管部門でM&A取引手続きを行う。

 

 ()国家安全に影響する可能性があり且つM&A取引が未実施である場合に対して、当事者は取引を終止しなければならない。申請人はM&A取引の調整、申告文書の修正そして再度の審査を経ていない場合、M&A取引を申請そして実施してはならない。

 

 ()外国投資者が国内企業をM&Aする行為が国家安全に対して既に十台影響を既にもたらしているまたはもたらしうる場合、聯席会議の審査意見に基づいて、商務部は関連部門に共同で当事者の取引を終止、または関連出資持分、資産の譲渡またはその他有効措置を採用して、当該M&A行為の国家安全に対する影響を除去する。

 

 第八条 商務部が席会議で審査を提出した後、申請人が申告文書の修正、M&A取引の取り消しまたは席会議の供給に答えて飼料の追加提出、修正をする場合、商務部に関連文書を提出しなければならない。商務部は申請告及び関連文書を受け取ってから、5営業日以内に聯席会議に提出する。

 

 第九条 外国投資者の国内企業M&Aに対して、取引の実質内容と実際影響からM&A取引がM&A安全審査の範囲に属するか否かを判断しなければならない;外国投資者はいかなる形式でも実質的にM&A安全審査を回避してはならず、代理保有、信托、多重再投資、リース、貸付、協議支配、国外取引等の等方式を含むがこれらに限らない。

 

 第十条 外国投資者の国内企業のM&Aが聯席会議の審査に提出されていない、または聯席会議が審査を経て国家安全に影響しないと考える場合、もしその後にM&A取引の調整、関連協議文書を修正、経営活動の変更及びその他変化(国外実際支配者の変化等を含む)が発生し、当該M&A取引が《国关于建立外国投資者M&A境内企業安全審査制度的通知》で明確にしているM&A安全審査範囲に属するようになった場合、当事者は関連取引と活動を停止し、外国投資者により本規定に従って商務部にM&A安全審査申請を提出しなければならない。

 

 第十一条 M&A安全審査に参加する商務主管部門、関連単位及び人員はM&A安全審査における国家秘密、商業秘密及びその他秘密保持の必要のある情報に対して秘密保持義務を負う。

 

 第十二条 本規定は201191日より実施する。


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