呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

高級化粧品の値上げ

2011年07月06日 | 日記

 普段自分は化粧品を買うことはないので知らなかったのですが、高級化粧品が値上げしているそうです。新聞記事で紹介しているところによりますと、エスティローダーが7月1日から8-10%の幅で値上げしており、他のブランドではシャネル、クリスチャンディオールあたりも10-20%値上げしているそうです。値上げの理由はさまざまなコストの上層によるものということです。高級化粧品子コストは主に、①広告運営コスト、②プロモーションコスト、③人件費コスト、④原材料コスト、大きくはこの4つになります。高級化粧品の利益率は60-80%くらいだそうですが、コストアップにより20%ほど打たれているようです。中でも上昇が激しいのが広告コストだそうです。

 

 また、高級化粧品は輸入品が多いのですが、中国では輸入コストが高いという問題があります。まず関税が6-10%程度、輸入増値税が17%、これに加えて贅沢品を対象とする消費税が30%加わります。スキンケア類の化粧品はこの消費税がすでに廃止されているのですが、それ以外の口紅のような化粧品についてはまだ残っています。最近同じ海外製品でも中国での価格が海外と比べて高すぎるという記事をよく見ますが、高級化粧品を購入する人からすると購入にあたって大きな障害になるものでもないようで、また戦略的に値上げしているという見方もあります。「値段の高いものはいいものだ」という心理をついているということでしょう。以前某男性アパレル製品を販売している会社を訪問した際に伺ったのですが、「値段を上げればあげるほど売れる」という現象が見られているようです。ターゲットはいわゆる成金で、ファッションセンスがあまりない人たちだそうですが、おそらくセンスがないために「値段」というものさしでしか商品のよさを判断できないのでしょう。あるいはバブっている今だからこそこんな基準で買うのかもしれません。なんだかんだいってまだ経済が盛り上がっている今のような状況が続く間はこの風潮が続くでしょう。日本のバブル時代もそんな感じだったのかもしれません。そのうち経済が落ち着いてきたり、消費者の目が肥えてきて値段以外の判断基準を持って商品を購入する時代もやってくるでしょう。でも見栄っ張りの人が多いので、ちょっと時間がかかるかもしれないですねえ。


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