呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国では医師がメチャメチャ少ない

2011年07月18日 | 日記

 2011年7月15日に中華医学会と中国医師協会が共同で《国務院:一般医制度に関する指導意見》を貫徹することに関する座談会を開催しました。この中で中国の医師が非常に少ないことが取り上げられています。どれだけ少ないかを比較するために、まず2009年のOECD諸国の医師・看護師数を見てみましょう。

 

 

                  (出所:社会実情データ図録website)

 

 日本の医師数は1000人あたりで2.2人、米国が2.4人、ギリシャはなんと6.1人とぶっちぎりに多いです。以前オーストラリアでバイクで転倒したときオーストラリアの病院で診察してもらったことがあります。なんと外国人であったにもかかわらず治療費は無料であったという非常に福利厚生が充実していた国だったのですが、そこでは1000人当たり3.0人という数値です。中国はOECDに加盟していないのでこの表には反映されていませんが、医師自体は全体で7.8万人います。これを最新の統計数値である13.4億人の人口で計算するとたったの0.058人しかいません。メチャメチャ少ないです。日本の2002年のデータによりますと人口当たりの医師が最も少ないのが埼玉県で1000人当たり1.218人です。ちなみに日本で一番多いのは徳島県で2.587人です。一番少ない埼玉県でもでも中国と比べると21倍もいます。

 

 これだけ中国では医師が少ないにもかかわらず、待遇面もそれほど恵まれていません。あまりに待遇が悪いので、脱サラならぬ脱医師してサラリーマンになる人も少なくないようです。こんな状況だと医学会に優秀な人材は集まりにくいですね。病院に行けばいつも黒山の人だかりです。日本でよく見られるような開業医の姿も日常生活をすごしている限りではそれほど見かけることはありません。これも医師が少ない要因のひとつでしょう。開業医がもっとたくさんいれば大病院の混雑もいくらかはよくなるのでしょうが。

 

 ということで、中国では今後この方面にも力を入れていくようです。この流れの中からあらたなビジネスチャンスがありそうですね。


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