呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

ベストバイが中国の全店舗を閉鎖へ

2011年02月24日 | 日記

べストバイは2006年に五星電器の最大株主となることを通じて中国に進出し、2008年には100%子会社としました。運営はベストバイと五星電器の二ブランドで行っていたのですが、このたび9店舗あるベストバイの全店舗を閉鎖することが発表されました。

 

報道を見ますと、ベストバイは買取方式で、五星電器は国内家電小売商と同じモデルで運営を行っていたといいます。つまり、内資の家電売り場内ではサプライヤーが場所を借りて、販促員が主導権を持つスタイルですが、外資の家電小売は通常現金買取方式で売り場内の主導権を持とうとします。後者が本来的な形だと思うのですが、中国では二級ブランドレベルになるとこのスキームではやりたからず、最終的には一級ブランドのみの売り場になってしまうようです。二級ブランドは陳列しているだけでは一級ブランドにかなわないので、販促員を配置することでブランド力が劣る部分をカバーするということなのでしょう。そうすると品揃え的には地場小売店に負けてしまうというわけです。今後は五星電器ブランドで中国市場を開拓していくようです。中国には中国のやり方がそぐわしいということでしょうか。報道ではビジネスモデルが中国に会わなかったということが紹介されていますが、価格設定が高かったのではないかというようにも思います。会社のスタッフにも聞いてみたのですが、同じブランドの同じ商品がベストバイで499元で売っていたのが、地元のスーパーでは399元で売っていたそうです。この価格帯で100元も違えばそりゃあ売れないでしょう。これはたまたまなのかもしれませんが。

 

でも、中国スタイルの小売のビジネスモデルはやっぱり納得いかないんですよねえ。まあ、中国は人が多すぎる、そして店も多すぎる、結果過当競争になり粗利率が低下する、小売店としてはこれだと成り立たないので場所代やリベートをとるという方向でそれをカバーしたというのがこのいびつなスキームの由来のようです。が、人が多すぎるという部分は改善しようがないのでやっぱりこのいびつなスキームは変わらないのかなあ。そうなると、日系を含む外資系が本国のスキームにこだわると成功しようがないということにロジック的にはなりますね。カルフールが最近サプライヤーとリベートはその他諸々の費用徴収といった条件面でかなりゴタゴタしているという報道がしばしば紹介されていますが、それでもこのスキームは変わらないのかなあ。


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