呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国企業の三四級市場に対する取り組み

2011年05月02日 | 日記

 内陸市場を攻めようなどというフレーズはここ最近では聞き飽きたフレーズかと思います。しかしながら、中国企業でもこのあたりを攻め込もうという動きはあり、今回はこれについて紹介したいと思います。

 

 ある調査会社の報告によりますと2010年の家電市場規模は10758億元で、そのうち三四級市場は半分を超えているそうです。さすがにこれは無視できないですね。ハイアールでは加盟という方式を通じて県級市場に6000の専門店と700の日日順という加盟店を展開し、2011年には全国で新たに2000の加盟店を設けることを計画しています。美的電器は今年3月末までで専門店が13000店になり、年末には16000店までにすることを計画しています。いずれも主に県級や鎮級の市場で増やしていく計画です。これっていわゆる昔の日本で言うところナショナルショップのようなパパママショップかと思うのですが、普段はあんまり意識しませんでした。どうしても国美や蘇寧といった家電小売店の動きに気をとられてしまってました。ただ、中国の場合箱を持っている側の立場が強すぎるので、箱に対して商品を提供するよりはハイアールや美的が行っているような動きも十分に検討に値するのではないかと思います。しかし、外国の市場で単独でこのような展開をしていくのも難しいでしょうから、こういった展開をサポートしてくれるパートナー探しも必要になってくるでしょう。ただ、メーカーの専門店となりますとどうしても品揃えで家電小売店に負けますので、そのあたりの対策が必要になってきますね。しかし今のところは伸びている市場がこの問題をカバーしているようです。そういえば細かいところは忘れましたが、島耕作の中でもこういったパパママショップに関するお話がありましたね。それとパナソニックが既に松下電器生活館というのを展開してますね。結構いろんな都市で展開しています。

 

 家電小売店もこの動きを見過ごすわけには行かず、やはり積極的に店舗展開を行っています。国美では人口5万人以上の県級市場は絶対にカバーすると言い切っており、実際に広州で40店舗増やしてます。年内には150まで店舗を増やす計画です。蘇寧電器も年内に広東で70店舗増やすと発表しており、これにより265という店舗網を築くことになります。

 

 中国企業はこのように非常に積極的な取り組みを行っています。これが正解かどうかはともかく、日系企業としても今後の市場展開を考える上で研究する余地はありそうですね。


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