呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

家電・自動車リコール管理規定意見募集稿

2010年07月08日 | 日記
 現在中国でリコール制度が行われている製品は自動車、玩具、食品、薬品等の5大分類に限られており、多くの製品が対象外となっている。このような状況の中で、7月2日に国家品質監督検査検疫総局が家電製品、自動車製品に対して各々リコール管理規定及び条例の意見募集稿を発表した。品質に対するクレームが最も多いのが家電製品であったが、これにより家電製品もはじめてリコール製品の対象となることになりそうだ。そして、今般の家電製品と自動車のリコール管理規定の意見募集稿では国内企業も外国企業も同一の取り扱いとなることが謳われている。

 家電の意見募集稿に基づくと、生産者は生産した家電製品に対してリコール義務を履行しなければならず、販売者、修理者等もリコール義務の履行に協力しなければならないとされている。また、生産工場が規定に従ってリコールせず、欠陥のある家電製品の生産販売を停止せず、欠陥製品の調査等の行為に協力しない場合、3万元以下の罰金に処するとされている。自動車にいたっては罰金額が従来は最高で3万元だったものが、製品価格の半分にまでに上限が引き上げられるものとなっている。

 また、家電の意見募集稿の中で、リコールとは規定された手順及び要求に従って、生産企業またはその組織するその他経営者により消費説明の補充または修正、返品、交換、修理等の方式で、欠陥によりもたらされうる損害を有効に予防及び取り除くものとしている。つまり、返品だけがリコールの手段ではなく、生産者は交換や修理等のその他方式で消費者に製品欠陥を取り除くことができることとされている。一般的に中国製品の故障に対するメーカーの対応は決してよいものではなく、だからこそこのような規定が検討されているのだということが言える。販売店の対応も面倒くさがってかなりひどい対応をするケースがある。そのため、生産側にとって心配すべき点としては、本来であれば修理程度で解決するものが、返品や交換を強硬に要求されたり、販売店がいい加減な対応をすることにより、不満に感じた消費者が変な煽り方をすることだろう。家電製品については今後この方面のリスクヘッジ対策も必要になってくるだろう。

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